
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
バックグラウンドが定常的に 1000 カウント/60分 あるのであれば、1分あたりでは
1000 カウント /60 ≒ 16.7 cpm ①
相当です。このバックグラウンドは測定時間をどのように延ばしても減らすことはできません。従って、バックグラウンド分の誤差は測定時間で小さくすることはできません。
通常は、「バックグラウンド」に含まれる「統計的なばらつき」を相対的に小さくして、その「精度の高いバックグラウンド計数値」を測定値から差し引くことによって正味の線源の計数値を正確に評価する方法をとります。
詳しい説明は省略しますが、一般に「計測値:X」に対して、その計測値の持つ統計誤差は ±√X と評価できます。
(必要であれば、下記などを参照ください)
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detai …
http://wwwxray.ess.sci.osaka-u.ac.jp/~nakajima/M …
これを、基準計測時間の N 倍測定して計測値が Y とすると、「N 回の計測を行った」のと同じで、その基準計測時間の計数率は
(Y ± √Y)/N = Y/N ± (√Y)/N ①
ということになります。
基準計測時間の計数率を y と書けば
y = Y/N
なので、①は
y ± y/√N
ということになります。
お示しの例で言えば、「60分測定でバックグラウンドが1000カウント」なので、cpm (counts per minute) の計数値でいえば
1000/60 ± (√1000)/60 ≒ 16.67 ± 0.527 (cpm)
ということになります。
これを、たとえば「1分測定でバックグラウンドが16.67カウント」だったとすると、その計数値は
16.67 ± √16.67 ≒ 16.67 ± 4.08 (cpm)
ということで、誤差は
0.527 ≒ 4.08/√60
の関係になっていることが分かります。
問題では、この「バックグラウンドのばらつき」および「線源の計数値のばらつき」を、許容誤差(50 cpm の 1% なら 0.5 cpm、100 cpm の 1% なら 1.0 cpm)以下にする計測時間を求めるということになります。
(1) 50 cpm の線源を想定する場合
線源からの「真の計数:50 cpm」の統計的なばらつきは
√50 = 7.07 (cpm)
なので、N 分間測定したときの誤差は
E1 = 7.07/√N
バックグラウンドの統計的ばらつきは
Eb = 4.08/√N
になります。
この2つの誤差の重なりが許容誤差 0.5 cpm 以下となる条件は
√(E1^2 + Eb^2) ≦ 0.5
より
50/N + 16.67/N ≦ 0.25
→ N ≧ 266.67
→ N ≧ 267 (分)
(2) 100 cpm の線源を想定する場合
線源からの「真の計数:100 cpm」の統計的なばらつきは
√100 = 10 (cpm)
なので、N 分間測定したときの誤差は
E2 = 10/√N
バックグラウンドの統計的ばらつきは
Eb = 4.08/√N
この2つの誤差の重なりが許容誤差 1.0 cpm 以下となる条件は
√(E2^2 + Eb^2) ≦ 1.0
より
100/N + 16.67/N ≦ 1.0
→ N ≧ 116.67
→ N ≧ 117 (分)
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