富岡竜太著「あきらめない一般相対論」の中でわからないところがあります。117ページと118ページにわたるところです。
この本によるとベクトルVと、基底e_νの内積は
V・e_ν=V^μe_μ・e_ν...........................................①
および、
V・e_ν=V_μe^μ・e_ν............................................②
と2通りに表せるそうです。(e_μ, μ=0, 1, 2, 3 は基底、e^ν, ν=0, 1, 2, 3は双対基底)
つまり、 V^μe_μ=V_μe^μ.........................................................③
が成り立っていると言っているように見えます。しかし、③式の左辺が存在するベクトル空間をWとすると、右辺は双対ベクトル空間W^*の元になっているので、左辺と右辺は異なるベクトル空間の元です。よって、③は成り立たないと思います。
するとなぜ①、②が言えるのかわからなくなります。
①、②は本当に正しい式なのでしょうか?正しくても誤っていても、その理由を丁寧に説明してください。
A 回答 (12件中1~10件)
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No.1
- 回答日時:
すいません、前回の質問で補足に気づいた時には締め切られてしまっていました。
> しかし、③式の左辺が存在するベクトル空間をWとすると、右辺は双対ベクトル空間W^*の元になっているので、左辺と右辺は異なるベクトル空間の元です。
先にも書いたようにベクトル空間に内積が定義されているのであれば、双対ベクトル空間W*としてW自身を選べるので、わざわざW*とWが異なると考えるメリットがありませんので、そういうつもりで書かれているのだろうと思いますが、そうは読めないのでしょうか?つまり、・が普通の内積の意味のままだと思っても
e_μ・e^ν=δ^ν_μ
を満たすようなe^μが(ベクトル空間の中に)存在するので、これを双対基底と呼ぶ事にしているとは思えないのですか?
こう思えばWの元しか話に出てこないので、ご質問のような疑問はそもそも生じませんよね。
そう思えない・思いたくない理由は何かあるのでしょうか?
W*の元とは、Wの元をCやRに移す線型な連続関数ですよね。そうすると、③式は、Wの元=W上の連続関数、というおかしな式になってしまうと思うからです。
No.2
- 回答日時:
>W*の元とは、Wの元をCやRに移す線型な連続関数ですよね。
Wが内積空間であるのなら、Wの元vに対して、
x→v・x
という線型写像v*が定義できますよね。
この自然な同型写像を通じてv*をvと同一視できるんです。
一般には(内積がない時には)双対空間とベクトル空間は異なる空間と思うしかありませんが、その事はいついかなる時も異なる空間と思わなければいけない、という意味ではありません。
相対論なので、Wには擬内積が入っています。擬内積の場合同じことがいえるでしょうか?
よくわかっていないのですが、v*とvの同一視は、リースの表現定理が関係しているような気がするのです。リースの表現定理の証明を見直してみると、ベクトル空間に擬内積が入っている場合は、リースの表現定理が成り立たないように思えます。
No.3
- 回答日時:
うーん、前の質問にリースの表現定理と書いたし、その後自明と仰っていた内容だと思っているので、今更何を説明したら良いのか悩んでしまいますが、、、
詳細はご覧になっている証明次第ですが、
擬内積で成り立たない事を懸念されているのなら、x・x=0⇔x=0を使っている部分があると言う事だと思います。
#2に書いたv→v*の写像が単射である事に相当する内容を証明している部分だとすれば
全てのyについてy・x=0⇔x=0
という非退化性に置き換えても証明できるので、擬内積である事がリースの表現定理の主張に影響する事はありません。
「擬内積で成り立たない事を懸念されているのなら、x・x=0⇔x=0を使っている部分があると言う事だと思います。」
違います。リースの表現定理の証明を見ると、各F∈H* (Hはヒルベルト空間)に対してベクトルΦ_Fがただ一つ存在して、F(ψ)=(Φ_F, ψ)となる、
F(ψ)は、ψ0∈(Ker F)^⊥を使って、
F(ψ)=F(ψ0)(ψ0, ψ)/||ψ0||^2
と表されるとことに難点があります。((・, ・)はHにおける内積)
擬内積が定義されたベクトル空間では、ψ0=0ではなくても
||ψ0||^2=(ψ0, ψ0)=0 となることがあるため、F(ψ)が定義できないところに問題があると思います。
No.4
- 回答日時:
> 「擬内積で成り立たない事を懸念されているのなら、x・x=0⇔x=0を使っている部分があると言う事だと思います。
」>違います。
具体的に何をどういう流れで証明しようとしている所なのか、引用された部分だけでは分かりませんが、何がどう違うのですか?
||ψ0||^2 F(ψ)=F(ψ0)(ψ0, ψ)
の両辺を||ψ0||^2で割って
> F(ψ)=F(ψ0)(ψ0, ψ)/||ψ0||^2
を得てるのであれば、ψ0=0⇔||ψ0||=0を使ったのですよね。
擬内積の時には少なくとも同じやり方では証明できないのは確かでしょうが、それだけでリースの表現定理の主張が成り立ってないという意味にはなりませんよね。(もちろん、これだけで成り立っているという意味にもなりませんが)
まずは一般の場合の証明の事は考えず、3+1次元の時空で正規直交基底を選んだ時の事だけを考えてリースの表現定理の主張が正しい事を確認してみるのが良いと思います。
リースの表現定理を具体的にどう表現するかで細かい部分は変わるかもしれませんが、
W*の任意の元は(x,y,z,t)→ax+by+cz+dtという形で表せる事
ax+by+cz+dtが(a,b,c,-d)と(x,y,z,t)の擬内積に等しい事この2点を確認すれば十分でしょう。
「3+1次元の時空で正規直交基底を選んだ時の事だけを考えてリースの表現定理の主張が正しい事を確認してみるのが良いと思います。」
これができないのです。ここを証明していただけないでしょうか?
No.5
- 回答日時:
>各F∈H* (Hはヒルベルト空間)に対してベクトルΦ_Fがただ一つ存在して、F(ψ)=(Φ_F, ψ)となる、
F:ψ=(x,y,z,t)→ax+by+cz+dt
に対してΦ_F=(a,b,c,-d)がただ1つ存在して
F(ψ)=(Φ_F,ψ)となる事を確かめて下さいと言ってるだけです。
ほとんど明らかな話だと思うので、具体的に何が確かめられないのかもっと書いてくれないと#4の最後に書いた以上の事は書けません。
Hがヒルベルト空間の場合のリースの表現定理の証明は、完璧に理解できています。ただ、Hの中に擬内積が定義されている場合、ヒルベルト空間の場合の
「各F∈H* (Hはヒルベルト空間)に対してベクトルΦ_Fがただ一つ存在して、F(ψ)=(Φ_F, ψ)となる、
F(ψ)は、ψ0∈(Ker F)^⊥を使って、
F(ψ)=F(ψ0)(ψ0, ψ)/||ψ0||^2となる。」
の、||ψ0||>0が必ずしも言えないところを、どう修正すればリースの表現定理の擬内積空間バージョンの証明ができるでしょうか?
No.6
- 回答日時:
貴方の考えているリースの表現定理が
>F(ψ)は、ψ0∈(Ker F)^⊥を使って、
>F(ψ)=F(ψ0)(ψ0, ψ)/||ψ0||^2となる。」
まで含んでいるのなら、この部分は確かに普通の内積を前提にしたものですね。
今の文脈では存在が分かれば十分で、具体的に求める必要なんてないので、私は
>「各F∈H* (Hはヒルベルト空間)に対してベクトルΦ>_Fがただ一つ存在して、F(ψ)=(Φ_F, ψ)となる、
の話しかしてません。こっちは擬内積でも成り立つのはokなのですね?
通常のヒルベルト空間ですと、
Φ_F=F(ψ0)*ψ0/||ψ0||^2 (ψ0∈(Ker F)^⊥)となり、ここで、||ψ0||>0がいえないと困ります。擬内積の場合、これをどう回避してよいのかわかりません。
よって、
>「各F∈H* (Hはヒルベルト空間)に対してベクトルΦ_Fがただ一つ存在して、F(ψ)=(Φ_F, ψ)となる、
の話しかしてません。こっちは擬内積でも成り立つのはok」ではありません。
No.7
- 回答日時:
> 擬内積の場合、これをどう回避してよいのかわかりません。
単にその式を使わない(成り立ってないので)だけで回避できます。
具体的にΦ_ Fを求めなきゃいけない話を考えている訳ではなく、存在する事だけ言えれば十分なので、代わりにΦ_ Fをどう求めたら良いのかを考える必要すらありません。
もしも、どうしても擬内積の場合に問題になるというのなら、下記の例の場合にどんな問題が生じるのか書いてください。(貴方の考えている問題を引き起こすのにこのFが不適切なら、適宜変えて下さい)
F:(x,t)=x-t
とした時、
Φ_F=(1,1)とすれF(ψ)=(Φ_ F,ψ)となる事は容易に確認できるはずです。
貴方はこのΦ_ Fを求めるために
ker F=ker F^⊥=(1,1)に平行なベクトルの全体
の元であるψ0=(a,a)を考えて
Φ_F=F(ψ0)*ψ0/||ψ0||^2
を使おうとして困っていて、確かにこれでは求まらないのですが、それは単にΦ_ Fを正しく求められなくて困るとというだけの話。
Φ_ F=(1,1)というF(ψ)=(Φ_ F,ψ)を満たすΦ_ Fが存在してるかどうかが変わるような話にはなりませんよね。
No.8
- 回答日時:
空間を3次元にしても単に成分が増えるだけで劇的に何かが変わる訳ではないし、貴方が問題だと思ってる話は1次元でも起こってますよね。
3次元の場合に置き換えた時に変わる(変える)部分だけ書いておきますが、まずは1+1の時空で考えた方が良いです。F:(x,y,z,t)=x-t
とした時、
Φ_F=(1,0,0,1)
ker Fは(a,b,c,a)の形のベクトルの全体
ker F^⊥は(a,0,0,a)の形のベクトル全体
一般的に証明するには
「F(x, y, z, t)=ax+by+cz+dt (a, b, c, dは任意の実数)
に対して、Φ_F∈R^(3, 1)が一意に存在して 任意のψ∈R^(3, 1)に対して
F(ψ)=(Φ_F, ψ) (ただし( , )は擬内積)が成立する」
ということを証明しないといけないと思います。
これを証明していただけないでしょうか?
No.10
- 回答日時:
(a,b,c,d)→(a,b,c,-d)
という写像(R^4→R^4の写像)が全単射である事の証明を書いてください。
その証明が貴方の知りたい証明なので。
本当にこの程度の内容の証明が必要なレベルとは思えないので、これと質問の件がどう関係するのかという事の補足が必要なのだと思ったんですけど、何を補足すればいいのかは検討がつかきません。だから色々と貴方の認識を聞こうとしていたのですが、ゼロ回答では何も分かりません。
そもそも、一般化したいようですが、本当に一般化した時の話を理解できるレベルには到達したのですか?
#7,8に書いたような例に対して「確かにΦ_Fは一意に存在している」と思ってるのか、「F(ψ)が定義できないじゃん」と思ってるのか、貴方が今どう考えているのかすらわからないので、そう言う事すら私には分からない。
>(a,b,c,d)→(a,b,c,-d)
という写像(R^4→R^4の写像)が全単射である事の証明を書いてください。
これは自明です。念のため証明をします。
g:(a,b,c,d)→(a,b,c,-d)
とする。任意の (a ,b, c, d)∈R^4に対してg(a, b, c, -d)=(a, b, c, d)となるから、全射。
g(a, b, c, d)=g(a', b', c', d')とすると、(a, b, c, -d)=(a', b', c', -d')となるから、(a, b, c, d)=(a', b', c' d')となるから、単射。
私が思っているのは、「F(ψ)が定義できないじゃん」ということです。
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