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私の父は、30年近く借家住まいをしておりますが、老朽化による家屋建て替えを理由に退去請求の内容証明郵便が届きました。

当初、土地と家屋の購入意思がある上での賃貸契約が始まったそうですが、地価高騰や経済状況悪化の為、価格交渉が折り合わず今だに賃貸のままです。


契約更新の際に家屋の修理を依頼したところ
「自分でなおせ」と言われたそうです。

不動産業者が大家の義務を説明してくれたのですが、
「大家の味方をしない不動産屋にはもう頼まない」

と言われ、その後20年位現在に至るまで契約更新は行われておりませんし、契約書を交わす請求もありませんでした。
(家賃はちゃんと払ってます)


それがこの度、建物老朽化による建替えの旨が記された内容証明郵便が届き、大家さんがきて立ち退きを告げられました。「買う気があるなら坪90万」だそうです。(東京北区、約30坪)
最初に契約した大家さんは、亡くなられてお子さんが相続しているはずです。



父の希望

1、何とか買い取りたいのですが、その費用が捻出できる
  か分からないし、この金額が妥当な気がしない。

2、買い取れないのであれば、長生きしても後10年くら  いだろうから死ぬまでここに居たい。


このような状況のとき、ほんとのボロ家でも退去を拒否できるのでしょうか?

30年も自分で修理して住んでいるのにこの提示価格は高い気がします、妥当な購入価格は幾ら位でしょうか?

借地権、借家権、地上権などは、発生するのでしょうか?


借地権などがついていると、購入価格が安くなると聞いたことがあるのですが、それは私名義で購入した場合でも適用されるのでしょうか?

あと、退去に対する妥当な費用請求どれくらいでしょう?


皆さんのお知恵を貸してください。

A 回答 (4件)

1.借家の退去拒否について。


平成4年以前の旧「借家法」が適用される建物の賃借権であると思われますので、実際に賃借人(お父さん)が借家にお住まいであれば、立ち退く必要はありません(入居前に土地、建物に抵当権が設定されている場合を除く。下記7.参照)。
立ち退かなければならない場合は、(1)賃貸人(大家さん)が自ら使用するとき、(2)その他正当な事由が存在するときとされます(借家法1条の2)。この条文は相当、借家人に有利に解釈されますので、今回、このどちらにも該当しないように思われます。
※平成4年以前は、借家法、借地法という別の法律でしたが、それ以後、借地借家法に統一されました。平成4年以前の契約は、旧来の借地法、借家法が適用されます。
2.借家権について
建物を賃貸借しているだけですので、この場合、借地権(建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権)は発生しません。土地に関しては、ご質問者さんのお父さんは何の権利も持っていません。お父さんがお持ちなのは、建物の「借家権」だけです。なお、この借家権は相続できます(借家法7条の2)。
3.提示価格について
提示価格90万円については、条件がわからないので、何とも言えないのですが、相続税の評価に用いる「平成16年度路線価図」で東京都北区赤羽1丁目付近(五十音順で最初の地名だったので例示)の住宅地をみると、更地1m2当たり21~30万円(坪換算で70万円~100万円)でした。おそらく、この提示価格は、土地、建物全ての所有権の買い取り価格であろうと思います(更地価格のみ。建物は時価ゼロと査定)。路線価は時価の概ね80%程度に設定されています。路線価から必ずしもその土地の時価を求められるわけではないのですが、ひとつの参考指標にはなると思います。下記URL(国税庁HP)から該当する住所を探してみて下さい。
ただし、敷地が道路に2m以上接していないなど、建物を新築する上で建築基準法の規定を満たさない土地であれば、坪90万円はかなり高い可能性があります。公法上の規制については、区役所の建築指導の部署で教えてくれます。
4.借家権価格について
借家権があるからといって、必ずしも借家権価格があるわけではないのですが、東京都内であれば、借家権は独立の財産価値があるとみてよいでしょう。ちなみに、相続税の場合は、家屋の評価額(固定資産税評価額)に借家権割合(東京都内は0.3)を掛けて求められます。もっとも、この価格もあくまで便宜上、相続税を計算するために用いるもので、時価(取引価格)と一致するものではありませんので、ご参考にとどめて下さい。固定資産税評価額は、借家人であることを証明するものを持参すれば、都税事務所で閲覧できます(詳細は都税事務所の下記URL参照)。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/kotei_tosi. …
5.立ち退き費用の請求について。
賃貸人の同意を得て、建物に設備等を取り付けた場合、賃貸借の終了時にその費用を時価で賃貸人に請求できます(造作買取請求権、借家法5条)。
10数年前のバブル経済全盛期であれば、高額の立ち退き料を大家さんが支払ってくれることもありました。しかし、地価が冷え込んでいる昨今、相続税の方式による借家権価格の数字さえ難しいのが現状だと思います(上限値だと思います)。この場合、大家さんが「借家権を買い取る」ということになります。逆に、下限値は、引っ越し費用+移転先の敷金・保証金の合理的な金額の合計額程度であろうと推察されます。いずれにしても、双方の交渉で決まります。
6.ご質問者さんが買い取った場合。
大家さんは、「土地、建物の所有権を買い取ってもらいたい」と言っていると思われますので、買い手が、お父さんであっても、ご質問者さんであっても同じ金額を提示されると思います。安くなるのは、第三者が借家権付きの建物、土地を買い取った場合でしょう。この場合は、お父さんの借家権があるため、家賃相当分しか収入がなく、新所有者が自由に土地、建物を使用できないので、土地、建物の所有権の価格は、借家権がない場合よりも安くなるというわけです。なお、固定資産税すら払えないような低廉な家賃の場合、賃借権(借家権)を否定される可能性があるので注意が必要です。借地、借家に関する訴訟は時として長期化することが予想されるので、あまりお勧めできません。ですから、お父さんの「現状維持」というのも、あながち悪い選択ではないように思います。
7.抵当権について。
土地、建物に抵当権が設定された後にお父さんが賃借人として入居した場合、この抵当権が実行されて競売となったら、買受人(新所有者)に対し、お父さんは借家権を主張できません。
内容証明郵便を恐れる必要はありませんが、軽く扱うのも問題です。なぜ、今、内容証明郵便を送ってきたか。大家さんの資産状況を把握する上でも、借家されている建物、土地の登記簿謄本(登記事項証明書)を法務局で取られて、抵当権などが設定されていないか確認されるのもよいと思います。土地、建物の購入も視野に入れられているのなら、早急に登記簿謄本を入手されることをお勧めします。先の話に戻りますが、もし、抵当権付きで坪90万円の買い取り価格なら、はっきりいって高いです。

参考URL:http://www.rosenka.nta.go.jp/

この回答への補足

非常に分かりやすいご説明ありがとうございます。
今後大家との交渉に非常に役立つと思います。
父が、「旧法だと○○年以上住んでいれば借地権がつくのだからと」強気な発言をしているのですがそのような事実はあるのでしょうか?

補足日時:2005/03/31 03:07
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1.旧「借地法」は全18条、旧「借家法」は全11条しか条文がありませんが、○○年間住んでいれば借地権が付くという趣旨の条文はありません。


借地権の定義は、新しい借地借家法でも旧「借地法」でもほとんど変わらず、「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権(借地借家法2条)」です。要するに、建物を所有していなければ、借地権はありません。

2.建物の所有者がご質問者さんのお父さんであれば、借地権があるといえる可能性(※)がありますが、建物が大家さんの所有である以上、借地権が自然発生するということはないです。
※建物があっても、土地利用は使用借権や無権利のことがあるので、必ずしも借地権があるとはいえない場合があります(ほとんど例はありませんけど)。

3.もしかしたら、お父さんは、借地権の取得時効(民法163条)のことを言われているのかもしれません。民法163条によると、他人の土地に関して借地権を有しない者が、地上権または土地賃借権を自己のためにする意思をもって平穏に、かつ、公然とこの土地の上に建物を所有して20年間(その占有開始時に善意かつ無過失であれば10年間)、その土地の使用を継続したときは、借地権を時効取得することが認められています。
また、所有権の取得時効は、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した者は20年間で(その占有開始時に善意かつ無過失であれば10年間で)、その所有権を取得すると規定されています(民法162条)。
しかし、お父さんは、大家さんに家賃を支払っているのであって、建物を「所有の意思をもって」住んでいるわけではありませんから、時効によって建物の所有権を取得することはできません。建物の固定資産税を支払っているのは大家さんであることからも、お父さんが「所有の意思をもって」占有していないことは明らかです(所有者が建物の固定資産税を納税します)。建物の所有権が無い以上、借地権はないと考えるのが妥当です。

4.他人所有の土地を利用するという目的は同じですが、その権利の意味は大きく異なります。「地上権(民法265条)」は物権で、「賃借権(民法601条)」は債権です。物権は独立の権利ですから、土地所有者に断り無く「地上権」を他人に譲渡することができます。「賃借権」は、賃貸人(大家さん)に無断で、賃借人が勝手に他人に譲り渡すことができません(無断転貸は、契約解除の理由にもなる)。
それだけに地上権は、強い権利です。ですから、現実に地主が「地上権」を設定することを承諾し、それが登記されることはほとんどありません。もし、地上権を設定するなら、地価の60%~90%の権利金を要求するはずです(地上権を設定したら、もはや地主はその土地の利用ができないから)。また、地上権は建物の有無は関係ありません。地上権があれば、公法上の規制を満たす限り、どのようにも土地を利用できるからです。
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結論から言いますと、このまま住み続けるに、何の支障もありません。



旧借地法による賃貸借ですから、明け渡しの期限はありません。大家さんが、自分で使用する正当な理由があった場合は、立ち退きが認められることがありますが、無条件に認められるのではなく、その間の家屋にかけた修繕費用などの償還請求や、転居費用などの請求が可能です。(旧借地借家法では、借り主に圧倒的な権利があり、よほどのお金を積むか、立ち退かせる理由がないと、ほとんど立ち退かせるのは不可能でした)

また、登記簿に権利が明記してなくても、あなたには土地の価格の60%程度の地上権があります。従って、大家さんがこの土地を転売しようとしても、買い手は購入後にあなたに多額の費用を支払わないと自由に使用することもできないわけですから、買い手は見つかりません。

だからあなたは、この土地の価格の40%で買い取れるかというと、法律で決まっているわけではありませんからOKとは言えませんが、上記のような理由から、当然大家さんに申し入れすることは可能であり、要は価格は交渉次第ということになります。

先方の立ち退けという要求に対し、「地上権相当分の坪当たり54万円を買い取ってくれるなら、立ち退く。あるいは、坪あたり、36万円なら買い取る用意がある。」と、主張して、持久戦に持ち込んだらいかがですか。

万一訴訟してきても、これで充分に対抗できます。

この回答への補足

現状の契約(30年前)だと、買う意思は会っても契約時点では賃貸借のみだと思うのですが、この場合にも地上権と言うものは存在するのでしょうか?

補足日時:2005/03/31 02:53
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法律の専門家ではないので、参考意見としてください。

一度、市や区の無料法律相談に行って聞いてみた方が確実だと思います。
借地借家法では、住居の場合借り主(借家人)のほうが圧倒的に有利です。とくに30年前からの契約ならなおさらです。
内容証明などで威嚇するのは、相手(大家)の立場が弱いからです。脅しにびっくりして出ていってもらうのが狙いでしょう。
これまでの経緯からも貸し主(大家)にきわめて不利な内容です。
更新手続きは大家の義務で、借家人が拒絶した証拠がなければ、大家の怠慢と見なされます。また、更新手続きをしなくても、期限が過ぎて以降数ヶ月家賃を払い続け、大家も受け取っていると、事実上更新されたことになります。今現在は法的には毎月更新の状態です。大家が更新を拒否するには、家賃を受け取らない(裁判所に申し出て供託する)措置が必要で、受け取り続ける以上更新は続きます。
また、「建物の老朽化」は管理者としての大家が唯一退去理由にできるものですが、住人の身が危険なほどでない限り、退去理由としては弱いものです。
一方、借家人は究極の切り札として、憲法上の「生存権」を主張できます。個人としてこれにかなう権利はありません。「ここを追い出されたら、生きてゆけない」と主張すると、高速道路も空港も軽く5~10年伸びるほどです。
だから、まず急に追い出されるという心配をする必要はなく、大家とはじっくり今後について話し合う姿勢を見せればいいのです。
大家側に交渉のつもりがなければ、多分次々と期限を切った内容証明を送りつけてくるでしょう。それを相手にする必要はありません。ただ、交渉をひたすら求めればいいのです。弁護士名で脅し文句が入っている場合もあります。その対策としては、すぐにそのコピーを東京弁護士会などの救済窓口に送りつけ、相手の弁護士事務所にその由通告します。大体二度とそうした文書は来なくなります。
さらに情に訴えた泣き落としや嫌がらせもあるかもしれませんが、動じずに冷静に交渉を求めることが必要です。
土地建物の購入譲渡の交渉は相手の大家と関係が悪いと、かなり精神的に厳しいものになります。しかし、相手が居丈高に出てもけんか腰にならないことです。交渉事は熱くなった方が損をします。
それとなるべく客観的な資料を多く揃えることです。土地の価格(木造の建物は30年経っていると無価値)は環境や利便性、道路への取り付きなどいろいろな要素があるので一概に高いか安いか判断はできません。だからまず近所の土地や建物の取引の実績などを調べ、また周辺の複数の不動産屋で近辺の物件の相場を聞きます。10件ほど聞き回れば不動産屋並みの知識が付きます。
5回も交渉すると、お互い言うことがなくなるので、あとは歩み寄るか徹底抗戦か相手の手の内もわかり先が見えてきます。貴方もそれまでにどうするか決めなくてはならない段階になります。相手が相場ぐらいまで妥協してきたとき、もっと値切ったりして相手が完全に切れると、あとは延々と法廷闘争になったりしますから、どこで手を打つか、一番難しい判断になります。
相手がどう出てきても、態度を変えず、誠意を持ってじっくり対処する心構えが大事だと思います。タフな交渉でしょうが、感情的にならずに対応すること、それがあとになって後悔しない一番の途だと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
立ち退かなくていいと分かり安心しました。
根気の要ることでしょうが。
父を助けながら、じっくりと交渉に臨みたいと思います。
まず、熱くならないこれを肝に銘じさせてもらいます。

お礼日時:2005/03/30 23:54

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