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「帰納法とは、本来前提となる命題の形式構造を分析し、論理法則(推論の規則)に基づいて新命題を導き出す方法」だとあったのですが、これは「P(前提)を精査して真かどうかを判断したうえで、P→Qという結論が成り立つかを示すことだ」と言ってるのと同じことですか?

質問者からの補足コメント

  • 一番初めの「帰納法とは」のところ、間違えてます。「演繹法とは...」で始まります。

      補足日時:2024/06/18 21:48

A 回答 (4件)

演繹は



> 「P(前提)を精査して真かどうかを判断したうえで、P→Qという結論が成り立つかを示すこと

とは全然違います。
 ご質問の冒頭にある(誰が言ったんだかわからん)文は、それ単独では、用語の定義(「形式構造」だの「分析」だの「新命題」だの「導き出す」だの「方法」だのが何を意味するか)が欠けています。なので、こんなもんだけをいくら眺めていたって、禅問答じゃないんだからどうにもなりません。


 形式論理においては、 命題P⇒Q (これは ((¬P) ∨ Q)と全く同義)と 命題P とから 命題Q を導くのが演繹という推論規則です。単にそれだけ。(Qはあらかじめ「P⇒Q」の中に仕込まれていたんですから、そんなものを「新命題」と呼んだら名前負けするでしょう。)なお、形式論理に「帰納」なんて推論規則はありません。

 一方、非形式的な論理ですと、(必ずしも形式化されていない)pという言明について、それがPという形式的命題の一例になっている(すなわち、pならばPである)という、pが暗に持っていた構造を発見し、さらに形式的命題 P⇒Q を構成する。これで、上記の形式論理の話に帰着したわけです。
 このとき、P⇒Q のQはどこから来るか。それは本質的には、Pにあらかじめ含まれています。 すなわちPが何らかの 連言A ∧ B として表せる( P ⇔ (A ∧ B) )とき、QとしてAを採用しても良いですし、Bを採用しても良い。いずれにしても、Pに含意されている情報の一部分を取り出したものがQです。だからこそ、P⇒Q である。(しかし、Pが述語論理の体系における命題の場合、P⇒Qを満たす面白い命題Qを見つけることが極めて難しい場合も多々あります。)
 ところで、上記の「pならばPである」という部分においても、言明pが含む情報の一部を形式的命題Pとして取り出している。ここで、pが含む情報を余すところなく取り出すんじゃなく、どうでもいい話は捨象して、意味のある結論Qが出るような情報だけに絞る抽象化をやるんです。(例えば、「Xは赤い三角形でどの辺の長さも3cmだ」という情報から、「Xは正三角形だ」という結論を得るに当たって、色や具体的な長さは必要ないから捨象するわけです。)で、質問の冒頭にある文の「命題の形式構造を分析」とはこのことを指していると思われます。
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この回答へのお礼

「前提となる命題から,定められた推論規則を用いて,次々に新しい命題を導いてゆく。」という文言は演繹法の説明として正しいですか?また、この場合の「前提」「命題」「推論規則」「新しい命題」を具体的な問題に置き換えて説明してくれませんか?

下記のサイトに書いてありました。
http://miwalab.cog.human.nagoya-u.ac.jp/cogscicl …

お礼日時:2024/06/18 23:09

No.2への補足について。



> 「前提となる命題から,定められた推論規則を用いて,次々に新しい命題を導いてゆく。」

は演繹法の使われ方の説明としてなら適切でしょう。(演繹法そのものの説明としては「次々に新しい」と「いてゆ」が余計。)

> 具体的な問題に置き換えて説明

 大抵だれでも知っているはずの例は、ユークリッド幾何学。ユークリッドの「原論」では、ごく少数の「前提となる命題」に(明言はされていない)推論規則を適用することで、無限個の「新しい命題」(定理)が導かれ、幾何学が構成されていく。
 だからもちろん、学校でやる幾何の証明問題は、どれも具体例になっている。すなわち、それまでに学んだあらゆる定理と問題文に与えられた設定(条件)とを連言(and)で結んだものが「前提となる命題」であり、推論規則は
  R1: PとP⇒Q からQが導ける
であり、「新しい命題」とは証明すべき定理のことです。

 また、「前提となる命題」がさらに少なくて、かつ無限に「新しい命題」(定理)を導き出す演繹法の別の例としては、自然数というものを数学の中で定義するための一つの方法として、こういうやり方がある:
推論規則R1と、
  A1 : 空集合 {} はNである。
  A2: xはNである ⇒ x∪{x}はNである。
という「前提」だけから「新しい命題」として、
  T1: {{}}はNである。
  T2: {{}, {{}}}はNである。
  T3: {{}, {{}}, {{}, {{}}}} はNである。
などの定理が「次々に」導かれる。
 A1とA2からR1によって定理T1が導かれ、T1とA2からR1によってT2が、T2とA2からR1によってT3が、それぞれ導かれます。T3とA2からR1によって導かれる定理T4がどうなるかは、もうお分かりでしょう。(ここで、Nを"自然数"、空集合{}を自然数"0"と読めば、{{}}とは自然数"1"のことに他ならず、 {{}, {{}}}とは自然数"2"、{{}, {{}}, {{}, {{}}}} とは自然数"3"のことです。)

 自然数をこのように捉えることと深く関連するのがNo.3が言及なさっている「数学的帰納法」。ただし、「数学的帰納法」は「演繹法」であって、「帰納法」ではない、ということには特に注意が必要です。(名前の一部分だけを取り出して解釈してはいけません。)
 「帰納法」ってのは、例えば「A子にプロポーズして断られ、B子にプロポーズしても断られた。C子に至っては口も利いてくれない。ああ俺は一生独身だと決まった」というような、有限個の事例だけから一般化(全称化)した命題を導く(妥当でない)推論の仕方のことです。
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「帰納法」ってのは、自然数の定義の一部で、


  1∈S かつ (x∈S ならば x+1∈S)
  が成り立つならば、集合 S は全ての自然数を含む
って公理のことだよ。
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まず数学の世界には、命題と条件という2つの言葉があります。

演繹は、条件と論理を用いて、命題の真偽を明らかにする事であると言えましょう。

貴方は
> P(前提)を精査して真かどうかを判断したうえで
と書いていますが、貴方が前提と書いているものは、所与の条件という事になります。条件の真偽の判断は不要です。真である事が明らかであると前もって与えられた条件を用いて、それと論理を活用して、命題の真偽を判断するのです。
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