これ何て呼びますか

 日本語を勉強している外国人です。作文の上達を望んでおります。

 手元の辞書にこんな例文が載っています。「年寄りの学究がやたらになりけりあらんやを使って、分かるような分からぬようなことを言う。」

 皆さんはこの例文に違和感を覚えていらっしゃるのでしょうか。「やたらになりけりあらんやを使って、分かるような分からぬようなことを言う」の意味を変えずに、ほかの書き方もあるのでしょうか。会話の中で、相手に理解しにくい文語(古代の言葉)を使ってばかりいる場面のことを表現したいと思います。

 また、例文に出てきたこの学究は「インテリ臭い」と言えるのでしょうか。「インテリ臭い」は、皮肉が含まれる言葉なのか、それとも誉め言葉なのでしょうか。

 日本語を何年間も勉強していますが、まだまだ文章がうまく書けません。質問文の中で不自然な表現がありましたら、それも併せて指摘していただければ助かります。よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

「年寄りの学究がやたらになりけりあらんやを使って、分かるような分からぬようなことを言う。



情景を描写した面白い例文ですね。「なりけりあらんやを使って」が古めかしい言い方だとは思いますが、文章自体に違和感は感じません。文語的な言い回しを自然に使っているので、これを書かれた人自身、比較的ご年配の方だろうという印象を受けますが。「なりけりあらんや」は「なりけり・あらんや」の意ですね。あまり、こういう表現は日常では使わないと思いますが、意味としてはわかります。いずれも、古文や短歌ではよく出てくる文末表現です。「なりけり」は、「なり(断定) + けり(過去)」で過去の事柄に対する断定や詠嘆。「~ということだったのである」「~ということでしたなぁ」といった感じ。

「(に)あらんや」は「あら(「有り」の未然形)・む(推量)・ や(疑問の終助詞)」で、「~ということであろうか?」「~ではないだろうか?」といった感じです。ですから、「やたらになりけりあらんやを使って、分かるような分からぬようなことを言う」というのは、「やたらに、『~であったのである』とか『~ではないであろうか』といった古い言い回しで、よくわからないことを言う」といった感じだと思います。

もっと簡単に言い換えるなら、「やたらに古臭い、小難しい言葉で、もっともらしいことを言う」といった感じでしょうか(「もっともらしい」けれども、何を言っているのかよく理解できない)。

「古臭い、小難しい」のイメージとしては、以下のような言葉もあります(必ずしも同義ではありませんが、イメージとして連なる言葉)。「格式ばった」「時代がかった」「古めかしい」「古色蒼然とした」「一昔前の」「硬い」など。

「インテリ臭い」は、「臭い」という語感からも察せられるように、やはり皮肉っぽい言葉です。「やたらに小難しいことや理屈を言う」「何かというと知識をひけらかす」人の形容といえるでしょうか。インテリそのものではなく、そういう雰囲気を漂わせる人の意味だと思います。

私は「学究」というのは、「インテリ臭い」ではなく、本当に「インテリ」だと思うので、この場の状況を「インテリ臭い」という言い方はしません。「彼は親切でいい男だけれど、時々小難しいことを言うだろう? そういうインテリ臭いところが鼻に付くんだよ。」といった語感です。「インテリ」という言葉自体が、たしかに少々時代がかった言葉になってしまっていますけれど。
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この回答へのお礼

 いつもお世話になっております。
 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。ほぼ同じ意味の表現がとても助かりました。大変いい勉強になりました。とてもすっきりしました。
 本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

お礼日時:2005/06/02 20:58

何という言葉を引いたらこの例文が載っていたのか、よく分かりませんが、「なり」「けり」「あらんや」は古語の語尾につく言葉です。

「~だ」「~だった」「~だなあ」「~だろうか」というような、いろいろな意味があります。
「なりけりあらんや」古語、文語を表す比喩でしょう。現在、普通の会話ではまず出てこないと思います。
今は、「相手が文語ばかり使っていて分からない」という状況じたい、あまりないことだと思います。

そういった状況を表現したいとしたら…
「やたらに古くさい言葉ばかり使って、分かるような分からないようなことを言う」とでも言えばいいでしょうか。
「分かるような分からないようなこと」という言い方は、「昔の難しい言葉や、専門用語などを並べ立てて難しく、格調高い感じで話しているけれど、結局何を言いたいのか、はっきり伝わらない」という時に使います。
「聞き手は結局分からないし、難しい言葉を使って話しているけれど、話し手自身、理解していないんじゃないかな?」という感じです。

「インテリ」は「インテリゲンチャ(ロシア語で知識人)」のことで、「頭がいい人、物知り」というほめ言葉にも使いますが、ちょっとスノッブ(紳士気取り)な感じの人や、頭はいいけれど魅力に乏しいような感じの人を軽くバカにするような時にも使います。「インテリ臭い」と「臭い」がつけば、完全に皮肉めいた言い方になります。ほめているとは受け取られません。

「学究」は、学問に打ち込んでいることや、学問に打ち込んでいる人を指します。ここでは「人」ですね。大学の教授や、研究者のような人を指します。今でも使う言葉ですが、古めかしい言い方です。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。ご説明がとても理解しやすくて、すっきりしました。大変いい勉強になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/06/02 20:40

まず。


文語は古代の言葉ではありません。近世までは、話し言葉と書き言葉は使い分けられていました。近代になってから、口語がそのまま表記される傾向が出てきました。それは、日本だけではなく、あなたの母語でも同じだと思います。
そして、この例文のような状況は、すでにもう無いと言っても差し支えないでしょう。この例文は話し言葉についてですが、書き言葉ですら文語を使う人はおそらく絶滅(これはレトリックで正式な表現ではありません)しているでしょう。なので、「違和感」というより、明治時代のお話として、受け止めるのが一般的でしょう。
次に、「インテリ臭い」というのも、もう「死語」に近いと思われます。強いて言えば、「~臭い」というのは、否定的な文脈で使われる言い回しです。よほどひねった表現でなければ、褒め言葉としては使われません。

私が「ほかの書き方」をしなければならないとしたら、
「官僚上がりの新市長はやたらにプライオリティーだのコンストラクションだの気取りたがるのでわけが分からない。」
このくらい状況を変えないと、書けません。

最後に、不自然な表現ですが、「不自然な表現がありましたら」というところが丁寧すぎます。「不自然な表現があれば」のほうが、自然な言い回しだと思います。
でも、私のほうがよほど、怪しい日本語です。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。ご添削も感謝します。大変いい勉強になりました。Jinjimさんはとても謙遜な方だと思います。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/06/02 20:32

「~なり」「~けり」「~あらんや」という、昔の言葉(平安時代とかに使われていた古語)を使っているから、なんとなくわかるけどわかりにくい。


という意味では?
インテリとは、インテリジェンスの日本語化したものでして、「勉強ばかりしている印象、知識を自慢している印象」です。ですから、どちらかというと皮肉のほうが強いです。
学研というより学術研究のほうがわかりやすいと思います。学研という出版社が日本にはありますので。

この回答への補足

>学研というより学術研究のほうがわかりやすいと思います。

 申し訳ありませんが、例文に「学究」と書いてあります。書かれた「学研」は「学究」のタイプミスなのでしょうか。

補足日時:2005/06/02 01:38
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。いい勉強になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/06/02 01:35

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