とっておきの手土産を教えて

よく経歴で「博士課程満期退学」とありますが、単位だけ取得して退学するというのはわかりますが、なぜそうするのですか?何か理由があるのでしょうか?
また、その後すぐに助手になることがありますが、なぜ博士号をとる前に助手になるのですか?

A 回答 (5件)

学士課程(学部)・修士課程・博士課程では、それぞれ卒業・修了するための要件が異なります。



学部では124単位程度の単位を取ればよく、卒業論文も必須ではないところもあります。修士課程となると、学内での審査に耐える修士論文か、それに相当する成果が要求されます。
博士課程になると、博士論文の審査にはより慎重なものなり、事前に関連する研究を学外に発表し、その分野の研究者としての実績のある論文でないと審査手続きが始まりません。したがって、博士課程に在籍することができる期間にそれだけの研究成果を挙げることができなければ、博士課程を期間内に修了することはできなくなってしまうわけです。

助手として就職されている方の場合ですが、助手としての応募条件は「修士課程修了」、せいぜいそれに「3年以上の研究暦」というのがスタートラインになっています。したがって、その大学で博士号を取得するにはまだ業績はないけれども、助手として採用するには十分な業績ではある方がいるわけです。このケースでは、満期退学だけではなく在籍可能期間を残す中途退学でもありえます。研究者としては、博士号という学位が欲しいという希望もありますが、安定的に研究を続けられるポストに就くことができるならば、それに越したことはないわけで。

また、退学後にも博士号を取得できる道があることも、博士課程修了にこだわらない動機になっています。大学によりますが、退学後3年くらいであれば博士課程退学の経歴は消えないものの、博士課程修了時の学位(いわゆる課程博士)として博士号を出してくれるところもあります。また、博士課程在籍の有無に関わらずそれまでの業績から学位を出すところもありますので、そちらの学位を取得することもできます(いわゆる論文博士)。

この場合、重要なのは博士号を取得できうるだけの業績を出すための研究をできる環境であり、研究暦にカウントしてもらえるポジションであるわけです。したがって、アカデミックなポストで就職できるのであれば、博士課程の修了にはこだわらないわけです。


参考
http://homepage2.nifty.com/yshimizu/researcher.h …
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%A6%E4%BD%8D
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1111075
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この回答へのお礼

非常に丁寧にありがとうございました。よく理解できました。また、参考URLもありがとうございました。

お礼日時:2005/11/24 00:15

みなさんの回答で大体尽きています。


「博士課程修了」になるためには、単位を取得して博士論文が認可されないといけません。単位取得はほとんど自動的にできます。
しかし、博士論文を認可して貰うのは大変です。文系の実情は知りませんが、理工系ではある程度のレベルの学会の論文誌に論文を採録して貰う必要があります(少なくとも1編)。論文審査には1-1.5年かかりますから、博士後期課程の2年目である程度の成果を出していないといけません。
助手になる理由は簡単で、博士課程に留年して授業料を払うのと給料を貰うとの差です。助手の勤務の傍ら研究を続けられますから、課程博士の条件で学位を取得する道と、基準は高くなるが論文博士を得る道があります。
なお、博士課程修了と博士課程満期退学では、国立大学の教員になると生涯賃金で莫大な差が出るようです。
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この回答へのお礼

なるほど。参考になりました。ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/24 00:18

文系に関して言えば、たんに、間に合わないからです。


博士論文というのは作成に相当な時間がかかります。日本だと、課程博士論文は早い人でも、およそ5年以上は簡単にかかります。博士課程には最大で8年しか在籍できませんが、卒業しても数年間は論文提出資格があります。なので、論文を書くのが間に合わない人は退学せざるを得ないのです。

助手は博士論文がなくとも、紀要論文など、論文業績があれば就職できるものです。昔は博士号がなくとも、業績があれば、非常勤講師、専任講師、そして助教授、教授となれたのですが、いまは博士論文は大学就職などの際に必須とされています。なぜならば、博士論文を書いた人がいまだに就職できずにいるために(これをポスト・ドクター問題、通称ポスドク問題といいます)若い人が博士号なしには就職が厳しいからです。

蛇足ですが、これは10数年前の当時文部省による「大学院重点化計画」によって大学院生の数を増やし、国際的に博士号取得者の少ない日本から、眼に見える業績をアピールするために取得が推奨されたのですが、博士の数は増えているのに就職口が減ってしまっているという実情と矛盾を起こし、社会問題化しています。
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この回答へのお礼

あろがとうございました。やはりいろいろと厳しいんですね。

お礼日時:2005/11/24 00:17

理系では,博士号を取らずに院の博士課程を終えたり,研究職に就いたりするのは珍しいと思いますが,文系ではよくあります。



昔から,日本の文系の大学院では,簡単に博士号を与えない傾向がありました。
特に文学系の大学院では,博士号は教授経験者ぐらいの人が,ライフワークの集大成として博士論文を書いてやっととれるもの,というイメージがあり,大学院で数年間研究したぐらいの若造なんかに簡単に博士号などやれるか,という感じだったらしいです。
したがって,博士号の大部分は論文博士で,課程博士はなかなか出ませんでした。
また,研究職(教員)公募の条件も「博士号をもっているか,それと同等の実力のあるもの」といった表現になっていたりします。

ただ,最近では文系でも積極的に博士号を出そうという方向に変わりつつあるようで,課程博士を授与する数も増えているようです。
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この回答へのお礼

文系・理系での違いがよくわかりました。ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/24 00:14

私の親戚で、その様に退学した方がいます。

何故かというと、博士論文が認められなかったからです(書き上げて提出したが不合格になった)。特に理系では博士論文を書くのは大変だと聞きました。

すいません、大学院の仕組みに詳しくないのでこの程度しか書けません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。貴重なお話ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/24 00:13

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