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各都道府県の高校入試の実施状況を見ていますと、ほとんどの都道府県で推薦入試や前期試験と称した総合問題を実施しているようです。
合否判定の大半を調査書(内申書)が占めているようなのですが、これらの入試制度がなぜ行われているのでしょうか?
調査書を完全に否定するつもりはありませんが、中学校の格差が存在するなかで優劣を高校側はどうやって
決めているのか大きな疑問です。
県統一の学力試験と調査書を加味して判定する後期試験(一般入試)で合格者全員を決定しないのはなぜなんでしょうか?

A 回答 (3件)

自分も、現在の高校入試制度は大変におかしいと思っています。

これらの制度変更を身近に見てきたものとして、経過とその背景を書いて見ます。

1.確か平成5年だったと思いますが、関東地方のある全国紙(確か、朝日だっと思います。)に、塾の経営者から投書があり、「中学校で行われている校外模試の問題が、中学校により、その試験の実施日が多少ずれるので、塾を通して、他の中学の生徒へ問題が漏れている。」との指摘があったのです。それを受けて、すぐに、当時の埼玉県知事土屋が、埼玉県内での中学校での校外模試の実施を禁止しました。そして、その動きを見て、当時の文部大臣鳩山(弟)が、全国の中学校での校外模試実施を禁止しました。大都市では、その後も、中学校ではない、他の会場を借りて校外模試が行われていますが、地方都市の多くでは、校外模試業者が廃業しました。

2.ほぼ同時期に、学習指導要領の保存年限が、20年から、5年へと、成績の部分だけ、変更になっています。欠席日数などを記録した学籍簿は、変更なしのまま現在でも20年保存です。

3.やはり、平成5年、観点別評価が、中学校に導入されます。

4.平成6年だったと思いますが、やはり埼玉県で、推薦入試の大幅拡大が行われました。その際、県教委側から、内申書を数値化して推薦入試の判定を行うと言う案が示されましたが、埼玉高教組が、「人格を数値化するのはおかしい」とクレームをつけ、結果的に、観点別評価を含め、数値化は行われなくなりました。しかし、現実には、部活で市内大会優勝とか、委員会委員長とか、漢字検定合格とか、皆勤賞とか、そういうものを比較して選抜するのですから、数値化しなければ選抜が実際出来ないわけです。そのため、埼玉県内の全ての学校で、段階付けが行われました。つまり、観点別評価の丸一つをA一つと読み替え、部長1年ならAを一つ、市内大会1位ならAを三つ、2位ならAを二つのように、段階付けを行い、Aの数で比較をしようと言うのです。実質的な数値化でした。

4.平成11年、国旗国家法が制定。

5.平成14年に中学への絶対評価が導入されます。また、それにあわせ、総合学習の時間や完全週休二日制が実施されました。

その間、段階的にではありますが、全国的に高校への推薦入試(前期試験)の導入が進みました。神奈川県では、トップの進学校でも2割が推薦ですし、その他の学校の大部分は5割を推薦でとっています。
埼玉はもっとひどく、普通高トップで25%、職業高校では65%を推薦で取っています。

非常に奇妙なのは、内申書などを段階付けするときに使う換算表を公表すれば、かなり、推薦入試が透明化するのですが、それがまったく全国的に行われていないことです。

全体の流れは以上のようなものですが、背景は、よく言われるように、収入格差を学歴格差に転化する仕組みを作ろうとしているのでしょう。入試のデータが、どんどん見えなくなり、その記録さえ、残らないようにしているわけです。

支配層が、それだけ、巧妙な支配に乗り出したと言うことでもあるのでしょう。

ただ、今の日本は、巧妙に偽装はされていますが、アメリカの言いなりであり、日本の支配層の固定化ではすまないと思っています。
例えば、ライブドア事件ですが、他者の買収を株式交換でやり、その際新規発行した自社株を高値で売り抜けて利益を得ていたと言われています。ただ、マスコミ報道で抜けているのは、ライブドア株の株ころがしが行われていて、それには、外資が絡んでいると言うことです。買収した会社が、ライブドア株を外資の投資組合に高値で売って、その利益がライブドアに還流していたと言うところまでしか報道されていませんが、実際には、その先があり、外資は、その株を今度は、日本の株式市場で、やはりより高値で売り抜けていたわけです。ライブドアほどではないかもしれませんが、やはりかなりの高額の利益が、多分、ちょっとしたパソコン操作で、外資に転がり込んだはずです。

日本の教育制度の変化も含めて、ソ連崩壊以降、日本をアメリカの植民地化する政策が進められているように感じます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。いみじくも私は埼玉県在住で子供たちの右往左往、一喜一憂する姿を間近に見てかわいそうな気がしています。
公立高校の地盤沈下は入試制度にあると、個人的には思っています。
優秀な生徒を入学させるには一発型入試が最善だと思うのですが・・・。

お礼日時:2006/02/09 21:31

>いみじくも私は埼玉県在住で子供たちの右往左往、一喜一憂する姿を間近に見てかわいそうな気がしています。



そうでしたか。実を言うと、自分は埼玉県立高校で2年前まで英語科の教員をやっていました。

色々な意味で、行政側からの締め付けがひどく、ちょうど勧奨退職年齢になったので、退職しました。

埼玉県は、小学校段階から、色々問題が起きている学校が多く、全国的に見ても非常に問題を抱えている県だと思います。

中学校での絶対評価導入に際して、もう一つ、発生した問題を書かせてください。

それは、私立高校の入試、それも、推薦入試に関してのものです。推薦入試は専願が基本でしたが、平成5,6年ぐらいから、公立の推薦入試本格導入に伴い、私立の推薦と公立の推薦の両方を受けたいと言う受験生側の要求が強まり、受験料を稼ぎたいと言う私立側の意図もあって、併願推薦制度が出来ました。その際、特に、東京都内の私立高校連盟が、推薦入試でも、簡単な学力試験をしないと、中学校間の内申書の格差を是正できないと判断し、東京都教育委員会へ、簡単な学力試験を推薦入試の際に、私立高校側で行いたいと言う問い合わせをしたのです。それに対し、都教育委員会は、学力試験は推薦入試にそぐわないと解答し、実質的に学力検査実施を禁止しました。

今では、一定数の公立高校でも、総合問題と言う形で、推薦入試での学力検査を行っていますが、大変におかしなことだと感じます。
なぜなら、推薦と言う制度自体の意義がどんどん無意味化しているからです。

以下、埼玉の例を書きます。他県については、まだあまり調べていません。

まず第一に、あまりに推薦入試を受ける生徒が多すぎます。または、推薦で合格させる生徒数が多すぎます。埼玉県立の職業高校ではほぼ例外なく65%を推薦でとっていますが、進路と結びついている割合は2割もないでしょう。だいたい多くの生徒が就職後、数年で辞めてしまうのが現状です。
絵画や音楽など、ほぼ確実に進路と結びついた選抜をしたほうがいい場合を除いて、推薦入試は、せいぜい定員の1割にとどめるべきです。

第二に、普通高で推薦で取った生徒が高学力か、または、普段の授業での成績が良いか、または、出席状況などが良いかというと、決してそうではないと言うことがあります。私立高校を含めて、多くの学校では、推薦よりも一般入試での生徒のほうが成績がよい場合が多くあるのです。

第三に、推薦入試での合否判定手続きがあまりにあいまいであり、一般に対して公表されていません。今では、合格発表さえも、推薦入試は行われず、各中学校に対して、合否結果を書いた紙が渡されるだけです。

できれば、埼玉以外の県のかたからのご回答を見たいですね。
もう少しの間、締め切らずにおいていていただけますか。
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この回答へのお礼

引き続いてのお話ありがとうございました。実は姪が前期入試を受けましたが、不合格でした。受験したのは県内でも指折りの進学校です。同じ中学校から3名受験し、全滅でした。特に学年トップの生徒(内申評点44で総合問題の正答率が90%以上)が不合格でしたので、合格基準のあいまいさを感じるとともに、これを続けていたらまずいのでは思った次第です。私の子供たちの時は学校推薦がもらえず、受験すらかないませんでした。
最近の傾向では当日の学力試験のウェイトを70%にする高校が増えてきているので、調査書を鵜呑みにする傾向が減少しているのかなとは思いますが、それでも25%も前期で合格させるのもどうかと思いますがねえ・・・。

お礼日時:2006/02/11 08:36

他県の者です。



私が感じるのは、高校入試は大学入試の後追いをしているということです。
生徒数が減少し、大学定員が入学希望者数を上回る「大学全入」という時代が始まろうとしています。
実際には、一部の有名大の競争率はそれほど緩和されず、大多数の「普通の大学」の経営難が予想されています。
そこで、対策のひとつとして、「受験機会の複数化」が実施され、私立大学では、推薦や特待生入試・地方入試などを含めて、何回もチャンスがあるのが普通になりました。

高校入試は、大学ほど複雑にはできませんが、それでも、公立で「推薦と一般」「前期と後期」「特色入試と普通入試」のように、2回受験できるのが全国的な傾向です。
一般入試との差別化で調査書重視をうたっている場合が多いようですが、「受験機会複数化」というテーマが先にあったと思います。

受験生も「チャンスが2回あっていい」と思いがちですが、人気校に確実に受験学力の高い生徒が集まるので、学区の拡大傾向も手伝って「地元なのに入りにくい」という状態を生んでいます。
以前の常識では考えられない遠方にしか、「入れそうな学校」を見付けられないケースが激増していると思います。

国際的にも、突出して過酷な日本の受験制度は、「高校義務化」などの抜本的な対策が必要だと感じられてなりません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
受験機会の複数化に私は賛成です。ただし、前期も後期もセンター試験+二次試験の合計点(あるいは、前期は合計点、後期は二次試験のみ)で判定される国立大学のようなやり方であればです。今の複数受験方式は名ばかりの複数受験でなんか変です。優秀な、実力ある受験生を受け入れようとする姿勢が欠けています。
不透明な判定方法を排除し、実力ある受験生をある程度把握できる方法での実施を期待したいですね。

お礼日時:2006/02/11 08:50

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