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広辞苑の定義は下記(↓)のようでした。ここで、「カルテル・トラスト以上に集中度が高く、金融資本の独占の最高形態。」とあります。しかし、例えば、ビール会社でいえば、キリンが三菱UFJグループ、アサヒが三井住友グループに入っている状態(コンツェルン)よりも、キリンとアサヒが連合した状態(トラスト)のほうが集中度が高いと思います。この考えはどこが間違っているのでしょうか?

コンツェルン【Konzern ドイツ】
関連ある各種産業部門の各々独立した諸企業が、一つの中央部(大抵は銀行または持株会社)によって支配・統制されているもの。カルテル・トラスト以上に集中度が高く、金融資本の独占の最高の形態。わが国では解体以前の三井・三菱・安田・住友などの財閥の類。

A 回答 (2件)

 最近経済学をあまり復習していないのでおおざっぱな回答しかできませんが、もしかするとお役にたてるかと思い書き込みます。



 二つの疑問が混在しているように思いますので、整理しながら回答します。

 第一に、コンツェルンは金融資本としての一体性を持っている企業集団の諸類型の中で「独占の最高形態」であると考えられていることです。従って、中核に金融機関ないしは金融中枢的機能を果たす企業(持株会社など)を含まない企業集団は、日常用語としてはともかく経済理論上はコンツェルンとはよばないのだと思います。

 第二に、ここでの「集中度」とは、個別商品において独占が成立しているかどうかだけを指しているわけではないはずです(念のため申し上げると、ここでの「独占」には高度に集中した寡占を含むと考えられます)。

 なお、広辞苑はいずれにせよ経済に関してはごく簡単にしか記述していません。こうした経済理論に関しては、少なくとも岩波書店や大月書店の「経済学事典」をあたるほうが結局はわかりやすいと思います。私の若い頃などは、先輩にこういう質問をするとヒルファディングやレーニンにじかにあたることを求められたものですが・・・。
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この回答へのお礼

>経済理論上はコンツェルンとはよばないのだと思います。
三井住友グループなどは厳密にはコンツェルンではないという意味なのでしょうか?金融機関が出資=金融資本だと思っているのですが、、、三井住友銀行はアサヒビールの主要株主だと思うのですが、主要株主であるかどうかは、金融資本云々とは関係ないのでしょうか。

>「集中度」とは、個別商品において独占が成立しているかどうかだけを指しているわけではない
企業の集合体としての集中度と商品の独占の程度を混同していたんですね。素人の僕には感覚的には理解し肉のですが、自分の理解が間違っているということは理解できました。

なかなか回答が寄せられていなかったので、不安に思っていたところでした。丁寧な回答、ありがとうございます。

お礼日時:2006/03/08 22:42

 「広辞苑」の「金融資本」の項を引いていただくと二つの意味が出ている通りで、「金融資本」という語は日常用語レベルでは銀行からの出資やその企業への支配力をもつ貸付をさします。

しかし、経済学、特にマルクスの流れをくむ経済学の理論においては「銀行資本と産業資本の融合」によって経済システムの中で強力な支配力・影響力をもち高い利潤を実現することを可能にする存在を金融資本とよびます。したがって、単にある銀行がある企業に対して出資や貸付によって支配権を行使しているというだけではなく、ある銀行ないしはそれにかわる役割をもつ企業を中核として、有機的に結合した企業集団を金融資本と考えてください。その独占(的な経済的支配力)の最高の形態がコンツェルンです。

 日本における典型的なコンツェルンである戦前の財閥は、戦後、占領当局の指示により持株会社が廃止されることで形式的には解体されました。しかし、その後都市銀行を中核とした「企業グループ」として再建され、株式の相互持ち合いと人的交流などをつうじて強固にむすびつき、長く日本経済のなかで大きな地位を示していました。しかし、バブル崩壊後状況は大きく変わっており、現在の「企業グループ」をコンツェルンとみることができるかどうかは、専門家の見解をみる必要があるかと思います。

 お役にたてば幸いです。
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この回答へのお礼

コンツェルンなどにまつわる言葉の概念が少しは理解できたように思います。わざわざ質問に答えてくださりありがとうございました。

お礼日時:2006/03/10 22:08

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