会社で給与を担当しています。年末調整における中途採用者の前職分の取り扱いについておたずねします。
タックスアンサーなどを見ておりますと、中途採用者に前職がある場合では 前職の源泉徴収票を徴収して合わせて年末調整できることになっていますが、その「前職」については扶養控除申告書を提出してある場合にできることとなっています。
当社で中途採用者の方の前職分の源泉徴収票を徴収したところ乙表での源泉となっておりました(扶養控除申告書提出なし)。
この場合は前職分は合わせて年末調整はできず、当社分のみ年末調整のうえ確定申告が必要なのでしょうか。また、その前職等の収入及び給与所得・退職所得以外の所得が20万未満であれば確定申告は必要ないと解してよいのでしょうか。
前職分と当社分を合わせて年末調整した場合と、当社分のみ年末調整を行い、その後確定申告した場合の所得税額は同額になると思うのですが、合わせて年末調整してはいけない理由等はあるのでしょうか。
よろしくお願いします。
A 回答 (5件)
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No.1
- 回答日時:
源泉徴収票はご存知かと思いますが、源泉徴収した金額が記載されています。
支給した給与所得、控除後の課税されるべき収入も記載されていますから源泉徴収した金額の根拠が示してあるようなものですね。年末調整は税金の取りすぎや取りはぐれがないようにするサラリーマン版の確定申告なので、扶養控除を申請していようがいまいが関係ありません。御社で払った給料を加算、受け取った保険料などを控除して計算すれば本来払うべき所得税の金額が出ると思いますよ。扶養控除を申請していない前職の源泉徴収票を添付して今の職場で年末調整をしてもらいましたが、全く問題ありませんでした。No.2
- 回答日時:
所得税法に基づけば、ご質問者様がお書きになられている通りで、そもそもは合算して年末調整できない事となります。
扶養控除等申告書の提出うんぬんについては、所得税法第190条ではっきり規定されているものですから、関係ないなんて事はありえません。
ただ、現実には、その分も含めて年末調整されている会社もあるものとは思います。
そもそも、乙欄というのは、基本的には、どこかとかけもちしている場合に適用されるものですから、そのようなものは年末調整では合算できず、自身で確定申告すべき、という趣旨から、所得税法で定められているものと思います。
>この場合は前職分は合わせて年末調整はできず、当社分のみ年末調整のうえ確定申告が必要なのでしょうか。また、その前職等の収入及び給与所得・退職所得以外の所得が20万未満であれば確定申告は必要ないと解してよいのでしょうか。
その通りで、乙欄で正しく源泉徴収されていれば、20万円以下(正確には未満ではありません)であれば、他に所得がない限りは確定申告の義務はない事となります。
(ただ、申告しなければ還付も受けられませんが)
http://www.taxanswer.nta.go.jp/1900.htm
ご本人が確定申告された場合と、結果としては同じですから、年末調整してしまっても、実務上は、さほど問題にならないという感じとは思います。
(理由については、最初に書いたとおりです)
ただ、乙欄という事は、ひょっとしてどこか別の所で働いていた可能性もある訳で、念を押してご確認された方が良いとは思います。
この回答への補足
詳しい説明ありがとうございました。前職(乙欄適用)を合算して年末調整をするのは税法上は正しくないが、確定申告をした場合と結果は変わらないので実務上はO.K.(?)というところですね。
(税法違反で、会社が問われることはあるのでしょうか)
また、追加となってすみませんが、もう1点教えてください。
前職等の収入が20万以下の場合で確定申告しないと得をする場合もあると思うのですが、いかがでしょう?
(合算しても、しなくても控除される額は同じで、前職分は所得の増加分となる。合算すれば所得税率が全体に10%などかかるところ、合算せずに、確定申告もしないと前職分は乙欄の6%でよいため)
よろしくお願いします。
No.3
- 回答日時:
>税法違反で、会社が問われることはあるのでしょうか
違反といえば、もちろん違反とは思いますが、それについて指摘された話は私はあまり聞いた事はないですね~。
>前職等の収入が20万以下の場合で確定申告しないと得をする場合もあると思うのですが、いかがでしょう?
> (合算しても、しなくても控除される額は同じで、前職分は所得の増加分となる。合算すれば所得税率が全体に10%などかかるところ、合算せずに、確定申告もしないと前職分は乙欄の6%でよいため)
確かに、その可能性もありますよね、必ずしも還付とは限りませんね。
ただ、税率は、給与所得控除後の金額が基礎となってきますので、その方のその年中の給与収入金額が180万円以下であれば、給与所得控除は40%引ける事となりますので、税率的には6%と同じで、しかも今年までは定率減税がありますので、確定申告した方が還付はある事となります。
もちろん、180万円を超えれば給与所得控除額は30%となりますので、それより多い収入の方であれば、確定申告しない方が有利なケースもありえますよね。
http://www.taxanswer.nta.go.jp/1410.htm
となると、会社が勝手に年末調整してしまって、結果的にご本人が損する事となってしまいますので、基本的に会社のスタンスとしては、やはり所得税法に基づいて、合算して年末調整できない旨の説明をご本人にすべきものと思います。
No.4
- 回答日時:
こんにちは。
○「平成18年分年末調整のしかた」
・もし、お手元に冊子があるようでしたら、申し訳ないのですが、「平成18年分年末調整のしかた」(国税庁発行)という年末調整事の実務者の手引きがあります。
(平成18年分年末調整のしかた)
http://www.nta.go.jp/category/pamph/gensen/5279/ …
この冊子から、今回の関係箇所を引用してみます。
■年の途中で再就職した人の取扱い
・年の途中で就職した人で就職前に他の給与支払者に「扶養控除等(異動)申告書」を提出して支払を受けていた給与がある人については、その前職分も含めて年末調整を行うことになる。(41ページ)
■給与所得者が確定申告を必要とする場合
・2箇所以上から給与を受ける給与所得者で、年末調整が受けられなかった給与所得が20万円を超える場合
(注:一応、この規定は、同時に二箇所で勤務されている方を想定していますが、その他の理由で年末調整が受けられなかった給与所得も、実務的にはこれに準じます。)
・ただし、年のすべての給与所得から各種控除を引いた金額が150万円以下の人で、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下の人は、確定申告をする必要はない。(60ページ)
----------------
ということで、お答えですが
>中途採用者に前職がある場合では 前職の源泉徴収票を徴収して合わせて年末調整できることになっていますが、その「前職」については扶養控除申告書を提出してある場合にできることとなっています。
当社で中途採用者の方の前職分の源泉徴収票を徴収したところ乙表での源泉となっておりました(扶養控除申告書提出なし)。
この場合は前職分は合わせて年末調整はできず、当社分のみ年末調整のうえ確定申告が必要なのでしょうか。
・そのとおりです。
>また、その前職等の収入及び給与所得・退職所得以外の所得が20万未満であれば確定申告は必要ないと解してよいのでしょうか。
・そのとおりです。
ただし、年のすべての給与所得から各種控除を引いた金額が、150万円以下である必要があります。
>前職分と当社分を合わせて年末調整した場合と、当社分のみ年末調整を行い、その後確定申告した場合の所得税額は同額になると思うのですが、合わせて年末調整してはいけない理由等はあるのでしょうか。
・想像ですが、給与の支払先で「扶養控除等(異動)申告書」を提出していない方は、その支払先で支払を受けた収入については、定率減税(今年で終わりですが)を「確定申告」で清算することとなっていますので、その関係ではないでしょうか?
No.5
- 回答日時:
再び#3の者です、ちょっと気になったので、僭越ながら補足させて頂きます。
>>また、その前職等の収入及び給与所得・退職所得以外の所得が20万未満であれば確定申告は必要ないと解してよいのでしょうか。
>・そのとおりです。
> ただし、年のすべての給与所得から各種控除を引いた金額が、150万円以下である必要があります。
これは、解釈が違います。
「年末調整のしかた」でも同様の記述がありますが、タックスアンサーから引用してみます。
http://www.taxanswer.nta.go.jp/1900.htm
____________________________________
しかし、サラリーマンであっても次のいずれかに当てはまる人は、原則として確定申告をしなければなりません。
(3)2か所以上から給与の支払を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
(注) 給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。
____________________________________
この注書きの部分を抜き出されていると思いますが、ちょっと違います。
まず、本文で、わかり易くカギカッコを付けると、2か所以上から給与の支払を受けている人で、「主たる給与以外の給与の収入金額」と「給与所得及び退職所得以外の所得の金額」の合計額が20万円を超える人については、確定申告しなければならないというものです。
ですから、ご質問者様の場合は、給与しか所得がないと思いますが、仮に、「主たる給与以外の給与の収入金額」が15万円、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額」が15万円あったとします。
これを合計すれば、30万円ですから、確定申告しなければならない事となります。
しかしながら、注書きにより、これもカギカッコを付けますが、「給与所得の収入金額から、雑損控除、医療費控除、寄付金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下」で、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円以下」の人は、申告の必要はありませんとなる訳で、給与所得の収入金額から、各種所得控除の額の合計額を差し引いた金額が150万円以下の人に限っては、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額」のみが20万円以下であれば、確定申告しなくて良い、という事です。
ですから、先に書いた例によれば、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額」は15万円ですから、20万円以下に収まるので、給与収入から所得控除額を引いた後の金額が150万円以下の方であれば、例え従たる給与と、それ以外の所得の合計額が20万円を超えていたとしても、確定申告しなくても良いですよ、という規定です。
ですから、150万円うんぬんは、前提条件ではなく、より緩やかに適用できる条件のようなものですから、趣旨が違います。
(ですから、給与以外の雑所得等がある方を対象とした規定ですから、給与のみの方は関係ありません。)
>・想像ですが、給与の支払先で「扶養控除等(異動)申告書」を提出していない方は、その支払先で支払を受けた収入については、定率減税(今年で終わりですが)を「確定申告」で清算することとなっていますので、その関係ではないでしょうか?
これも違うのでは、と思います、そもそも定率減税導入前よりあった規定ですし、要は乙欄適用者はかけもちの前提なので、何でも合算できるようにしていたら誤った計算になる可能性もあるので、扶養控除等申告書を前職で提出している人、という感じで、線引きをして条件を定めているものと思います。
でしゃばって失礼しました、ご参考になれば幸いです。
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