No.9ベストアンサー
- 回答日時:
>式の中の『sqrt』というのが、よく分かりませんが・・・
これはただ変換が面倒だったので手を抜いてしまっただけです。
√ (square root、二乗根)のことです。
プログラム等で使われる書き方です。
>質量があると光速では飛べない →
>ニュートリノに質量があったので、光速ではとべない →
>ニュートリノが(何かに?)追い越される可能性がある →
>ニュートリノの(?)カイラリティーが変化する(?)可能性がある。
>(或いは『二種類のニュートリノがある可能性が出てきた』?)
大体のところそのような認識で良いと思います。
>『カイラリティも保存しない』というのは
>『カイラリティーが常に1つだけというわけではない』というような
>感じでしょうか。
うまく伝わるかどうかわかりませんが、
見る人(静止している人や、ニュートリノより速く動いている人)によって
正の値をとったり、負の値をとったりするということです。
ただし、カイラリティなんて言葉知っている人はほとんどいないと思いますよ。
少しマニアックな知識が入ってしまいましたね。
guiterさん、わざわざ僕の発言にお答えしてくださって!
sqrtについて知る事も出来て良かったです。
カイラリティについても、
せっかくこのような機会を得る事が出来たので
僕個人としてはぜひある程度は理解しておきたいと思ってますよ!
もう少し、努力が必要みたいですが・・・(^^;)
guiterさん、ありがとうございますー。
No.11
- 回答日時:
stomachmanさん、すばらしい解説だと思います。
>ホントに片方のニュートリノの質量が軽く、
>その逆巻きのニュートリノの質量が重いとすると、
>素人考えでは「ニュートリノを追い越したとたんにニュートリノの質量が
>変化する」という話になってちょっと変に思えますが
ここまでくると、文章で説明するのは非常に困難なのですが
右巻きとか左巻きというのは、質量を持つフェルミオンにとって
実は良い量子数ではありません。
先の地球の自転の例などが間違っているわけではないのですが、
やはり、量子という概念が必要になってきます。
文章で説明するのが困難というのはある程度は、仕方のない部分がありますよね。
今回、ここまですごいご回答が並べていただけるとは、思ってもいませんでした。
嬉しかったです。
まだまだ、僕にとってはあまりに難しいことばかりですが、
是非少しでも、この機会に、理解しておきたいですね!
guiterさん、どうもありがとうございました。
またこのような機会がありましたら、よろしくお願いしまーす。なんて。(^^)
No.10
- 回答日時:
guiter先生、わがまま聞いていただいて有り難うございます。
clownさんごめんなさいね。stomachmanです。お詫びに、いーかげんな用語解説を補足します。
●ニュートリノ:とにかく他の粒子との相互作用が弱く、磁気も電気も感じないので、観測することが難しい粒子です。地球など軽々と透過してしまう、幽霊のような粒子です。だからまだよく分からない所が多いのです。
太陽から核融合で生じたニュートリノが大量に放出されています。ニュートリノ振動の発見のきっかけになったのは、太陽に関する理論が予測するニュートリノの量と、実際にカミオカンデで観測した量が合わない。1/3位しか検出できない。今のところ観測できるのは電子ニュートリノ(e-ニュートリノ, νe)だけなので、これはひょっとすると地球に届く前に別の種類のニュートリノに化けてしまっているのではないか?という仮説が有力視されるようになったのです。
理論的予測、というものがなんと精密であるか、なんと厳格に検証されるか(ちょっとぐらいいいじゃないが許されない)、そういう物理学の厳しさを垣間見ることができます。
●保存則:物理の法則は、基本的には「何があってもXXは変化しない」という形式で表現され、またこの表現は便利です。このような法則を「保存則」と言います。例えば「エネルギー保存則」は有名ですね。これが便利だというのは、相互作用の最中に何が起こっているかを詳細に考えなくても、相互作用の前と後だけに着目すれば計算ができるからです。
●レプトン数の保存:レプトンというのは電子・ミューオン(μ粒子)・タウオン(τ粒子)、および(既に出てきた)3種類のニュートリノのことです。素粒子同士の色々な反応(相互作用)において、「反応前と反応後で、レプトンの数は変わらない(ただし反粒子はマイナス1個と数える)」という法則がレプトン数の保存則。例えば、電子と陽電子(電子の反粒子)が衝突すると光子を出して消滅してしまいます。この反応の前のレプトン数は電子(レプトン数=+1)+陽電子(レプトン数=-1) = 0。反応後のレプトン数はレプトンはないのでやっぱり0です。
また、放射性元素の中には、原子核を作っている中性子が電子を放出して自分は陽子に変わるものがあります。この反応をベータ崩壊と言います。中性子はマイナスの電荷を放出したので、自分はプラスの電荷を持つ陽子に変化する。これは「電荷の保存則」ですね。
ところが、反応前には0であったレプトン数が、反応後に電子1個=レプトン数1になってはいけない。そこで電子と一緒にニュートリノを放出して、プラスマイナス0になるように辻褄合わせされています。
●double beta decay( (Z,A)->(Z+2,A)+e+e ):二重ベータ崩壊。原子核から一挙に2個の電子が飛び出して、2個の中性子が2個の陽子に変わる反応です。
(Z,A)は反応前の原子核に、Z個の陽子と(A-Z)個の中性子があるという意味です。これがZ+2個の陽子、(A-Z-2)個の中性子、そして電子2個に変わるが、ニュートリノが出ない。
もしこういう反応が見つかれば、「反応前と反応後で、レプトンの数は変わらない」というルールを破る現象ということになる。これが「レプトン数が保存しない」という意味です。
「レプトン数が保存する」というルールは、これまでのところは例外が見つかっていない法則です。しかし最新のいくつかの理論(まだ仮説です)によれば、レプトンは別の種類の粒子に変化しうると予想されています。そうなればレプトン数は変化する。したがって、実はレプトン数は保存しない、という可能性があると考えられています。
●右巻きニュートリノは反ニュートリノと同じ粒子:反ニュートリノはニュートリノの反粒子です。もしニュートリノを追い越したらそれが反ニュートリノに見えてしまう、というのであれば、レプトン数が変化してしまうことになります。
●SO(10)群:素粒子の性質や相互作用を数学的に表すのに使われる特別な代数学の用語です。自然界の様々な素粒子や力(相互作用)を統一的に説明する理論(まだ仮説です)を意味し、(まだ見つかっていないモノも含む)色々な素粒子やその相互作用を予言します。この予言と、実際に見つかった粒子・相互作用とを比べることで、理論が正しいかどうかが検証されるわけです。
(ホントに片方のニュートリノの質量が軽く、その逆巻きのニュートリノの質量が重いとすると、素人考えでは「ニュートリノを追い越したとたんにニュートリノの質量が変化する」という話になってちょっと変に思えますが、よくわかりません。)
●超新星爆発:超新星爆発がすぐ近くで起こるというのはとても珍しい現象です。簡単に言えば恒星がぶち壊れるときにもの凄い光度で光る現象ですが、同時に多量のニュートリノを出す。銀河系のすぐ近くにあるマゼラン星雲の中で超新星爆発が起こったときに、カミオカンデがそのニュートリノを検出しました。千載一遇のチャンスを捉えた訳です。このニュートリノが観測されたことで、超新星爆発についての理論が非常に正確だったことがわかった。
(先にstomachmanがした便乗質問の一つ目は、ニュートリノの方が光より遅いのなら、地球に到達するのに光より遅れてくる筈じゃないでしょうか?というものでした。実際にはきちんと時間差が測れるほど大量のデータは得られなかったようです。)
●ニュートリノ振動:きちんと説明するのは難しい。そこで、こういう説明はどうでしょうか。ニュートリノと一緒に飛ぶ時計があったとします。ニュートリノの速度をvとすると、その時計は(相対論的効果によって)非常にゆっくり進みます。すなわち、静止している観測者の時計に比べて sqrt(1-v^2/c^2) 倍の速さで時間が経過する。もしv=c(光速)だったら、sqrt(1-v^2/c^2) = 0となって、ニュートリノには時間の経過というものがない。だから何かに変化する暇もない、って訳です。実際にニュートリノの種類が変わるという現象が起こっていることが分かったので、だったら、ニュートリノの時計もゆっくりながら動いているに違いない。つまりv<cである。ということは、質量も0じゃない。
お詫びとか言いつつ、またguiter先生のツッコミを期待しているstomachmanでした。
stomachmanさん、凄い!
こんなにご丁寧な用語集を用意していただいて!
とても勉強になります。
(相変わらず、理解するのに困難が伴っていますが・・・・)
僕の方こそ、このようなやりとりに使っていただいて、むしろ光栄ですよ。
ありがとうございましたー。(^^)
No.8
- 回答日時:
>ニュートリノには左巻きも右巻きもあるってことでしょうか。
確かに、そういうことになりますね。
光速未満ということは、左巻きのものを追い越すことが出来るので
右巻きのニュートリノが存在することになります。
しかし、実験で右巻きのものは観測されていません。
そこで、理論的可能性としては
1.右巻きニュートリノは反ニュートリノと同じ粒子である。
この場合レプトン数が保存しないことになる。
また、レプトン数非保存を証明するために、ニュートリノを伴わない
double beta decay( (Z,A)->(Z+2,A)+e+e )などが行なわれています。
2.右巻きニュートリノは反ニュートリノと異なる新しい粒子である。
この場合は新粒子の予言が必要で、かつ実験とあったモデルを
考えなくてはいけません。
例えば、SO(10)群だと片方のニュートリノの質量は軽く、
その逆巻きのニュートリノの質量を重くすることは出来ます。
質問者がおいてきぼりだといけないので、
念の為に左巻き右巻きについて書いておきます。
まず、ニュートリノという粒子はスピンしています。
地球の自転のようなものです。
例えば、地球は南極大陸上空から見ると時計回りに回っています。
次に、自分が南極上空にいるとして地球が自分から遠ざかっていくとします。
これを右巻き(カイラリティが正)といいます。
ここでもし地球が光速度で遠ざかっているとすると、
それより速い速度は存在しないので、地球を追い越すことは出来ず
常に右巻きに見えることになります。
しかし光速未満なら、自分が地球の速度より早く進んで追い抜いてしまいます。
ここで後ろを振り返って地球を見てみると、
北極をこちらに向け、先程と逆方向に遠ざかっているように見えます。
従って、右巻き(カイラリティ正)に見えていたものが
左巻き(カイラリティ負)に見えることになります。
(ニュートリノには北極南極の区別がないので)
おぉー、guiterさん、
わざわざ僕の為に、分かり易い解説を。(o^^o)♪
なんとかイメージはつかめましたー。
(正しいものかどうかは自信ないですが・・・)
『カイラリティも保存しない』というのは
『カイラリティーが常に1つだけというわけではない』というような
感じでしょうか。
本当に大雑把ですが、
質量があると光速では飛べない → ニュートリノに質量があったので、光速ではとべない →ニュトリノーが(何かに?)追い越される可能性がある
→ ニュートリノの(?)カイラリティーが変化する(?)可能性がある。
(或いは『二種類のニュートリノがある可能性が出てきた』?)
という感じでしょうか???
う~ん、どうなんだろ~。
どうであれ、guiterさん、為になるお話ありがとうございまーす。
No.7
- 回答日時:
またまた便乗。
stomachmanです。ニュートリノが光速未満だとすると、カイラリティも保存しないのですよね。ニュートリノには左巻きも右巻きもあるってことでしょうか。
No.6
- 回答日時:
>静止質量ゼロでないと光速で飛べない、
>みたいなことが書いてあったりしますが....
その通りです。
速度vの粒子の質量 m' は静止質量を m 、光速度を c として
m'=m/sqrt(1-v^2/c^2)
と書けるので、v->c の極限で m'->∞ となってしまいます。
つまり、どのような力が加わってもこれ以上加速できないということです。
>超新星爆発の光度変化と検出ニュートリノの時刻差から、
>質量が分かりそうな気もします。(精度的に無理なのかな?)
まず、超新星までの距離や光度変化の測定あたりがあやしくなりそうですね。
そこをクリアしたとしても、
結局、超新星からのニュートリノを用いたときの
・検出できる個数が少ない。
・もともと発生した3種のニュートリノの割合が不明。
というデメリットを解消するために、自らがニュートリノの発生を制御する
長基線ニュートリノ振動実験のほうが良いということですね。
質量ゼロでないと光速で飛べないのですか。
式の中の『sqrt』というのが、よく分かりませんが・・・
調べてみます。
後ろはもう、僕の脳みそではちんぷんかんぷんでした。
ごめんなさいね。
せっかくですから、何とかして理解できたらと思います。
guiterさん、書き込みどうもありがとうございます。
No.5
- 回答日時:
clownさんには申し訳ないけど、専門家の先生方に便乗質問。
質量のあるニュートリノの速度は光速?光速未満?
よくある相対性理論の一般向け解説書(俗流ですかね)には、静止質量ゼロでないと光速で飛べない、みたいなことが書いてあったりしますが....
もし光速未満なら、超新星爆発の光度変化と検出ニュートリノの時刻差から、質量が分かりそうな気もします。(精度的に無理なのかな?)
光速で飛べる事(移動するってことですよね?)と質量がゼロかどうかって
関係があるんですか・・。
『もし光速未満なら、超新星爆発の光度変化と・・・・』の方は、、、
う~ん、僕にはちょっと難しい話になりましたねー。
でも、stomachmanさん、お気になさらずに。
僕の方は全然OKなので、どんどん利用しちゃってください。
しかし、僕、もっと勉強しないと、、、(^^;)がんばろ~
No.4
- 回答日時:
ニュートリノ振動実験には関わりがあるので
JIMIさんの訂正を少し。
>これはニュートリノに質量がないことを前提にしている。
ここまでではなく少し修正する程度です。
質量が存在した場合の理論もすでにあります。
>今回の結果では「宇宙はいずれ収縮に転じる」という結果になるのであろう。
ニュートリノの質量はものすごく小さいので、
ダークマターの話を解決するほどではないらしい。
というのが物理屋の一般的な意見です。
強い根拠はありませんが・・・
質量があった場合についても、理論がすでにあるとは
おぉ~って感じですね。
ダークマターについては少し聞いたことがあります。
そうですか、解決するほどのものではないらしいのですか。
guiterさん、ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
ニュートリノに質量があるとどうなるのか?についてです。
(1)現在の素粒子物理学を書き変えなくてはならない。
現在、この世のすべての物質は6種類のクォークと6種類のレプトンからできている、と考えられていたが、これはニュートリノに質量がないことを前提にしている。
(2)宇宙の質量、未来の予想が変わる。
宇宙の質量は、理論計算されたものと、実際の観測から計算されたものとの間に、大きな差があり、この原因として宇宙の「ダークマター」が予想され、この候補としてニュートリノも上げられていた。 ニュートリノに質量があれば当然宇宙の質量が変わる。 宇宙の未来は、質量によって、無限に膨張するか、いつかは収縮に転じるかが決まる。 今回の結果では「宇宙はいずれ収縮に転じる」という結果になるのであろう。
凄いですね!
素粒子物理学の書き換えが起こるばかりでなく、
宇宙の未来の予測まで変わってしまうなんて!
JIMIさん、ありがとうございました。
※ ※ ※
関係ないんですが、下のatsuotaさんへのお礼の文章、
「分かりやすい」をニ連発していて、なんかあほですね・・・(^^;)あはは
No.2
- 回答日時:
どうやって調べたか、詳しくは#1MiJunさんの回答にあるURLを参照していただくとして、簡単に書くと、
ニュートリノ振動を観測した
ということです。
ニュートリノには3種類(e、μ、τ)あるのですが、もし質量がなかったら、それぞれは一生別物に変化することはありません。ただ、質量があるとすると、eからμになったり、と変化することになります。この変化のことをニュートリノ振動と呼んでいます。
では、これが実際どう関係または影響するか、というと、現在のところは専ら理論的、あるいは素粒子実験的な興味がメインであって、それを工業など我々の今の生活に密着した技術として利用できるわけではありません。
おーー 分かりやすくてコンパクトに要点がまとまっていて
分かりやすかったです。
atsuotaさん、ありがとうございました。
『ニュートリノ振動』、覚えておきます。
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