No.1ベストアンサー
- 回答日時:
初歩的な熱力学について重要な式を挙げておきます。
(最初にq,wは系が“受ける”熱、仕事と定義しておきます)
(1)“系の膨張に伴う仕事以外の仕事がないと仮定すると”
dw=-PexdV(Pex:外圧)
可逆的(準静的)な過程ではPex=pのため、
dw=-pdV
(2)熱力学第一法則
dU=dq+dw
(2)’定積過程では
dU=dq
(3)理想気体の場合
dU=nCvdT
(Cvが出てきているがこの式はどんな過程でも成立する)
(3)’単原子分子の場合は
Cv=3R/2
(4)エンタルピーの定義
H=U+pV
定圧過程では
dH=dq
(5)エントロピー
可逆過程において
dS=dq/T
(5)’一般には
dS≧dq/T (クラジウスの不等式・熱力学第二法則)
(等号成立は可逆過程のとき)
(6)あと、“理想気体”の断熱“可逆”過程において
pV^γ=一定
γ=Cp/Cv
が成立する。(ポアソンの式と呼ばれる)
これらの定義(定理)のいずれの性質や注意点、使い方が教えて欲しいか言ってくれれば解説します。
(上記の式以外にあればそれでも構いません)
返信ありがとうございます。
それで、追加で質問したいんですけど、
(5)のエントロピーの式ってどうやって使うんですか?
dqに代入する値って決まってるんですか?
その問題によってさまざまでよく分からないんですけど・・・
あと、エントロピーとエンタルピーの違いがよく分かりません。
いろいろ質問してすいませんでした。
No.3
- 回答日時:
理想気体の内部エネルギーは温度変化のみに依存し、その関係式は
dU=nCvdT
となります。従って、定温変化ではdT=0なので
dU=0
となります。
また、熱力学第一法則より
dU=dq+dw
の関係が成立します。この2式より
0=dq+dw
dq=-dw
となります。
No.2
- 回答日時:
まず、エンタルピーとエントロピーの違いですが、はっきり言ってこの2つの共通点はほとんどなく、全く異なる物理量です。
名前が近いため混乱してしまう人が多いのですが、意味は全く違います。エントロピー:これは色々な表現があり、私自身もはっきりと理解しているわけではないのですが、とりあえずは“乱雑さのパラメータ”と思って下さい。具体的には、秩序のある状態(例えば固体)から秩序がなくなった状態(例えば液体)へと変化すると、エントロピー変化ΔSは正(ΔS>0)となります。あと、単位はJ/Kです。
エンタルピー:これは高校化学で習った反応熱のことと思って下さい(符号の定義が逆ではありますが…)
通常の実験は等圧過程で行われるので、先の回答で示したようにΔH=q(dH=dq)となります。そのため、H=U+pVで定義される状態量の変化分は反応熱に相当するわけです。ってことで単位はもちろんJです。エントロピーとは文字通り“次元”が違います。
さて、本題のdS=dq/Tの使い方です。うまく説明できるか自身がありませんので、分からなかったわら再度聞いてみてください。
まず、この式は可逆過程でしか成立しません。(ただ、不可逆過程ではエントロピー変化が計算できないわけではないのでご注意を。あくまで不可逆過程で発生する“熱量”からは計算できないだけです)
ex.)
理想気体を可逆定積過程で温度をT1→T2に変化させ,
その後可逆定温過程でV1→V2に変化させた。
最初の変化から考えます。
これは可逆過程なのでdS=dq/Tが使えます。
ってことでまずはdqを考えます。
定積過程(dV=0)なので、
dq=nCvdT
よって
dS=dq/T=nCvdT/T
ΔS(1)=nCvln(T2/T1)
次の変化を考えます。
こっちは定温(dT=0)なので
dq=-dw=pdV
可逆過程ので、変化中は常にpV=nRTが成立するので(平衡状態もまま変化するので)
dq=nRTdV/V
よって
dS=dq/T=nRdV/V
ΔS(2)=nRln(V2/V1)
よって全体のエントロピー変化は
ΔS=ΔS(1)+ΔS(2)=nCvln(T2/T1)+nRln(V2/V1)
ex.)
どんな過程かは不明であるが、理想気体を
温度T1→T2
体積V1→V2
へと変化させた。
この場合は
dS=dq/T
が成立しません。よって計算できない…ってわけではありません。上記したようにこの変化で生じた熱量からエントロピー変化を計算することは不可能です。しかしながら、エンロトピーは“状態量”つまり「最初と最後が同じならどんな過程を通って変化させても変化量(この場合はΔS)は同じである」という特徴があります。
よって
温度T1→T2
体積V1→V2
さえ分かればいいわけです。(何となく圧力pを無視している感じがしますが、温度と体積が定まれば圧力も決定するので、2つ分かれば十分です)
したがって、この変化を可逆的にした場合を考えてdqを計算していけばいいわけです。ってことで実はこのあとの計算は最初の例と全く同じで結果は
ΔS=ΔS(1)+ΔS(2)=nCvln(T2/T1)+nRln(V2/V1)
となります。
長々となって却って分かりにくくなったらすみません。たぶん、?マークが頭にたくさん浮かんでいると思いますが、まずは頑張ってこの例を理解してみてください。
p.s.この辺りはやはり誰かに直接教えてもらった方がいいかもしれませんね。大学の先生に聞きにくければ、同学年の秀才君や(真面目にやってそうな)先輩に聞いてみればいいかもしれません。
あと、誤字脱字のチェックが甘いのでなにかミスがあるかもしれません。疑問があったら聞いて下さい。
何度もありがとうございます。
丁寧な解説でとても分かりやすかったです。
ただ、定温過程の場合って、dqはいつも-dwになるんですか?
ここだけがよく分かりませんでした。
これで最後にします。あとは何とか分かる人に聞いて頑張ります。
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