プロが教えるわが家の防犯対策術!

エントロピーについて、それなりに理解したつもりだったのですが、改めて勉強しなおすと訳が分からなくなりました。
エントロピー増大というのは「仕事に変換できない熱量が増えてゆくこと」だと理解していたのですが、
熱力学第三法則によると、絶対零度のときエントロピ―が0になるとあります。
質問(1)『増加していって、ゼロになるんですか?』

エントロピーの別の解釈として“無秩序さ”というのが言われますが、一般に言う秩序とは若干意味合いが異なりますよね? これは“熱秩序”とか別の呼び方をした方が良いのではないかと思うのですが、
開放系における一般現象をエントロピーの概念で説明するときに“無秩序の増大”というのは、あまりにも回りくどい理解を必要とします。

質問(2)『無秩序の増大ではなく“秩序の複雑化”と定義した場合、何か問題は生じますか?』


自分でもどのレベルの質問をしているのか、よく分かっていないところがあります。簡単な言葉で説明して頂ければ幸いです。

A 回答 (4件)

1)絶対零度のときエントロピ―が0なる。


絶対零度というのは,実際には到達できません。(現在では,レーザーを用いた方法が~1億分の3度Kぐらい)
絶対零度では,その粒子の位置と運動量が分かってしまいます。そのため,不確定性原理の制約によって,必ず零点振動というものが存在します。
第三法則が意図するところは,T=0にある完全な結晶のエントロピーをゼロとして基準にとると言ってるだけです。これを基準として標準温度における各分子のエントロピーが便宣上,求まるわけです。

熱的カタストロフィーに対しては,全てのエネルギーが熱エネルギーに散逸した状態のことですから,絶対零度にはならないはずです。(エネルギー保存の法則)これは,不確定性原理によっても保証されるはずです。

2)秩序の複雑化
これはいい発想ですね。自己組織化は知ってますか。
例えば,銀河などが引力によって集まることは,自然なことですね。
エントロピーが増大する方向にいくことで組織化されるものが生体など数多く見られます。複雑系,揺らぎ,非平衡などのキーワードで調べてみて下さい。

自己組織化の参考URLを探したんですが,余りいいものが…とりあえず。
自己組織化
http://www1.odn.ne.jp/~cbt25360/reportselforgani …

http://www.yorozu.indosite.org/agama/bbs/message …
    • good
    • 0
この回答へのお礼

有難うございます!!
そう、自己組織化って概念があったんですね。カウフマンが本を出しているみたいなのでそちらをあたってみたいと思います。

お礼日時:2002/09/15 19:25

(1)については,簡単に言ってしまえば


「エントロピーを0にするために系の温度を下げようとすれば,確かに系のエントロピーは下がるが,温度を下げるための外部装置のエントロピーは増大し,しかもその増える量は系において下がった分よりも大きい」
というのが答えです.それが第2法則の意味.

(2)は日本語の問題じゃないでしょうか.あまりよく分かりません.
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。他の方の回答も参考にしてもう少し考えてみたいと思います。

お礼日時:2002/09/15 03:36

> 質問(1)『増加していって、ゼロになるんですか?』



つまり、こう言いたいのですね。
 「エントロピーは常に増大しなければならない。
 温度を下げて絶対零度になるとエントロピーが0になるためには、
 高温では負のエントロピーで、温度を下げていくにつれて
 エントロピーは増大していかなければならない。」
しかし、重大な間違いがあります。
エントロピーは常に増大するとは限りません。増大するのは、断熱系
の場合です。外部と熱のやり取りがない場合に増大すると言えます。
そうでない場合は一般に増大するとは言えません。
今の場合、熱を外部に放出して温度を下げますから、断熱系ではなく、
エントロピーは増大するとは言えません。
通常温度を下げていけばエントロピーは下がり、絶対零度で0になります。

> 質問(2)『無秩序の増大ではなく“秩序の複雑化”と定義した場合、何か問題
> は生じますか?』

こういうことでしょうか?
 「無秩序が増大するとかしないとか、そういう言い方は日本語としておかしい。
 秩序がどうこうという言い方にすべきだ。」
まあ、確かに日本語としては変な気がしますが、秩序がどうこうという理解を
していると、エントロピーという概念を使うとなったときに、ちょっと頭を
ひねらないといけなくなりますね。将来エントロピーという概念をすんなり受け入
れるためには無秩序がどうこうという言い方にしておいた方がいいような気がします。

この回答への補足

質問(1)に関して、僕の理解を困らせているのは、宇宙の熱的死ということなんです。これは宇宙全体でひとつの孤立系とみているわけですよね? 熱的死が起こると仮定して、その時、宇宙は絶対零度ではないのですか? 
僕は孤立系において絶対零度が達成されるモデルを想定していたのですが、熱的死の時エントロピーは最大ではないかなと。

質問(2)に関して納得しかねるのですが、無秩序というのは“ランダムさ”のことですよね?「ランダム=無秩序」という図式が変だと思うのですよ。
全ての事象は秩序を複雑化してゆく、とすれば開放系も孤立系も包括して説明できると思うのですが。

補足日時:2002/09/15 03:48
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。他の方の回答も参考にしてもう少し考えてみたいと思います。

お礼日時:2002/09/15 03:39

今、一つの容器の中で左側半分が20℃、右側半分が60℃に温度分布のある箱があったとします。

この箱は外界から分離されていて、熱の出入りは出来ない孤立系だとします。

時間が経つと容器全体が40℃になってしまいました。初めの状態と温度が均一になった状態とでは、容器中の熱エネルギーは同じです。外には逃げていないからです。しかし、逆の方向には進みません。(外から仕事を行えば逆方向にも進められますが、今回は考えません。)

初めの系は、容器内に温度分布(温度差)があるので、工夫をすれば系外に仕事を取り出せす可能性があります。しかし、温度が均一になってしまった系からは、仕事を取り出すことが出来ません。
初めの系では、仕事として取り出せないエネルギー(拘束エネルギー)と仕事として取り出す事が出来る可能性を持ったエネルギー(自由エネルギー)の和だったのですが、それが自由エネルギーが拘束エネルギーに変化してしまったのです。
全エネルギーは自由エネルギーと拘束エネルギーの和になります。
拘束されていて取り出すことが出来ないエネルギーは、エントロピー×温度ということになります。(エントロピーに温度をかけるとエネルギーになります。)

>エントロピー増大というのは「仕事に変換できない熱量が増えてゆくこと」だと理解していたのですが、

エントロピー増大というのは自由エネルギーがどんどん変換できないエネルギーに変化していくのです。

孤立系の箱が初めは絶対零度だったとします。少しずつ熱を加えて、20℃にしました。しかし、温度差がないので自由エネルギーは0で、全てが拘束エネルギーです。絶対零度から20℃に温度上昇させるために使用した熱エネルギーは全て拘束エネルギーの増加、つまりエントロピーの上昇に費やされてしまったのです。

ところで、自由エネルギーとは何か?私なりの理解としては、強度因子に差のあるところに存在するエネルギーだと思っています。
熱力学には容量因子と強度因子があり、全く同じものを2つ足したときに2倍になるのが容量因子、ならないのが強度因子です。
1リットル+1リットルは2リットルですが、20℃+20℃=20℃で40℃にはなりません。また、1気圧の+1気圧も体積は2倍になりますが圧力は1気圧です。よって、温度や圧力、濃度などは強度因子で、それらに差が生じているところに自由エネルギーは存在します。
孤立系では、自由エネルギーが減少して(強度因子に差がなくなって)拘束エネルギー(つまりエントロピー)が増加するのだと思います。

この回答への補足

質問(1)に関しては何となく分かってきた様な気がします。
>エントロピー増大というのは自由エネルギーが変換できないエネルギーに変化してゆく。
というのは、運動エネルギーが位置エネルギーに変化する、と同じでしょうか?

補足日時:2002/09/15 03:42
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。他の方の回答も参考にしてもう少し考えてみたいと思います。

お礼日時:2002/09/15 03:38

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!