No.3ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
訂正と補足です。肝心のところがワープロミスがありました。
>>もし、y=a+bx+cx^2となる有理数a,b,cがあると仮定すれば、
y=t2∈Q[t1]となり、また(8)からt3=6-(t1+t2)∈Q[t1]ともなる。ゆえに
Q[t2]はQ[t1]に含まれ、Q[t3]もQ[t1]に含まれ、
上の(3)から Q[t1]=Q[t2]=Q[t3]・・・(9)となってしまう。
とありますが、次の様に訂正します。すみませんでした。
「もし、y=a+bx+cx^2となる有理数a,b,cがあると仮定すれば、
y=t2∈Q[t1]となり、また(8)からt3=6-(t1+t2)∈Q[t1]ともなる。ゆえに
Q[t2]はQ[t1]に含まれ、Q[t3]もQ[t1]に含まれ、
上の(4)から Q[t1]=Q[t2]=Q[t3]・・・(9)となってしまう。」
◎ つまり(3)ではなく、dim(Q[t1]/Q)=dim(Q[t2]/Q)=dim(Q[t2]/Q)=3
の内容を表している(4)に直して下さい。
また、ふつうは拡大次数を表すのに
[L:Q}=[Q(s1,s2,s3):Q]=6 や
[Q[t1]:Q]=[Q[t2]:Q]=[Q[t3]:Q]=3と書いた方がよかったと思いました。
また最後の
>>x=2+4cos[{cos^(-1)(3/4)}/3],
y=2-2cos[{cos^(-1)(3/4)}/3]+2√3sin[{sin^(-1)(√7/4)}/3]
z=2-2cos[{cos^(-1)(3/4)}/3]-2√3sin[{sin^(-1)(√7/4)}/3]
はθの値を代入せずに
「ただし θは cos3θ=3/4,sin3θ=√7/4を満たす鋭角で、
x=2+4cosθ ,y=2-2cosθ+2√3sinθ ,z=2-2cosθ-2√3sinθ である。
このとき、 xyz=-4を試すには、3倍角の公式 cos3θ=4cos^3(θ)-3cosθ と
cos3θ=3/4使って下さい。
使って下さい。(θは大体13.8度です。)
しかし、あなたの「修正前」の
質問の様にもっと簡単な例が見付かるかもしれません。
また 以下のp,qは、この問題のp,qと関係ないとして
一般に、
◎ 「x^3+px+q=0の形のxの3次方程式の判別式Dは
簡単な形になって D=-4p^3-27q^2 で与えられる」ということを使っています。
カルダノ(本当はタルタリアが発見した)3次方程式を解くときの方法で
上のx^2の項が消えた形にした x^3+px+q=0 にしたとき、
x=u+vとおいて ,変数がxから u,vの2つに増えるが(u+v)^3+p(u+v)+q=0
として (u^3+v^3+q)+3(u+v)uv+p(u+v)=0
(u^3+v^3+q)+(u+v)(3uv+p)=0 と変形し、3uv-p=0という条件、
つまり uv=-p/3 をつけてu^3+v^3+q=0となる。そして
u^3+v^3=-q、uv=-p/3を解こうというものです。
その際 ,uv=ーp/3を三乗して u^3・v^3=(p/3)^3
として u^3+v^3=-q,u^3・v^3=(-p/3)^3から
u^3とv^3を求める方法です。
このとき、u^3とv^3はYの2次方程式Y^2+qY+(-p/3)^3=の2解となる。
ゆえにY=-q/2±√{q^2+(4p^3)/27}/2
よって Y=-q/2±√{(q/2)^2+(p^3)/27}
=-q/2±√{(q/2)^2+(p/3)^3}
=-q/2±√{-1/108(-4p^3-27(q^2)}
=-q/2±√{-(1/108)D} となります。
そこで、u^3=-q/2±√{(q/2)^2+(p/3)^3}をといて
u=[-q/2±√{(q/2)^2+(p/3)^3}]^(1/3)
などとして行くのです
◎ x^3+px+q=0が異なる3実根をもつのは判別式
D=-4p^3-27q^2>0のときですが、このとき
Y=-q/2±√{-(1/108)D} の根号のなかが「マイナス」となるから
uを求めるのに、虚数の三乗根を求めないといけません。
これは避けられず、還元不能の場合といいます。しかし三角関数で表現される
ことが分かっております。それであのような回答になりました。
このことについては 共立出版 高木貞治 著 「代数学講義」にのっています。
No.2
- 回答日時:
こんばんは。
>>t^3-pt^2-q=0が、既約で三実根を持つ場合を作ればよいと思います。
だけでは ダメで、3次方程式のGalois群が3次の対称群S_3となるものでないといけませんでした。
◎ まず正解例として、p=6,q=-4 としたt^3-6t^2+4=0・・・(*)を考えてみる。
これはQ上既約である。
例によって まず、t=s+2とおいて2次の項を消去する。
(s+2)^3-6(s+2)^2+4=0 ⇔s^3-12s-12=0 ・・・(1)とする。
この判別式D=-4×(-12)^3-27(-12)^2=4×(4^3・3^3)-4^2・3^5
=4^4×3^3-4^2×3^5=4^2×3^3×7 よって√DはQに属さない。
(1)の解をs1,s2,s3とすると、(1)のQ上の最小分解体はL=Q(s1,s2,s3)
そのとき、Gal(L/Q)=Gal(Q(s1,s2,s3)/Q)=S_3となる。
よって dim(L/Q)=dim(Q(s1,s2,s3)/Q)=6 ・・・(3)
さて,(*)の方程式の解はt1=2+s1,t2=2+s2,t3=2+s3となる。
このとき、Q(t1,t2,t3)=Q(s1,s2,s3)である。
またQ(t1)=Q[t1]=Q[s1],Q(t2)=Q[t2]=Q[s2],Q(t3)=Q[t3]=Q[s3]となり、
Q[s1]同型Q[X]/(X^3-12X-12),Q[s2]同型Q[X]/(X^3-12X-12),
Q[s3]同型Q[X]/(X^3-12X-12)
ゆえにdimQ[t1]=dimQ[t2]=dimQ[t3]=3・・・(4)
さて、s1,s2,s3については(1)の三根だから、s1+s2+s3=0 ・・・(5)
また、s1・s2+s2・s3+s3・s1=ー12・・・(6) s1・s2・s3=12・・・(7)が成立している。
Q[t1]=Q+Q・(t1)+Q・(t1)^2,Q[t2]=Q+Q・(t2)+Q・(t2)^2,
Q[t3]=Q+Q・(t3)+Q・(t3)^2である。
そこでx=t1=2+s1,y=t2=2+s2、z=t3=2+s3と、おくと(5)からx+y+z=6・・・(8)となる。
もし、y=a+bx+cx^2となる有理数a,b,cがあると仮定すれば、
y=t2∈Q[t1]となり、また(8)からt3=6-(t1+t2)∈Q[t1]ともなる。ゆえに
Q[t2]はQ[t1]に含まれ、Q[t3]もQ[t1]に含まれ、
上の(3)から Q[t1]=Q[t2]=Q[t3]・・・(9)となってしまう。
すると、
(1)のQ上の最小分解体はL=Q(s1,s2,s3)=Q(t1,t2,t3)=Q[t1]=Q[t2]=Q[t3]
となって dim(L/Q)=dim(Q(t1,t2,t3)/Q)=dim(Q[t1]/Q)=3となって
(3)に矛盾する。
次に、具体的に方程式(1) s^3-12s-12=0をとく。カルダノの方法でとく。
s=u+v ・・・(10)とおく。(u+v)^3-12(u+v)-12=0 → (u^3+v^3-12)+3(u+v)(uv-4)=0
u^3+v^3=12 ・・・(ア) uv=4 ・・・(イ)。(イ)からu^3・v^3=64 ・・・(ウ)
よって Yの2次方程式 Y^2-12Y+64=0 ・・・(エ)から
Y=6±√(36-64)=6±2√7i よってu^3=6+2√7i,v^3=6-2√7i ・・・(オ)
|6+2√7i|=√(36+28)=8から6+2√7i=8(3/4+i√7/4) ・・・(カ)
u=re^(iθ)(極形式)として、
(カ)に代入して r^3・(cos3θ+isin3θ)=8(3/4+i√7/4)
ゆえにr=2・・・(キ)で cos3θ=3/4,sin3θ=√7/4
よって θ={cos^(-1)(3/4)}/3={sin^(-1)(√7/4)}/3 ・・・(ク)
これから u=2(cosθ+isinθ)これと(イ)から v=2(cosθ-isinθ)
こうして s=u+v=4cosθ ・・・(11)と方程式(1)の一つの実数解が求まった。
ただし、θ={cos^(-1)(3/4)}/3={sin^(-1)(√7/4)}/3で s1=4cosθ ・・・(12)
とおき、s^3-12s-12をs-4cosθで割って 商s^2+(4cosθ)s+(4cosθ)^2-12を得る。
これより s^3-12s-12=(s-4cosθ){s^2+(4cosθ)s+(4cosθ)^2-12}=0
s^2+(4cosθ)s+(4cosθ)^2-12=0 を解いて s=-2cosθ±√[(2cosθ)^2-{(4cosθ)^2-12}]
=-2cosθ±2√3sinθ=-2(cosθ±√3sinθ)=-4cos(θ±π/3)
こうしてsの方程式 s^3-12s-12=0は
s1=4cosθ,s2=-2cosθ+2√3sinθとs3=-2cosθ-2√3sinθ ・・・(13)と求まった。
ゆえに tの方程式 t^3-6t^2+4=0・・・(*)の解は
x=t1=s1+2=2+4cosθ,y=t2=s2+2=2-2cosθ+2√3sinθとz=t3=s3+2=2-2cosθ-2√3sinθ ・・・(14)
となった。このとき
確かに x+y+z=6・・・(15) また(6)から
t1・t2+t2・t3+t3・t1=(2+s1)(2+s2)+(2+s2)(2+s3)+(2+s3)(2+s1)
=12+4(s1+s2+s3)+(s1・s2+s2・s3+s3・s1)=12+0-12=0、
t1・t2・t3=(2+s1)(2+s2)(2+s3)=8+4(s1+s2+s3)+2(s1・s2+s2・s3+s3・s1)
=8+0+(-12)=-4
つまり、x+y+z=6・・・(15),xy+yz+zx=0,xyz=-4・・・(16)である。
x=2+4cos[{cos^(-1)(3/4)}/3],
y=2-2cos[{cos^(-1)(3/4)}/3]+2√3sin[{sin^(-1)(√7/4)}/3]
z=2-2cos[{cos^(-1)(3/4)}/3]-2√3sin[{sin^(-1)(√7/4)}/3]
◎ x,y,zはQ係数のtの既約方程式 t^3-6t^2+4=0の3つの異なる実数解である。よって、
x,y,zは実数Rには属するが、Qには属さないから、3つの異なる無理数で条件を満たす。
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