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教科書にある内容で理解できないところがあり、教えてください。
NaOH標準液にCO2が吸収され、NaOHの一部がNa2CO3に変わり、滴定誤差が生じる。特に、弱酸を中和するために、過量のNaOH標準液を入れ、放置後、残っているNaOHを酸標準液で逆滴定するとき(PP使用)CO2誤差が増加しやすい。
この理由は、放置した間にCO2を吸収して、HClで逆滴定するとき、まるでNaCO3中和滴定曲線のようになり、当量点以前でPPが脱色し+誤差が生じるからだ。メチルオレンジのように、pH5以下の変色範囲をもつ指示薬は、CO2誤差が表れない。

ここで、二つ質問があります。
(1)Na2CO3ができる反応式ですが、1)と2)のどちらが正しい考え方なのでしょうか。

1)CO2+H2O→H2CO3
  H2CO3+NaOH→H2O+NaHCO3
  NaHCO3+NaOH→Na2CO3+H20
  
  Na2CO3+HCl→NaCl+NaHCO3
  NaOH+HCl→NaCl+H20

2)2NaOH+CO2→Na2CO3+H20
  Na2CO3+HCl→NaCl+NaHCO3
  NaOH+HCl→NaCl+H20

(2)二酸化炭素によってフェノールフタレインで滴定すると誤差が生じるのはわかるのですが、メチルオレンジの場合生じない理由がわかりません。Na2CO3が弱酸のように働くので、同じように早く終点になるように感じるのですが。「H+]濃度が高くなると、どう影響するのでしょうか。

A 回答 (1件)

(1)について


1の式の上から3つを足し合わせると,2の式の一番上の式と同じになります.

CO2+H2O→H2CO3 (CO2がH2Oに溶け,H2CO3ができる)
H2CO3+NaOH→H2O+NaHCO3 (H2CO3とNaOHが中和反応し,水と,塩(NaHCO3)ができる)
NaHCO3+NaOH→Na2CO3+H2O (NaHCO3とNaOHが中和反応し,水と,塩(Na2CO3)ができる)

これらを足し合わせると,

2NaOH+CO2→Na2CO3+H2O (CO2とNaOHが中和反応し,水と,塩(Na2CO3)ができる)

この式になります.
反応の各段階を詳しく記したのが1の式で,全てまとめて正味の反応を記したのが2の式ということです.どちらかが正しく,どちらかが誤っている,というものではありません.

(2)について
フェノールフタレインはpHが10.0以上の塩基性で呈色します.
純粋なHClとNaOHとの中和の場合は,強酸と強塩基の反応なので,中和点付近で「急激なpH変化」が起こり,かつその中和点は「pH7.0」になります.フェノールフタレインの呈色が見られなくなったとき,中和が完了したと考えて良いことになります.

しかし,不純物としてNa2CO3が含まれる場合,HClとNaOHとの中和反応と同時に,HClとNa2CO3との中和反応も起こります.強酸HClと弱塩基Na2CO3の中和反応では,強酸・強塩基の反応に比べて「pH変化が緩やか」で,かつ中和点は「酸性」側(pH7.0以下)に偏ります.そのため,フェノールフタレインの呈色域ではカバーできず,中和が終了したか否かが判別できないということになります.このような場合,メチルオレンジ(pH3.1~4.4で呈色)のような呈色域が酸性側にあるものを用いると,反応を正確に追うことができるのです.


行う反応を正しく理解し,正しい指示薬を選択することが,中和反応では重要になります.Wikipediaで申し訳ありませんが,指示薬とその呈色域の一覧を貼っておきます.

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E7%A4%BA% …
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