
試験でグリニャール試薬を調製することになりました。
(先輩方がジエチルエーテル溶媒中で、
ヨウ化メチルとMgを反応させて調製していました)
自分は溶媒をイソプロピルエーテルに変えて
ヨウ化メチルとMgから調製することになったのですが、
液が白濁するのみで黒~灰色にならず、
グリニャール試薬ができません(滴定で確認しました)。
溶媒とヨウ化メチルはモレキュラーシーブで脱水処理済のものを使い、
Mgは削り状(99.9%)のものを開封してすぐに、窒素雰囲気下に入れています。
反応装置は乾燥機から出して、熱いうちに組み立てて、窒素を流しています。
手順として、Mgを秤量して反応装置に入れ、イソプロピルエーテルを加え、
ゆっくりヨウ化メチルを加えました。
反応が起きないようでしたので、湯浴で40℃程度まで加温しています。
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作業上のミスなのか、溶媒に原因があるのか、グリニャール試薬が
出来なかった原因が分かりません。
留意すべき点など、ご教授お願いいたします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
ご質問の趣旨から外れますが、
「作業上のミスなのか、溶媒に原因があるのか、グリニャール試薬が
出来なかった原因が分かりません。」
とのことですので、イソプロピルエーテルで実験する前にまず、ジエチルエーテルを溶媒にして実験し、試薬の準備や操作に問題がないか確認されてはいかがでしょうか?その際可能であれば、前任者の先輩に試薬、溶媒、器具の乾燥方法や試薬の滴下速度、反応液の温度制御などのノウハウをて取り足取り教えて貰った方が良いと思います。
ジエチルエーテル中でグリニャール試薬を調整できるようになったら、溶媒をイソプロピルエーテルに換えて再挑戦してみてください。それでも出来ないようであれば、原因は溶媒にあることになります。具体的には、
(1)水が含まれている。
(2)水以外の不純物が含まれている。
が、可能性が高いと思いますがいかがでしょうか?(1)は、僕の少ない経験から言わせてもらうと、グリニャール反応の溶媒の脱水条件はかなりシビアです。もっと強力な乾燥材を使った方が良いような気がします。僕の知る限り、有機溶媒の乾燥に用いられるもっとも強力な乾燥剤はナトリウムです。脱水容量が小さいので、モレキュラーシーブで乾燥済みの溶媒にナトリウムとベンゾフェノンを加え窒素雰囲気化で蒸留するのが良いと思います。詳しくは参考URLをご覧ください。ただし、ナトリウムはハロゲン化合物と爆発的に反応するので、ヨウ化メチルの乾燥には絶対に使わないでください。
(2)は、たとえば溶媒に不純物としてイソプロピルアルコールが含まれていて、グリニャール試薬と反応したり、グリニャール試薬の生成反応を阻害している可能性が考えられると思います。アルコールはナトリウムと反応するので、ナトリウムで溶媒を乾燥すれば解決します。
以上余計な事を申し上げました。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/ベンゾフェノン
ご回答ありがとうございます。
説明不足で申し訳ありませんが、先輩からの指導の下
ジエチルエーテルでのグリニャール試薬調製は、3Lスケールまで
出来ています。
今回初めてイソプロピルエーテルで試験するとのことで
ジエチルエーテルでのやり方(装置、溶媒、ヨウ化メチルの乾燥方法、ヨウ化メチルの滴下量、滴下速度など)をそのまま転用しました。
その中で不備があったのかもしれません。
また、仮に不備がなかったとしたら「溶媒自体が反応に不向き?」ということもあるのかと思いました。
溶媒の不純物については、考えていませんでした。
先に使用していたジエチルエーテルは工業用でしたが、
特に不純物の除去処理もせずに使っていました。
今回使用したイソプロピルエーテルには、不純物としてプロピオン酸が
100ppmほど入っていましたが、工業用エーテルで調製出来たんだからと
考えまして・・・。
不純物対策(純度の良いものを使う)、Mg処理、水除去に気をつけて
再試験を行ってみます。
No.5
- 回答日時:
失礼します。
何人かの方が回答されていますが、打開策が出てないかと思い回答させていただきます。
まず、議論に出ている溶媒中の水についてですが、グリニャール程度に使用する溶媒はモレキュラーシーブで十分です。ナトリウム等を使う必要はありません。ですので、グリニャール試薬が出来ないのは水によるものではないと思われます。
私自身、イソプロピルエーテルでグリニャール試薬を調整した事がないのですが、単純にジエチルエーテルよりも調整しにくい(生成しにくい)と思われます。
私がするとすれば、Mgとイソプロピルエーテルの混合溶媒に還流中でヨウ化メチルを加えます。ヨウ化メチルを少量加えて反応が開始しないようであればヨウ素を加えます。
それか、反応開始の種としてジエチルエーテルで調整したグリニャール試薬を少量加えます。
ご回答ありがとうございます。
ジエチルエーテルと同じ作業をして、イソプロピルエーテルではできなかったことから、
作業がまずかったのか、溶媒自体に問題があったのか考えていました。
イソプロピルエーテルがジエチルエーテルよりも、グリニャールを調製しにくいと思う、とのことですが
これはどういったところからなのでしょうか?溶媒自体の問題?
(含水、不純物といったことではなく、溶媒の構造のせい?)
ジエチルエーテルで調製したグリニャール試薬のストックがあるので
試してみます。
No.3
- 回答日時:
以下のHP詳しく調整方法が記載されています。
参考にしてみてください。
http://wpedia.mobile.goo.ne.jp/wiki/52913/%83O%8 …
参考URL:http://wpedia.mobile.goo.ne.jp/wiki/52913/%83O%8 …

No.2
- 回答日時:
モレキュラーシーブでの脱水処理に問題はないと思います。
もちろん、モレキュラーシーブが十分に脱水されていればの話です。必要があれば強熱して脱水したものを使いましょう。で、イソプロピルエーテルというのは何故でしょうかね。ジエチルエーテルで良いと思います。
それと、グリニャール反応、特にヨウ化メチルやハロゲン化アリルなどを使うところというのは、『腕の見せ所』です。つまり、実験者の技量が試されます。
重要な点を列挙しますと、
*溶媒中の水分が除かれているか
*マグネシウムの活性化は十分か
通常はヨウ素、1,2-ジブロモエタンなどで活性化します。つまり、そういったものを添加して、それらとマグネシウムの反応が始まったのを確認した後に、ハロゲン化アルキルを加えます。ただし、その目的でヨウ化メチルを使うこともありますので、ヨウ化メチルを活性化にも用いるというのはありでしょう。活性化の際にマグネシウムの表面で泡の発生などが観察されますし、発熱もあります。これが観察されず、溶液の色がグレーにならないのであれば活性化は起こっていないと考えてよいでしょう。
活性化の際には濃度を高めに設定した方が良好な結果が得られると思います。
*ハロゲン化アルキルの種類によっては溶媒の選択や温度制御、濃度の設定が重要です。ヨウ化メチルを用いる場合には、Wurtz反応が起こりやすいので、濃度は低めの方がよいでしょうし、温度が上がり過ぎないような注意も必要です。氷水で冷やしながら、十分な時間をかけゆっくりと滴下して下さい。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
モレキュラーシーブはNo.1様への回答でも触れましたが、
脱水はある程度はされていると思います。
ジエチルエーテルではなく、イソプロピルエーテルにした理由は
グリニャール試薬の調製中に、ジエチルエーテルだと沸点が低く(29℃)扱いにくいので、
沸点の高いイソプロピルエーテル(68℃)にしようとしました。
あと、安価な点も理由の一つです
(将来的に7~10Lスケールの反応槽で調製する予定です。
ジエチルエーテルでの調製では、3L程度までのスケールアップが問題なく終わっています)
ヨウ化メチルを加えた際に細かな気泡の発生が始まったので、
調製できるかと思ったのですが、水溶性の白濁が生じただけでした。
500mlのイソプロピルエーテルにMg23.4gを入れ、ヨウ化メチル60mlを
ゆっくり添加。2mol/L程度の濃度です。
教えていただいた、水の除去とMgの活性化に注目して再試験を行います。
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