大学の数学の問題です。
「アルキメデスの定理をワイエルシュトラスの定理を使って証明せよ。ただし、デデキンドの定理は使ってはならない。」
こんな問題でした。
デデキンドの定理を使う証明ならできるのですが、これはどうしたらいいのか分からなくて・・・
ワイエルシュトラスの定理を使おうとしても、どうしてもデデキンドの定理の話になってしまいます。
だれか分かる方がいたらよろしくお願いします。
ちなみにここで言うアルキメデスの定理とは「どんな実数xに対してもx<nとなるようなnが存在する」、ワイエルシュトラスの定理とは「有界な集合は上限、下限をもつ」ということです。
No.1
- 回答日時:
>ワイエルシュトラスの定理を使おうとしても、
>どうしてもデデキンドの定理の話になってしまいます。
まずは、それを補足にどうぞ。
この回答への補足
すみません、これでは何が言いたいのか分かりませんね。
えっと、私はワイエルシュトラスの定理からデデキンドの定理を証明する方法は知っているのです。
また書いた通り、デデキンドの定理からアルキメデスの定理を証明することもできるのです。
なのでこの問題を考えるとき、「ワイエルシュトラスの定理⇒デデキンドの定理⇒アルキメデスの定理」のように考えてしまうのです。
論理的に間違ってはいませんが、これは結局デデキンドの定理を使った証明と何も変わりませんし、そもそもデデキンドの定理は使ったらいけないので・・・
ですがどうしてもデデキンドの定理を使った証明が頭から離れなくて困っているという状況です。
もっと頭が柔軟ならいいんですけど・・・
No.2
- 回答日時:
その証明は、無理っぽい。
確か、
有理形関数の体 { Σ[k = -m → +∞] (c_k)(x^-k) | c_k は皆実数 } に
辞書式順序を入れたものは、非アルキメデス的完備順序体だったはず。
ということは、この体では、ワイエルシュトラスの定理は成り立つが、
アルキメデスの定理は成り立たない…ということだ。
このような実例がある以上、実数にせよ、他のどんな体にせよ、
ワイエルシュトラスの定理からアルキメデスの定理を証明することは
できない。
だから、アルキメデスの公理は、実数の定義の一部なんじゃないのか。
No.3
- 回答日時:
>なのでこの問題を考えるとき、
>「ワイエルシュトラスの定理⇒デデキンドの定理⇒アルキメデスの定理」
>のように考えてしまうのです。
だから、それを補足に。
多分、あなたは教科書に書いてある証明を読んだだけで、考えてはいません。
人に答えを聞いても頭は柔らかくならないですよ。
この回答への補足
えっと・・・
背理法を用いたいので「すべての自然数nに対してn<=x」となるようなxが存在すると仮定します。
そのようなxの集合をB、Bの補修合をAとします。
そうすると(A、B)は切断となり、Aは上に有界なのでワイエルシュトラスの定理より上限が存在し、それをsとおきます。
sがAの要素ならA=(-∞、s]、B=(s、∞)となります。
またsがBの要素ならA=(-∞、s)、B=[s、∞)になります。
(ここまでがデデキンドの定理)
どちらにせよ、s-1はAの要素なのでs-1<nとなるようなnが存在します。
また、s+1はBの要素なのですべてのnに対しn<=s+1となります。
しかし1番目の式両辺に2を足すとs+1<=n+1となり、n+1という自然数について2番目の式が成り立ちません。
よって矛盾するので「どんな実数xについてもx<nとなる自然数nが存在する」ということになります。
こんな感じの証明になりますが、デデキンドの定理を使わないとなるとどうしたらいいのかわかりません・・・
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
その背理法の方針でいけるように思います。
>すべての自然数nに対してn<=x」となるようなxが存在すると仮定します。
そのようなxの集合をB、Bの補修合をAとします。
そうすると(A、B)は切断となり、Aは上に有界なのでワイエルシュトラスの定理より上限(最小上界)が存在し、それをsとおきます。
Aが自然数全体を含んでいることが容易にわかります。(ある自然数で抑えられる実数はBに入らないので。n<n+1より)これより、sはAの上界なのでBに属します。任意のnに対しn<=s より、n<n+1<=s とすることによって不等式から=をはずすことができます。(自然数全体の、真の上界になっているということ)
ここでs-1を考える。Bの任意の要素はAの上界となるので、s-1はAの要素となる。(s-1がBの要素とすると、sが最小上界であることに矛盾)よって、ある自然数Nがあって s-1<=N 、即ち s<=N+1 となる。一方、先の議論より、N+1<s なので、これは(実数が全順序であることに)矛盾。
要はsが無限大の数のようなものになってしまい、おかしいということだと思います。切断した時、自然数がどちらに入ってるかがポイントではないでしょうか。解析は専門でないので、あまり詳しいことは知りませんが・・
No.5
- 回答日時:
確認させてください。
考えている順序体をRとかくこととして、(A)アルキメデスの定理
と、
(D)デデキントの切断
はいいとして、
「ワイエルシュトラスの定理」とは
(W)Rの空でない部分集合Aが上に有界であれば,上限(=最小上界) supAがRの中に存在する。(言葉を下に有界、下限(=最大下界)、inf Aで置き換えてもよし)
だったでしょうか?それとも
(M)「単調増加で、上に有界な実数列は収束する」
(言葉を単調減少、下に有界で置き換えてもよし)
を指していますか?
手元の本を開くと
(D)から出発して、それを使って
(W)を証明し、その系としてついでに(M)を示し、
補題(supの必要十分条件)
「s=sup A ⇔(i)「a∈A⇒a≦s」かつ(ii)「Rの元sよりちょっとでも小さいRの元をとってみれば、それは必ずそれより大きいAの元が存在する」
を使って、背理法によって、(W)⇒(A)を証明するという筋書きになっています。
背理法の概略は、(A)でないとすると、上界をもつ集合Aが作れるから(W)の仮定が使えて、上限s=sup Aを決めることができる。ところが、その上限sは、上の補題の必要十分条件(i),(ii)と、(A)の否定の3つを同時に満たすことはできない。という筋書きでした。
この証明には、途中に(D)を使うことなく(W)のことだけから(A)を導いていますから、質問のことを示すには、これも一つの方法であると思います。
蛇足ですが、(A)の帰結として有理数がRの中で稠密であることがいえて、これにRの極限値の存在を保証する公理((C)コーシー列、あるいは(K)区間縮小法)を加えること、いわゆる完備化を行えば、逆に、(W)や(D)を示すことができます。
もう一つ、(B-W)ボルツァノ・ワイエルシュトラスの定理を基礎にしてもRが構成できることが知られています。
まとめると、
(D)⇔(W)⇔(M)⇔(K)&(A)⇔(BW)⇔(C)&(A)
上に述べたことは大学1年の微分積分の最初のほうでならうことであって、上級になるともっと細かい条件の相互関係があると聞きます。
ちなみに(A)の成り立たない非アルキメデス順序体(例えば有理関数体)であっても、その順序に関し完備化(QからRを作ったように)はできることはできるんでしょうけど、そもそもlimの意味がもはや実数や有理数の場合と全然違うものになってくるでしょうし、一体(W)のようなことが本当にいえるのか、浅学にして知りません。
詳しくは岩波数学辞典の「実数」の項や
このへんを簡潔にまとめたサイトを参考にしてください。
http://www2.rikkyo.ac.jp/web/hoshi/2008/top7.pdf
例によって、的外れな回答だったらごめんなさい。
わざわざコーシー列や区間縮小法のことまで書いてくださってありがとうございます。
この問題以外の同値関係なども知ることができてよかったです。
どうもありがとうございました。
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