http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E6%B0%97% …
ここのページに書かれてあるように、双極子モーメントは2つ電荷の電荷量と電荷同士の距離のかけ算で決まります。
つまり2つの電荷の距離が遠ければ遠いほど、大きな双極子モーメントをもつことになるわけですが、これっておかしくないですか?
コンデンサだと電極間の距離は小さく電荷同士の距離が小さいほどより大きなエネルギーを蓄えることができるわけですが、
一般的に考えても、2つの電荷間の距離は小さい方が大きな双極子モーメントというよりも大きな電気力線密度をもつように思うのですが、
この式で良いのでしょうか?
例えば、真空中で電子1個と陽子1個を、水素原子を形成するほどの小さな距離に配置させた場合よりも、
それらの静電気相互作用をほとんど受けない50mほど離れた位置に配置させた方が大きな双極子モーメントをもつというのが感覚的に全く理解が出来ないのですが・・・
どなたかよろしくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
双極子モメントは「力」や「エネルギー」とは何の関係もない代物なので、その「定義」で良いのです。
例えば1000m離れた観測者には水素程度の距離の双極子は「無」に見え、50m離れた双極子は「双極子」として見えます。
No.2
- 回答日時:
なぜ双極子のようなものを考えるかというところが抜けているからおかしい事になるのだと思います。
式だけ見ても意味がありません。A点に電荷Q1,B点に電荷Q2があるとします。この2つの電荷が原点にある電荷qにどういう力を及ぼすのかという問であれば普通にクーロンの法則で決まる力をベクトル的に足し合わせればいいだけです。A、Bの位置、Q1,Q2,qが分かれば求めることが出来ます。
今問題になっているのはA、Bが非常に近い距離にあってQ1+Q2=0の場合です。ABの距離よりもかなり離れた原点から見ればどう見えるのでしょうか。中性の物体があるだけに見えるだろうというのまず考えられることです。ごく近い所に大きさの等しい正負の電荷があるのですから引力と反発力が打ち消しているだろうと考えるのと同じ内容です。だからあちこちからいろんな力を受けることを考える時、こういう正負の電荷の組があれば後回しでいいはずだということになります。
水溶液の中にイオンと分子とが含まれていればイオンから働く力だけを考えればいいとするのです。
ところが中性の分子からの力は本当に打ち消しになっているのでしょうか。中性の分子の内部で正の電荷と負の電荷が離れて分布しているとするとその位置の違いに相当して打消しのあまりが生じるのです。イオンが存在していれば問題にならないような小さい力かもしれません。でもイオンが存在していなければ影響が大きいということになりそうです。
双極子モーメントを考えるのはそこから働く力が知りたいからです。中性で力を及ぼす能力がないとしてしまうような対象からの力を求めるためのものです。
原点からみてABの位置が大きく離れているような場合には双極子なんて考えても意味を持たないのです。正負のイオンが離れて存在するというだけですから別々に力を考えます。
wikiに載っている(p・r)/r^3という式自体、2つの電荷の位置が近いとして求めた近似式です。
クーロンの法則を使って2つの力を求めて差を取ってみてください。
2つの点電荷の位置エネルギーの足し算から求める事も出来ます。
一度導いてみれば意味が分かります。
この式自体を定義式のように考えるとおかしくなります。
点電荷qの場合の位置エネルギーはq/rですからrの次数が1つ高くなっています。距離が大きくなると急に小さくなります。
、
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
#2です。
>例えば、真空中で電子1個と陽子1個を、水素原子を形成するほどの小さな距離に配置させた場合よりも、
それらの静電気相互作用をほとんど受けない50mほど離れた位置に配置させた方が大きな双極子モーメントをもつというのが感覚的に全く理解が出来ないのですが・
この部分と#2で書いたことがうまくつながらないような気がしますので補足します。
wikiの式は双極子モーメントpと距離rだけで表されています。rは電荷の中心までの距離です。rを変えないで双極子モーメントだけを大きくする事が出来るとと考えてしまいますね。これはおかしいという疑問なのですね。
ポテンシャルを位置で微分すれば力になります。F=-Q∇Φ(r)です。
だからwikiの式は双極子から働く力を表すために導いたものです。
式を導く過程で双極子モーメントp=dqが出てきたのです。
電荷の間の距離dが双極子モーメントの中にしか出てこないというところが近似です。d<<rという条件を使っています。この条件が成り立たなければ距離の中にもdが入ってきます。2つの電荷の中心までの距離rだけで表されるということが成り立たなくなります。
dが大きい場合は双極子モーメントも大きくなりますが力、エネルギーが大きくなるということはありません。dの含まれている分母の方が速く大きくなります。(力の式では分母にr^3が含まれています。dについても3乗になります。)
>静電気相互作用をほとんど受けない
>大きな双極子モーメントをもつ
の2つは矛盾しないのです。
しかし、この場合、双極子モーメントという量を考える意味がありません。
距離d離れて存在する電荷q、-qから働く力を求めてみてください。
dの方向がrに平行な場合と垂直な場合とで構いません。
d<<rで成り立っているとした近似であることが分かります。
※後から気がついたこと
wikiでは2つの電荷からの力を考えてd<<rの極限を考えるという操作をしていません
p・∇(1/r)として求めています。このために近似が見えにくくなりました。
この式は点電荷Qの作る場の中に双極子pがあると考えて出したものだろうと思います。
(1/r)Qは点電荷のクーロンポテンシャルですから-∇(1/r)Qは点電荷の作る電場です。それにp(=dq)をかけています。その電場の中で電荷qをd移動させるのに必要な仕事になっています。d移動する間に電場の大きさが変化しないとしています。ここでd<<rが使われています。-p・∇(1/r)Qは双極子pと電荷Qの相互作用のエネルギーですからQを落とすと双極子pが位置rに作る場のポテンシャルになるとしているのです。
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