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背理法と命題の否定について

例えばp⇒qを背理法を用いて証明するとき、p⇒qの否定を仮定すると、すなわち、pであってqでないものが存在すると仮定すると矛盾が生じるから、(否定が偽ならもとの命題は真であるから、)p⇒qである。ということなんですよね?
では、「nが自然数のとき、n(n+2)が8の倍数ならばnは偶数である」を背理法を用いて証明するとき、冒頭の文は、「nが自然数、n(n+2)が8の倍数であり、奇数であるnが存在すると仮定する。」というのでいいんですよね?
普通参考書などではもっと簡潔に「nが奇数であると仮定する。」などと書いてあるのは、わざわざ長々と書かなくてもわかるからということなのでしょうか?
しかしこの書き方だと、「全てのnが奇数であると仮定する」と言っているようにも取れるように思うのですが…
p⇒qの否定は決して「p⇒qの余事象」ではないですよね?

自分の解釈に自信がもてなくて…
間違っているところがありましたら、ご指摘お願いします。

A 回答 (1件)

これは,たぶん質問者さんの考え過ぎです.



参考書に書いてある証明は,実は「背理法」なんて大仰なものではなくて,単に "qの否定"⇒"pの否定" を証明するという戦略,つまり「対偶による証明」です.

世間では,このように実質的には「対偶による証明」になっている証明をも「背理法」と呼ぶことがあります.それは,次のような考えで証明しようとしているからです.

(1) 「p⇒q」という主張を証明したい.
(2) そのためには,「pである」ことを仮定して,その仮定の下で「qである」ことを証明すればよい.
(3) だから,ひとまず「pである」と『仮定』しよう.
(4) さて,証明すべき目標は「qである」だ.
(5) (この段階で,背理法を使おうと心に決めて)「qでない」と『仮定』しよう.
(6) (…ここで "qの否定"⇒"pの否定" の証明を繰り出す)
(7) おぉ,「pでない」が証明できた!
(8) (3)で仮定した「pである」と,(7)で得られた帰結「pでない」は矛盾している!
(9) 矛盾が生じた原因は,(5)で「qでない」と仮定したことだ.
(10) だから,「qである」ことが証明された.
(11) (3)で「pである」を仮定して(4)の目標を達成したのだから,当初の目的(1)が達成された.

つまり,「p⇒q」という全体を見ている立場で「背理法で証明するぞ!」と決心しているというより,その証明の内部で「qである」を証明する局面ではじめて「背理法を使う」という方針を採っている,と思えばよいのです.

私がおすすめする理解のしかたは,このように,実質的に「対偶による証明」である証明は,わざわざ背理法の形をとらずに,はっきり「対偶による証明」に書き換えてしまって,その形で理解することです.また,自分で証明を書くときも,「対偶による証明」で書ける場合ははっきりそのように書く(背理法の形をとらない)ことです.
上の(1)~(11)の手順を見ると,(6)の部分だけを取り出しても「対偶による証明」として成立することがわかると思います.
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