所得税法違反についての質問です。
所得税法第二百三十八条1項では、「偽りその他不正の行為により、第百二十条第一項第三号(確定所得申告に係る所得税額)(第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)に規定する所得税の額(第九十五条(外国税額控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算を同条の規定を適用しないでした所得税の額)若しくは第百七十二条第一項第一号若しくは第二項第一号(給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告)に規定する所得税の額につき所得税を免れ、又は第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)(第百六十六条において準用する場合を含む。)の規定による所得税の還付を受けた者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」としています。
この場合の「所得税を免れ」ですが、最終的に税務署に捕捉されてしまった場合、結果として所得税を免れていない様な気がしています。申告期限後5年或いは7年の間に税務署に捕捉されてしまった場合は、免れていないのだから脱税の未遂になっているのではないかとも思われます。罪刑法定主義の観点から言えば、未遂を規定していない以上、多くの脱税犯は無罪になると思うのですがいかがでしょうか?罪刑法定主義の観点から免れるとの定義を拡大解釈して未遂まで「所得税を免れ」に含めて良いものなのでしょうか?
また、本法で処罰できるのは5年ないし7年の間に捕捉されなかったが、公訴時効に至らずばれてしまった本当の脱税犯の処罰規定なのではないかとも思われるのです。
未遂まで「所得税を免れ」に含まれることを説明する法的根拠・法令があれば教えてください。慣例として未遂も「免れ」に含まれるとされていることは前提としての質問です。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
ちょっと面白いので参加、すべて私見で根拠もありませんが、
条文?法律?にお詳しい方なのですね。
研究家か実務家かが分からないので、回答の仕方に迷いますが、
考え方としてなら
>結果として所得税を免れていない様な気がしています。
ここですが、結果として免れたと考えればつじつまは合うと思います。
つまり、最終的に税務署に捕捉されてしまった場合に納めるものは、
所得税ではなく、本税という名の罰金と考えた場合
消費税はそうではありませんが、印紙税はそういう感じたと思います。
ただ消費税は間接税ですからちょっと違うとも思います。
まあ所詮人の作ったものですから、不完全なところは慣例や風習に
従いながら柔軟に対応すべきなのかもしれませんね。
この回答への補足
所得税が本税と言う名の罰金に変わると言うのは難しいんじゃないかなぁ?本税=所得税だと考える以外にないでしょう。
また、印紙税法違反は本税に加えて2倍だかの過怠税が加わります。
印紙税とか、酒税とか、関税は未遂の規定があるみたいですね。
なお、一応未遂の定義について判例らしきものが法人税法違反事例であるようなのですが、昭和20-30年代のもので、理由付けもかなり強引で、さらに処罰規定等がかなり改正されたので果たして現代に直接判例として適用できるものかは疑問です。
判例の定義によれば、未遂とは申告書提出から納付期限までの間で、納付期限を過ぎたら既遂になると言う、まぁ現状の実務上の考えとほぼ同じです。
No.7
- 回答日時:
>とはいえ、万引きの場合は未遂を罰する規定があります。
だから、万引きで捕まって支払っても無罪になりません。(刑法243条)万引きで捕まった場合の罪状は未遂ではなく窃盗の既遂ですが?
詐欺もほとんどは既遂罪。
どの犯罪でも既遂については将来永遠にしないことまで要件としていない。
「設定された期限内」に「故意」に免れたという事実があれば十分。
万引きの期限は「店を出るまで」
詐欺の期限は「契約した期限内」
納税も単に納税しろと言ってるんじゃなく「期限内に納税すること」なんだから
後から納税しても実行の着手が済んでることはわかるよね。
だからこれは未遂ではなく既遂。
この回答への補足
窃盗の場合は、占有権の移転で理解するほうが良いかもしれません。
万引きの場合は、現行犯で逮捕する場合、未遂になります。
つまり、店を出たところを現行犯で逮捕したら、窃盗未遂です。
一方、ビデオカメラで後日警察が逮捕した場合、これは窃盗の既遂になります。
現行犯ならともかく、そうでない場合は物を占有している窃盗犯を見つけ出し、無理やり物を取り返したら、強盗になってしまいますよ。
詐欺の場合はどうなんでしょうね?やはり、占有権の移転が行われた時点で未遂から既遂になるのでしょう。
未遂と既遂の定義が曖昧であることが事実ですが、税金に関しては、そもそも占有権の問題が絡んでおらず、除斥期間が経過しないうちは依然として徴税権を国が保有しているので、徴税権を消滅させたことをもって既遂とするほうが納得がいくような気もしますが・・・
感情論や常識論の話ではなく、あくまで法に関する論議です。
No.6
- 回答日時:
NO4です。
>印紙税法違反は本税に加えて2倍だかの過怠税が加わります
(印紙納付に係る不納税額があつた場合の過怠税の徴収)
第20条 第8条第1項の規定により印紙税を納付すべき課税文書の作成者が同項の規定により納付すべき印紙税を当該課税文書の作成の時までに納付しなかつた場合には、当該印紙税の納税地の所轄税務署長は、当該課税文書の作成者から、当該納付しなかつた印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額に相当する過怠税を徴収する。
「合計額に相当する過怠税を徴収」ですので、納付しなかつた印紙税は、納めません。
後から納めるすべてが過怠税です。
ここからは私見ですが、
>本税=所得税だと考える以外にないでしょう。
「納付しなかった所得税」と後から納める「納付しなかった所得税に相当する本税」は、
同額で有っても同じ物ではない、とも考えることが出来ると思います。
ただし消費税は間接税であくまでも預ったものですから、納付しなかった消費税を納めない
と言う訳にはいかないのかも知れません。
この回答への補足
とすると、印紙税の場合は過怠税に変わるのでしょう。
もっとも、元の印紙税が免除されるのは、通達などの解釈によるものであって、実は本税たる印紙税も書類に張らないといけない様な気もしますけどね。そのうえで上記過怠税を納めるのが本来の法の解釈だったりして。結果として納めるべき税金が4倍になると・・・
印紙税の場合は、3倍返しで済む解釈の方が納税者に有利なので誰も突っ込まないだけかもしれません。
これまでの議論から考えると、納付期限経過後に所得税が本税に変わるとの説が、最も説得力があるような気がします。
一番の問題点は、そもそもきちんと法令を整備していない国会議員にあるような気がします。国会審議を見ていても、個人的スキャンダル追及の場になっていて法令を審議している形跡がありません。法律を作っている国会議員自体が、解釈は裁判所にお任せしているなどと無責任なことを言っている始末で、法治国家としてあるまじき行為だと思うのですが、誰しもが解釈を間違わない整然とした法令の整備を求めたいものです。
No.5
- 回答日時:
法律には詳しくないのですが
結局捕まってしまったから納税した=未遂ではなく
支払い期限から捕まるまでの間支払いから免れているから有罪になるのでは
支払い義務をその日にちの間放棄しているのですし
この回答への補足
それが判例の立場の様ですが・・・
ただ、そうすると、ばれた後に取られる所得税は、一体何なのか良く分からなくなります。
支払い期限を過ぎたら、その所得税は無きものになるとしたら、まさに支払期限経過により既遂となるでしょう。
5-7年逃げ切った人と、逃げ切れずにばれた人との間には天と地との差があり、この辺りの不公平を埋めるには、所得税法違反で起訴するのは、除斥期間経過後の脱税に限定する方がいいんじゃないでしょうかね?
結局、払うべき税金分は回収でき、様々な加算税や延滞金がついているのに、さらに何らかの罰を与える必要ってあるんでしょうか?
未遂の規定が無いから、未遂の定義を拡大解釈しているような気がしてなりません。
No.3
- 回答日時:
じゃあ万引きも捕まってから支払えば全部無罪ですね(笑)
納税には期限が定められているんだから、
その期限内に支払わなかったらどう考えても既遂でしょう。
法的根拠以前の問題です。
後から支払っても既遂後の賠償でしかない。
この回答への補足
万引きとの比較は面白いですね。
とはいえ、万引きの場合は未遂を罰する規定があります。だから、万引きで捕まって支払っても無罪になりません。(刑法243条)
罪刑法定主義から考えれば、いかに処罰相当の行為も法的根拠が無ければ処罰を受けるべきではなく、法治国家であるならば、処罰規定が無いのであれば処罰規定が立法されるまでは無罪です。
No.2
- 回答日時:
万引き犯が捕まったら払えばいいだろと同じ理屈なんですが。
「偽りその他不正の行為により」とあるように、故意があきらかなんですから、
その時点で罰させられるんですよ。結果として払ったって、それは意味ないんです。
この回答への補足
刑法第44条によって、未遂を罰する規定が無い場合、未遂は罰せられません。
偽りその他不正の行為により、故意が明らかでも、ばれてしまった場合、脱税は未遂になってしまうわけで、罪刑法定主義から未遂の処罰規定が無いのだから、脱税については無罪になるのではないかとの趣旨です。
とりわけ、結果として払った場合、少なくとも逃れた税金は全くないわけで、所得税を免れたとは言えないのではなかろうかとも思われるのです。
脱税を達成するには、7年間の除斥期間を経ないとならないのではないでしょうか?慣例としての脱税犯ではなく、未遂を罰する処罰規定がないため、何らかの法的根拠があるのか、それとも「免れ」が「免れようとした」も含まれるのかが疑問だったのです。
No.1
- 回答日時:
「所得税を逃れ」た時点で告発され、その後納税させられるのでしょう。
従って所得税法違反が発覚した時点では(当然)納税していないわけですから未遂ではありません。
交通事故に例えるならば、交通事故を起こした時点で捕まり、その後被害者と示談が成立したような感じいなるかと思います。
万引き犯がが捕まった後でカネを払えばいいだろうと言ってもだめなのと同じで。
この回答への補足
ちょっと交通事故とは違うような・・・
交通事故を起こした場合、示談が成立しても民事上の賠償に関する示談であって、起こした事故を無いものには出来ません。刑事上は示談の有無は減刑事由にはなっても、一旦起訴されてしまったら無罪にはなりません。
一方、所得税法違反の場合、「免れ」とあるように、最終的に免れとおした事を持って成立し、除斥期間内逃げ通したことが刑の成立要件になるのではなかろうかと・・・
所得税法違反の時効は10年、一方除斥期間は最長で7年です。除斥期間経過後、時効に至るまでが同条の罰則規定の適用となるのではないかとの私の法令解釈です。
所得税法違反の起算日は、当然本来の申告期限でありますが、除斥期間内であればばれた場合には未遂になってしまうのであり、罪刑法定主義の観点から今の脱税の定義は不思議だなぁと・・・
例えば、人が死んでいないのに殺人罪が適用されることはありません。人が死んでいなければ、いかに憎むべき犯人であっても殺人未遂になるのです。なお、殺人未遂罪であれば、危害を加えた時から時効が進みます。死なないことが確定した時から時効が進むわけではありません。
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