dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

静止している電荷も別の慣性系から見ると電流に見える、という説明はよく見ますが、逆に導線を流れる電流が電荷に見える慣性系はあるのでしょうか。
導線を電流が流れている様子を想像したとき、例えば導線の一端から毎秒1クーロンが流れ込み、他端から毎秒1クーロンが流れ出せば1Aが流れていることになりますが、このとき導線の中の電荷は+にも-にも寄っていないと思います。このような導線をどこかの慣性系から見て電荷に見えることがあるのでしょうか?

「別の慣性系から見た電流が電荷に見えますか」の質問画像

A 回答 (15件中11~15件)

#2さんへの補足に関して。


既に回答があるように電子の静止系でみると、原子核が動いているのでこれに由来する電流があり、この電流間には引力が働きます。導線に働く力はこの引力と導線が正の電荷を帯びている事による斥力の合力になります。実際に計算してみると前者の方が強いので電子の静止系でも導線間には引力が働きます。

#3さんへの補足に関して。
例えばA=B×r/2とすれば、イメージされているような(原点を中心とする)同心円状の分布になります。
※一般にベクトルポテンシャルにはゲージ変換の分の自由度がありますが、適当にゲージ変換をすれば原点以外の点を中心とする同心円状の分布にする事もできますし、同心円ではないようにする事もできます。

また、実験室系で磁場中を運動する粒子があった時、この粒子の静止系では一般には電場が存在します。
単に電磁場をローレンツ変換するだけのように思うのでわざわざベクトルポテンシャルを介して考える理由がよく分からないので回答になっているか分かりませんが。

この回答への補足

みなさんから頂いた回答は全て勉強になりました。おかげさまである程度理解できたと思います。いただいた回答を元に自分でも調べた上で理解したことを以下に自分のことばでまとめてみます。もし間違いがあれば、何方からでも、ご指摘いただけると助かります。

1) 導線に電流が流れているとき、例えば負の電荷が流れているならばそこには対となる正の電荷がある。その負の電荷の流れと同じ慣性系から電流を見れば代わりに正の電荷が逆方向に流れるように見えるだけなので、慣性系を変えても電流は変化しない。慣性系を変えても、同方向に電流が流れる2本の導線が引き合う原理は変わらないし、その力の大きさも変わらない。
電磁気学に出てくる「電流」は導線の中を流れる電流のようなものであって、正や負の電荷が単独に流れているようなものではない。

2) 2本の導線の中を自由電子が流れることによって電流が流れているとき、対になる原子核の静止系からみれば電子は原子核より電子の速度分だけ密度が高くなっているように見えるので導線には負の電荷が生じ、2本の導線には斥力が働く。逆に流れる自由電子の静止系から見れば先程と同じだけ対になる原子核の密度が高くなっているように見えるので導線には正の電荷が生じ、2本の導線にはやはり斥力が働く。どちらも働く力は同じである。但し、この時の自由電子の速度は、同じ電流なら導線中の自由電子が多い程遅くなるので、電流が決まるだけでは決まらない。普通の条件なら大変遅い速度になるので斥力は1)の電流による引力と比べてごく僅かである。

3) 一様な磁場の中のベクトルポテンシャルは、例えば磁場に直交する面を断面とする同心円柱状になる。ただしベクトルポテンシャルにはゲージ変換分の自由度があるので一つに定まらない。磁場に直交する一様なベクトルを重ね合わせれば同心円の中心は何処にでも移動できるし、又たとえば点電荷から発生する電束のような形の放射状のベクトルを重ね合わせたものをベクトルポテンシャルとすることも可能である。これは静電場の電位が0Vを何処にするかという基準次第でどうにでもオフセットされ得ることと似ている。

4) 一様な磁場の中で、基準とする所定の慣性系に対して磁場に直交して定速で移動する慣性系を考える。基準とする慣性系で定めたベクトルポテンシャルAは定速で移動する慣性系から見るとゲージ変換されて見えるので、2つの慣性系のB=rot Aは等しく、どちらの慣性系から見てもdB/dt=0である。しかしこの時定速で移動する慣性系から見たdA/dtはゼロではなく、これが静電場に見える。

長文ですみません。宜しくお願いします。

補足日時:2011/09/15 01:09
    • good
    • 0
この回答へのお礼

簡潔で大変分かり易い回答を有難うございます。どちらの回答も目の前が晴れた気がします。自分の理解で良いのか確認させて頂きたいところもあるので、少し考えさせて頂いてから補足させて下さい。宜しくお願いします。

お礼日時:2011/09/10 22:16

 補足、承りました。

#3です。

 私の説明で疑問を抱かれて当然です。一様な磁場などないのですから。お考えのように非常に不自然なものではわるわけです。
 これが、電場でも重力場でも同じに不自然です。
 ただ、何かを一定とする、という考え方は、定性的には考えやすいわけです。それに少し数式を当てはめてみるのも。便宜的、といえばそうかもしれません。

 ともかく、質問者様の考察には恐れ入りました。私なぞが、差し出口を利くべきでなかったかもしれません。申し訳ありません。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

恐れ入ります。とんでもありません。
私の疑問は直接解決しませんでしたが、新たに興味深い疑問を持つことができました。本当に一様な平行磁場はあり得ないのかもしれませんが、局所的に一様な磁場に近い磁気ギャップを現実に利用している工業製品は沢山あると思います。そのような部分のベクトルポテンシャルがどうなっているのか、少し考えてみようと思います。疑問が増えることはそれが解決するのと同じくらい楽しいことです。丁寧なご回答をいただいて有難うございました。

お礼日時:2011/09/10 19:51

 問題を単純にしましょう。

それなしに複合する事象を考えるのは自然科学ではないです。電流とは電荷の流れ。

 しかし、電荷が一様な磁場にある、と複雑化します、ごめんなさい。条件を与えたほうが考えやすいというこもありますので。

 その一様な磁場の中を移動したら、磁場に対する速度が分かるのか? 答えは否です。磁石に対して回転する金属円盤に電磁気的な力が働くけど(電圧が生じる)、磁石をまわしても、そういうことにはならない、という実験結果が得られています。

 月も人工衛星も地球の周りを回っているけど、それらにとっては無重力(正確には無重量)、何もない空間を等速直線運動しているのと区別はつかない、そんな感じ。

 電荷が磁場中を「一定の速さで」移動すれば「ローレンツ力」と呼ばれる力を受けます。力を受けるのですから、電荷は曲がろうとします。実際、曲がった軌道にないます。これが、電荷に初速を与えた観測者の言い分。実際その通りになる。

 では、電荷とともに移動する観測者がいたら、どうなるか。まあ、初速が電荷と同じでいいんですけど。磁場は速度に関係ない。では、電荷は移動するはず。先の観測者の言い分通り。でも、静止した電荷が突然動き出すなら困ります。それこそ、永久機関ができるかもしれない。

 これは、ニュートン力学のガリレイ変換をもとにすると、そうなるということです。これを補正を入れて精密にしたローレンツ変換を使うと解決します。

この回答への補足

ありがとうございます。でも最初のところでつまづいています。一様な磁場の中では移動してもdB/dtがゼロなので、確かに磁場に対する速度は確認できそうにありません。でもベクトルポテンシャルを考えたらわからなくなってきました。磁場があったら必ずベクトルポテンシャルがあるはずです。一様な磁場の中のベクトルポテンシャルはどうなっているのかを想像してみようと思ったのですが、簡単には想像できません。結局私の頭の中では磁場に直交する同心円状に広がっているとしか思いつきませんでした。でもこの結論は、同心円の中心は何処なのかと考えると、何か変な気がします。しかしいずれにしても、磁場の中には必ずベクトルポテンシャルがあって、それは、同心円状なのかどうかはともかくとして、必ず何か決まった分布をしているはずです。その中をベクトルポテンシャルを横切るように移動したとしたら、電場が生じるように見えるのではないでしょうか?

補足日時:2011/09/10 09:44
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/10 19:51

導線内では、自由電子が一定の速度vで流れていると、単純化して考えてみましょう。


導線に沿って、速度vで進んでいる観測者O(電子に乗って移動しているとしましょう)から見ると、導線内の自由電子は静止して見えますよね?
一方、陽イオン(導線の金属原子の原子核と束縛されている電子からなります)は、逆方向に流れているように観察されます。
さて、相対論によれば、動く物体はローレンツ短縮するのでした。つまり、陽イオンは間隔が詰まって見えることになります。自由電子は、静止していますから、導線に電流が流れていないときと同じですから、自由電子の間隔は短くはなっていません。このため
 負電荷の密度<正電荷の密度
となりますので、観測者Oから見ると、導線は正に帯電しているように見えることになります。
観測者Oは電子に乗っていますから、導線に、静電気力で引き寄せられます。

ちなみに、Oが乗っている運動する電子も、電流と見なすと、導線と同じ方向に流れる電流ということになりますから、互いに引き合うはずです。

ご覧のように、静止している観測者が、2つの電流間に作用する力と見るものも、別の運動する観測者から見ると、正負の正電荷間の静電気力として見える場合があるということです。

この回答への補足

ありがとうございます。ローレンツ短縮の説明で一旦は分かったような気になったのですが、よく考えてみるとやっぱりわかりません。
電子と電流の関係で考えるとご回答の通りのように思えます。でも2本の導体を流れる電流を考えてみたら、わからなくなりました。
2本の導体があって、夫々の導体内の自由電子が同じ速度、同じ方向に向かっているものとします。二つの導体には同じ向きに電流が流れているので互いに引き合う力が働いているはずです。これを、前述の自由電子と同じ慣性系から見た場合を考えます。この観測者から見ると頂いた回答と同じ理由で二つの導体は同じ正に帯電しているように見えるはずですから、二つの導体には反発する力が働いている筈です。どこで違ってしまったのでしょうか。

補足日時:2011/09/09 22:22
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/15 01:10

電線内を流れる電子の速さは、歩くぐらい~カタツムリの速さ、なのでそれと同じ慣性系から見れば、電子は静止しているように見えるはずです。


しかし、ここで忘れてはいけないのは、電線内で固定されている陽子が、逆方向に動いて見えることです。
通常とは逆に+電荷が動いていて電流が流れているように見えることでしょう。

この回答への補足

電線内ではプラスとマイナスの電荷が逆方向に同時に流れているから慣性系が変わっても電流は無くならない、ということになるのですね。他の方の回答を読んでから読み返してみて意味がわかりましたので補足させて頂きました。有難うございました。

補足日時:2011/09/11 07:41
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2011/09/09 22:13

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!