プロが教えるわが家の防犯対策術!

授業で法律を受けています。
いろいろ調べたり本を読んだりしたのですがいまいち理解しがたいのでお聞きします。

法定責任説と契約責任説の長所と短所をそれぞれ教えてください。

A 回答 (1件)

民法570条の瑕疵担保責任についての解説ということでしょうか。



 前提として、両者の概略を述べておきます。
 法定責任説は、売買の目的物たる特定物に瑕疵があった場合には、瑕疵のない特定物は存在しないためその特定物を引き渡せば債務の履行となる。ただし、それでは契約の目的を達することができない場合もあるので、救済のために特別に法律が規定したのが同条の瑕疵担保責任であるという立場です。
 契約責任説は、特定物であろうと瑕疵のない完全な目的物を引き渡すのが当事者の合理的意思であり、目的物に瑕疵があった場合には完全な物を引き渡す債務の不履行として契約上の責任を負う。この債務不履行の責任内容の特則を定めたのが同条項の瑕疵担保責任であるという立場です。
 ちなみに判例(最判昭和36.12.15)は契約責任説を採っていると理解されています。

 法定責任説の長所は、
  不特定物の売買については10年間の責任追及ができる(反対説あり)
 契約責任説の長所は、
  特定物売買の損害賠償範囲が信頼利益に限られず履行利益まで含む
  特定物売買の責任追及として代物請求や瑕疵修補請求も可能である
  不特定物売買の責任追及に際して、売主側の帰責事由が要求されない(反対説あり)

 短所は、他方の長所の裏返しです。これ以外の点には、ほとんど差異はありません。
 教科書や参考書だけで分かりにくい場合は、司法試験予備校の解説書や択一六法の該当頁を参照すると分かりやすいと思います。
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