No.5
- 回答日時:
主格、と主題の違い?。
①名前がいやだ!、②名前はいやだ!。
を比べると、①は十分あり得る表現で抵抗なく聞けますが、②はどうでしょう、やや違和感があります。
①は(現在つけられている)名前がいや、②は現在の名前でなく、名前(を付けられること)そのものがいや。
「は」係助詞、主題の提示、したがって以下の記述は主題に限定された内容、この「限定」が協調にもつながります。
名前がない、(とりあえず)名前についていえば(敢えて限定の必要はないが)ない。
名前はない、敢えて名前に限定すれば、ない。
すべてとは言いませんが、「が」の後は動詞、形容詞その他活用語がおおいのでは、名詞は違和感があります
個人的な理解ですが、主格=主役、主役の立居振舞について、どうした、こうした、ああだ、こうだ・・・。
係助詞=主題の提示、言い換えれば、主題についての説明、補足・・・・。
ご回答ありがとうございました。
他の質問でもお世話になっています。
”名前は”は、一般的な強さの表現ですが、”名前が”になると、強く強調することになるのですね。意味を少し曲解していますが、
<主格、と主題の違い?。>
になるのですね。
No.4
- 回答日時:
(あ) 吾輩は猫である。
名前はまだ無い。(い) 吾輩は猫である。名前がまだ無い。
ふたつの文の構成や意味のチガヒについては 日本語の構文を
(う) Aハ Bガ Cナリ。/Cスル。
というかたちで捉えると分かりやすいと思います。
言いかえると 次のように考えることになります。
(あ-1) (a)吾輩は吾輩が猫である。(b)名前は名前がまだ無い。
(い‐1) (a)吾輩は吾輩が猫である。(b)Xは名前がまだ無い。
(い‐1b)では ハ格が何を承けるかは分からないわけです。
そうして仮説ですが:
(え) ハ格が承ける主題(A)は 第一中心主題で
ガ格が承ける主題(B)は 関係第二主題。
と捉えます。関係第二主題というのは 第一中心主題にかかわる(関係する)何らか
の主題ということです。
すでに例文で分かるように 第二主題(A)が 第一主題(B)と同じ語である場合
もあるわけです。
ということは 問題は (い‐1)の 第二文についてのみだと言えると思います。
(い‐1a) 吾輩は吾輩が猫である。
(い‐1b) Xは名前がまだ無い。
この《X》とは何か?
すなわち 文例(あ)の場合には 第二文(あ‐1b)――《名前は名前がまだ無い。》
――にあっては 《名前》が 第一主題として提示されています。
しかるに 文例(い‐1)では 第二文(い‐1b)では ハ格で承ける第一主題が 示
されなかった。つまり 仮りに《Xは》となる。
これは どういうことか? どう違うのか?
(あ)では 第一文の意味内容を承けて 作者は 読者が その《猫である吾輩》に
ついて きっと名前を訊きたいのであろうと見なして(想定して) その語(名前)
を ハ格で承けて第二文を始めている。
つまり 第一文(あ‐1a)のあとに みなさんが知りたいのは その《猫である吾輩》
の名前でしょう? とすでに心の中で決めて話を継いでいる。
ところが 文例(い)では そのような想定を必ずしも決めなかった。漠然と第一文
からたとえば《吾輩》なる語を持って来て 《Xは = 吾輩は》という含みを持っ
って言ったのかも知れない。
あるいは 《Xは = 猫である吾輩は》かも知れないし 《Xは = 吾輩と名乗
ったところの猫なのだが その猫は》であるのかも知れない。
そういうチガヒがあると考えられます。
ただし (い)なる例文は あまりふつうではないように見られます。たいていは
作者(話し手)は 主題として中心となるものをまづ決めて(ある程度勝手にです)
それをまづハ格で承けて 文をつくり話をすすめて行くものと考えられますから。
ご回答ありがとうございました。
哲学カテで、ご活躍されておりますね。
新鮮な切り口からの解析を、興味深く読みました。
その手法を、勝手に、誤解し・悪乗りして、次のことを考えました。
まず、各文を「象は 鼻が(は) 長い」の形式に還元し、ベースに戻すのですね。
その構成(構文)、第一中心主題+関係第二主題+説明になります。
各文の構成を、翻訳します。
吾輩は猫である。 ←―→ 吾輩は、吾輩が猫である。
名前はまだ無い。←―→ 名前は、名前がまだ無い。
名前がまだ無い。←―→ xは、名前がまだ無い。
ただしXは不明である。
第一中心主題+関係第二主題が同一のものは、一方を省く、になります。 問題は、Xが何か、ということですね。Xは、省略されていないはずであるから、名前とは考えられません。
考えられることは、次の二つになります。
<《Xは = 吾輩は》>
<《Xは = 猫である吾輩は》>
になります。どちらにせよ、吾輩を強調している、ということになりますかね。
No.3
- 回答日時:
「が」の主な用法は、主格の特定、ならびに(希望・能力・好悪などの)対象の特定です。
「名前がまだ無い」は、主格の特定になります。
「無いものは何かといえば、それは名前だ」と特定していることになる。
大事なのは、特定するだけの必要性があるので特定している、という点です。
つまり、「無いものは何か」をどうしても特定する必要性を感じるため、「○○が無い」と言うわけです。
その意味で、切迫型の表現、と個人的に名づけています。
「名前がまだ無い」は、「無いのは名前であること」をどうしても言いたい、という切迫性にかられた表現。
たとえばですが、
『主人をはじめとして、家人の全員から吾輩は非常に大事にされている。三度三度出される食事も、他猫に自慢したいぐらい豪華なものだ。夜は夜で、ふかふかで清潔な専用ベッドで落ち着いた眠りにつくことができる。しかし、吾輩には名前がまだ無い。』
こういった文脈が想定可能かもしれません。
「名前はまだ無い」は、みなさんおっしゃるように主題提示の用法です。
「名前について言ってみれば・・・それは無い」という意味。
のんびり型の表現、と勝手に名づけています。
早速にご回答ありがとうございました。
「が」は
<切迫型の表現>
で、言いえて妙ですね。
<特定するだけの必要性がある>
のですね。そして、以降、
<こういった文脈が>
続くのですね。
hakobulu様には、たびたびお世話になっています。
No.2
- 回答日時:
日本語には、きちんとした文法がないのですね。
お示しの例は、よく「象は鼻が長い」という例文で論じられる問題ですね。
1冊の本が書けるようです。
http://www.amazon.co.jp/%E8%B1%A1%E3%81%AF%E9%BC …
http://www.cl.aoyama.ac.jp/japanese/highschool/g …
「名前はまだ無い。」というときには、「名前は」というのは「題目(その場での話題、話の対象)を提示している」ということらしいです。
「象は鼻が長い」では、「象」という題目を提示した上で(「象ということに関して言えば」という前振りをした上で)、「鼻が長い」という事実を述べているということのようです。(単純に事実だけ言うのなら、「象の鼻が長い」という)
つまり「名前はまだ無い。」という文章は、意味合いとしては「名前ということについて言うならば、(名前が)まだ無い」ということなのです。(「名前」は、「題目」であり「主語」でもある)
これを「名前がまだ無い。」と言い替えると、「題目」を示す機能がなくなり、単純にそういう事実(まだ名前がないこと)を述べているだけ、ということになるようです。
つまり、上の象の話でいえば、「象は」がなくなって、単に「象の鼻が長い」という事実を言っているのと同じということです。
まあ、この質問は、こんな回答で如何でしょうか。
早速のご回答ありがとうございました。お礼が大変遅くなりました、
<単純にそういう事実(まだ名前がないこと)を述べているだけ>
になるのですね。題目として名前を語っているものから、トーンが落ちているのですね。
No.1
- 回答日時:
個人的な解釈になってしまいますが…
“名前「は」まだ無い。”は「世間では飼い猫に名前をつけるらしい… つけてもらったらつけてもらったでいいけど、私はどっちでもいい」といった感じの、どこかで期待しつつ当てにもしていない複雑さが漂っていると思います。
一方、“名前「が」まだ無い。“になると「早く名前つけてくれよ… あんたの飼い猫なんだから…」みたいな期待感… すでに猫の中で名前がつく予定になっていると共に、飼い主と深く寄り添いたいという淡い気持ちも見え隠れしてきます。
この小説の猫は、冷静に人間を観察し、きっちり一線を引き、尚且つ自分の世界とはきっちり約束ができていて自由奔放に行動している… 現代の人間からするとうらやましいくらいの存在ですが、“名前「は」まだ無い。”にもその生き方の一端が現れて、しっくりくる表現だと思います。
ただ、それは単なる結果に過ぎないのかもしれません。
漱石がそこまで意識していたのか、漱石にとって自然な日本語を使っただけなのかは、私レベルでは分からないです。
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