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物理のエッセンス電磁気の例題です。RLC直列回路で電流計での値と、抵抗の電圧計での値が与えられています。この時のコイルの両端にかかる電圧、コンデンサーの両端にかかる電圧、抵抗+コイル+コンデンサーの両端にかかる電圧などを求める問題です。この例題の解答とコメントに対して、自分がどこまで正しく理解しているかわからなくなりました。

1.直列回路だから、どこに流れる電流も電流計での値の電流になる。→わかります。
2.コイル単独、コンデンサー単独にかかる電圧は、それぞれのリアクタンスと電流値からオームの法則で求める。→わかりますが、突き詰めて考えるとあやしくなってきました。
3.抵抗+コイル+コンデンサーにかかる電圧は、3つの電圧をそのまま足さずにインピーダンスと電流値から求める。→最初は、わかったつもりでした。でも次のコメントで疑問がわきました。

コメント1:「瞬間の電圧なら、部分の和は全体に等しい。」
コメント2:「実効値は最大値につながる量だから、3つの部分の電圧は同時には最大にならない。」

今、電流値は電流計で計った実効値だから、抵抗以外は電流の実効値と電圧の実効値を示す時刻はずれますよね?だから、コメント2の方は、理解できていると思います。

問題はコメント1の方で、これは「電流値を実効値のような定数にせず、I=I0sinωt のように時刻tの変数として扱って、それぞれの部分でも電圧を時刻tの変数(cosωtが入りますね)で表すと、同じ時刻tでの全体の電圧は、スカラー和で表される」という意味になるのですか?
オームの法則で求めたコイル単独、コンデンサー単独にかかる電圧は、実効電流が流れた瞬間の電圧じゃなくて、時刻がずれた実効電圧のことなんですね?容量リアクタンスも誘導リアクタンスも定数なのに、どこに時刻がずれる要素が入っているんですか?疑問だらけなので、正しい考え方を教えて下さい。

A 回答 (3件)

「交流電気」の基本的なところですね。



 たとえば、一般家庭の 50Hz (西日本なら 60Hz)の電源に「電流計」や「電圧計」をつなぐと、「1秒間に50回(あるいは60回)上下する指示を示す」と思いますか?

 いいえ。指示値は「一定の実効値」を示します(計測器自体がそういう指示をするように作られているはず)。定常的な回路であれば、電流、電圧の指示値は時間によって変化せずに一定値を示します。
(「1秒間に50回(あるいは60回)上下する指示」だったら、読み取れません)

 ご質問は、交流として「正弦波(sin, cos)」で表される式(瞬時値)と、この「実効値」との関係のことだと思います。

 当然、各「瞬間」については、1秒間に50回(60回)で電流、電圧が変化していて、その瞬間ごとに「オームの法則」や「直列・並列」が成り立ちます。それが教科書に載っている「sin(ωt) 」の式です。
 でも、時々刻々変化していますからとても追いきれませんし、そのままでは計測器に表示できません。

 ここで、「商用電源」のように「周波数」「電圧」が一定であれば、「時々刻々」に変化しても、それは「周期的な関係」(単なる繰り返し)になりますから、その共通的な「特徴」を代表して表せば、いちいち「時々刻々」に表す必要がなくなります。それが「実効値」です。

 周波数や電圧が一定ではない、たとえば「音声波形」や「ノイズ」などを扱う場合には、「実効値」という考え方は使えません。こういった場合には「周波数解析」とか「フーリエ変換」といった別な手法を使います。
 また、「周波数、電圧一定」の電源であっても、電源投入直後や短絡時などの「過渡変化」時には「実効値」は使えません。「実効値」が使えるのは「周波数、電圧一定」かつ「定常状態」のときです。

 ただし、やっかいな問題があって、コンデンサーやコイルを含む回路では、電流と電圧とはピークが一致しない、つまり「位相差」が生じます。
 この位相差とは
   cos(ωt) = sin(ωt + パイ/2)
   -cos(ωt) = sin(ωt - パイ/2)
と書いた時の「+パイ/2」「-パイ/2」で、sin(ωt) を基準にした時の「角度」のズレということです。この位相差は負荷の種類(抵抗、コンデンサーやコイル)によって異なりますが、接続構成(直列や並列)が決まれば「一定」になります。(「位相差」は「電圧と電流のピークの差」なので、電流から見るか、電圧から見るかで±の言い方が逆になるので要注意です)
 コイル単独なら「+パイ/2」、コンデンサー単独なら「-パイ/2」と単純ですが、混在していれば「-パイ/2 ≦ φ ≦ +パイ/2」のどこかにある「φ」になります。

 この「位相差:φ」は、下記のサイトのように「sin、cos の加法定理」を使って計算できますが、いちいちこんなことをやっていては大変です。
http://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/elec/koukairo/ …

 これを解消するため、「高校物理」には出てきませんが「複素平面上のベクトル」である「インピーダンス」という考え方を導入します。高校物理に出てくる「リアクタンス」は、この「複素数によるインピーダンス」の「絶対値(ベクトルの長さ)」に相当し、「位相差(ベクトルの偏角)」は考慮していません。
 この「インピーダンス」を使えば、「電流、電圧の実効値」との間に「オームの法則」に相当する関係成り立ちます。電流、電圧自体も「複素数」になりますが、相互に直接加減乗除計算ができるようになります。

 残念ながら、高校物理ではこの「複素数によるインピーダンス」は出てこないので、電圧と電流の関係を簡単に表したり、各電圧の実効値同士を足し合わせることができません。


 という長い前置きをして、質問への回答です。

>問題はコメント1の方で、これは「電流値を実効値のような定数にせず、I=I0sinωt のように時刻tの変数として扱って、それぞれの部分でも電圧を時刻tの変数(cosωtが入りますね)で表すと、同じ時刻tでの全体の電圧は、スカラー和で表される」という意味になるのですか?

はい。瞬間の値はそれで計算できます。ただし、sin, cos の複雑な「加法定理」での計算が必要になります。

>オームの法則で求めたコイル単独、コンデンサー単独にかかる電圧は、実効電流が流れた瞬間の電圧じゃなくて、時刻がずれた実効電圧のことなんですね?容量リアクタンスも誘導リアクタンスも定数なのに、どこに時刻がずれる要素が入っているんですか?

 「実効電流」は「時々刻々周期変化する電流の平均値」みたいなものですから、「実効電流が流れた瞬間」というのはありません。
 「時々刻々変化する電流」と「時々刻々変化する電圧」のピークの時間が異なるので、その平均値である「実効値に相当する電流が流れた瞬間」と「実効値に相当する電圧となった瞬間」が同時ではない、ということです。
 なので、「実効値」を使って単純に「足し引き」や「オームの法則」は使えないということです。

 この「実効値に相当する電流が流れた瞬間」と「実効値に相当する電圧となった瞬間」とのズレである「位相差」(これはつまり「電流と電圧のピークの瞬間の差」と同じです)は、コンデンサーやコイルの性質に起因します。
 コンデンサーは電気をためる(電流の蓄積)で電圧を発生しますし、コイルは「自己誘導」によって電流が流れるのを妨げます。

コンデンサー
http://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/elec/koukairo/ …

コイル
http://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/elec/koukairo/ …

 sin、cosの「1周期」つまり ωt=2パイ が 50Hz なら 1/50秒=20 ms の時間ですから、「位相差:φ」は 20 ms × φ/2パイ の「時間差」になるわけです。
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この回答へのお礼

こんにちは。とても詳しいご回答ありがとうございました。
インピーダンスとは複素平面上のベクトルのことなんですね!教科書にそれらしい図がありますが気が付きませんでした。

お礼日時:2017/10/14 15:02

>2乗平均値をとるためのある期間が必要なのではないのでしょうか?



現実のメータは数秒間くらいの平均の平方根でしょうね。

>問題では、電流計は2Aを示している、と書かれているのですが、
>これは電流計を見た瞬間の値ではないのですか?

そんなメーターどうやって使うんですか?

50Hzの交流なら針やデジタル表示がブンブン飛び回って
見えないと思います(^^;

瞬時値見るならオシロスコープですね。
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この回答へのお礼

再度のご回答、ありがとうございました。
なるほど、言われてみれば瞬間値を表示したらブンブンしますよね(笑)

お礼日時:2017/10/14 15:05

>実効電流が流れた瞬間の電圧じゃなくて、



実効電流とは、電流の「2乗平均値」の平方根のことです。
実効電圧も同じ。

「平均値」とは波の一周期で平均をとるという意味です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
実効電流が電流の2乗平均値の平方根なんですね。だとすると、2乗平均値をとるためのある期間が必要なのではないのでしょうか?問題では、電流計は2Aを示している、と書かれているのですが、これは電流計を見た瞬間の値ではないのですか?それとも交流電流計では、瞬間の値ではなく、過去一周期分の電流値を記憶していて、その間の2乗平均値が表示されているのですか?

お礼日時:2017/10/13 09:56

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