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緊急独占取材!話題の「酔うと化け物になる父がつらい」菊池真理子インタビュー

緊急独占取材!話題の「酔うと化け物になる父がつらい」菊池真理子インタビュー第一話の公開から大きな話題を巻き起こした漫画「酔うと化け物になる父がつらい」。「教えて!gooウォッチ」でも「話題騒然!かわいい絵柄で衝撃の実体験を描く『酔うと化け物になる父がつらい』」としてこの漫画を紹介したが、作者の菊池真理子先生とはどのような人物なのだろうか? アルコール依存症の父のもとでの子ども時代を生き抜いた菊池先生に、独占インタビューを行った。

――「酔うと化け物になる父がつらい」第一話が大きな反響を呼んでいますが、作者としての感想はいかがですか?

菊池真理子先生(以下、菊池):公開の時期にちょうど中国に取材に出ていて、日本に戻ってから反響の大きさに気づき、今でも信じられないような気分です。まさか自分の人生にこんなことが起こるなんて、思ってもみませんでした。

■実は父がアルコール依存症だと気づいたのは最近なんです


――多くの読者さんから感想が寄せられていると思いますが、特に印象に残ったものがあれば教えてください。

菊池:どれも印象深いのですが、驚いたのは、私と同じような経験をされたという方がたくさんおられたことです。「私も父・母がアルコール依存症です」という体験談がたくさん寄せられていて、お若い方たちからが多かったのですが、皆さん私に比べるとしっかり依存症のことを把握してらっしゃるんです。共感するとともに、みんなすごいな、と。私、実は父がアルコール依存症だったのではないかと気づいたのは、最近のことなんです。

――えっ!? 漫画だとあんなにひどい酔い方なのに!?

菊池:はい。たしかにひどいんですが、お酒を飲むとああなるものだよなと思っていたので……たまたま取材で、アルコール依存症のセミナーに参加させていただいて、初めて「もしかして父はアルコール依存症だったのかも」と気づいたんです。それが第一話公開前に描いた予告漫画になりました。

アルコール依存症セミナーを取材した予告編。これが連載のきっかけになった。

――ご自身の体験を漫画にしようと思ったきっかけというのも、アルコール依存症について知ったことがきっかけなのでしょうか。

菊池:いつか母のことを書きたいという気持ちは以前から持っていました。それまでは、我が家の問題は、母が宗教にはまっていたことだったと思っていたんです。でも、アルコール依存症という病気について知ってから、「ああ、そういうことだったんだ」と、いろいろなことが腑に落ちていきました。そうしたら、これは描けるかもしれないと思えるようになって。今は、当時のことを整理しながら、漫画にしていっている状態です。

――非常にインパクトのある第一話でしたが、今後の展開はどうなっていくのでしょうか?

菊池:物語としては、私自身に焦点を当てていく形になります。これからある人物とつきあうんですが、その人がなんとアルコール依存症で……という展開です。

2話からは、母を亡くした中学生の真理子に焦点が当てられる。

――ううっ! さらに悲惨な展開が目に見えるようだ……実際のお話は公開中の2話以降をお読みいただくとして、菊池先生に「教えて!goo」に寄せられたアルコール依存症についての質問に答えていただきましょう。

■両親に離婚してほしいと願っていました


――まず、旦那さんがアルコール依存症だという女性の方から。アルコール依存症の人と一緒に子育てをするべきではないのでしょうかという質問です。アルコール依存症の男性との間に子どもをつくったことを強く後悔されているようなのですが、菊池先生の体験からすると、どのように感じますか? 菊池先生は、お母様を亡くされてらっしゃるわけですが……。

菊池:私は子どものころ、父と母が早く離婚してほしいと思っていました。母が近所の優しいおじさんと不倫して、今の父と別れてしまえばいい。そんな風にすら思っていたんです。結果として母は亡くなりました。そうなってしまってからでは、すべてが遅いんです。



――もう一つお聞きしたいと思います。先生と同じ、アルコール依存症のお父様をもつ方から。自分が依存症だという意識がなく、治療を拒否する父を、どう家族で支えたらよいのでしょうかという質問です。

菊池:これもつらい選択ですが、私はお父様と距離を置かれるべきだと思います。私も母も、父と離れることができませんでした。今になって依存症について勉強すると、自分や母が「イネイブラー」だったのではないかと思えてしまうのです。「イネイブラー」とは、世話を焼く人という意味で、依存症治療においてはこうした人の存在が、かえって依存を強めてしまうことがあるのだそうです。それに、アルコール依存症の人との暮らしは、簡単に耐えていけるようなものじゃありません。アルコール依存症の方の多くがそうであるように、このお父様も、やがて体を壊される確率が高いと思います。そうなったとき、投稿者の方は、介護や金銭的な支援をする時に、必要以上の苦しさを感じてしまうかもしれません。

――お父様との生活で特につらかったことというのは、どんなことなのでしょうか?

菊池:私の場合、「殴られた」といった強い一度の経験よりも、日常そのものの恐怖が強く思い出されます。父が帰ってくる音が聞こえると、平穏な時間が終わってしまう、と
瞬間、気持ちが凍りつくんです。スイッチが切り替わるみたいに。父はもう亡くなりましたが、死んだ父が今、家に帰ってきたとしたら、自分はどう思うかなと想像すると、その瞬間、当時の気持ちがよみがえりました。ああ、自分は今も同じ反応をするんだなって思います。まだ恐怖が消えていない。ずっと一緒に生活していくって、そういうことなんです。

中学生の真理子にこれからどんな闇が待っているのか。

■世の中のアルコールへの見方を少しでも変えていけたら


――つらい記憶にもかかわらず、質問にお答えいただき、ありがとうございます。最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いいたします。

菊池:夜、街を歩いていると、酔って大騒ぎしたり、他人に絡んだり、道端で嘔吐していたりと、泥酔している人を見かけることがあります。たぶんその人は、周囲で一緒に飲んでいる人たちからすると、「楽しい人」なんです。でも、その人が家に帰った時に、もしかしたら家族の生活を壊しているかもしれない。そうして、一度アルコール依存症になってしまえば、病院に行っても治る人は100人に1人。日本は酔っ払いにとても寛容な国ですが、その先にいる家族のことを想像すると、本当にこれでいいんだろうかと思うんです。「お酒くらい飲めないと仕事ができない」「飲みに行かないと付き合いが悪い」っていう見方もまだなくなっていません。そういう世の中のアルコールへの見方を、少しでも変えられたら。そう思って、今、漫画を描いています。

――ありがとうございます。菊池先生の「酔うと化け物になる父がつらい」は、チャンピオンクロスで連載中。ぜひ皆さんもこの機会に読んでみてください。

菊池真理子『酔うと化け物になる父がつらい』(チャンピオンクロス)


●漫画家:菊池真理子 ●漫画家:菊池真理子
自身の体験をもとにアルコール依存症の父との壮絶な生活を描く「酔うと化け物になる父がつらい」を、チャンピオンクロスにて絶賛連載中。

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