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抗がん剤は改良され副作用が軽減されたと聞きましたが、具体的にどのようなものですか?
詳しい方よろしくお願いします。

A 回答 (2件)

化学療法となる抗癌剤のほとんどは、細胞の代謝を阻害し細胞死となる劇薬であり、盛んに増殖する細胞がその毒を取り込んで死ぬことをねらった薬剤です。


盛んに増殖する細胞といえば癌細胞もそうですが、胃などの粘膜細胞や毛根細胞、そして白血球や赤血球を作る骨髄の造血細胞などです。
これらの細胞も死ぬため、吐き気が起き、脱毛が生じ、骨髄抑制により白血球や赤血球も減少します。それが俗に言う抗癌剤の副作用です。

要は細胞毒による細胞破壊ですが、その種類として次のものがあります。
●細胞のDNAの働きを阻害することで、癌細胞を殺し増殖をおさえようとする劇薬の抗癌剤が古くからあります。
⓵ドイツの毒ガスの材料から来るナイトロジェンマスタードの誘導体によるアルキル化剤
②プラチナ(白金)製剤 としてのシスプラチン、カルボプラチンなど
③植物アルカロイド としての喜樹という植物からの劇薬としてイリノテカン、イチイ科植物からのパクリタキセル。その他ドセタキセル、ビノレルビンなど
④DNAの合成に必要な酵素を阻害するものとしてテガフール系(5-FUやTS-1)、メトトレキサート、ゲムシタビン(ジェムザール)など
⑤抗生物質でDNAの合成を阻害したりするものとしてマイトマイシンC、ブレオマイシンなど・・がありますが、
いずれも強い副作用が起きます。

その副作用を少なくする研究がなされ、
●癌細胞の増殖には酵素や細胞内に情報を伝えるための受容体を必要とすることから、これらの働きを阻害する以下の抗癌剤が開発されています。
⓵ホルモン剤として、乳がんや前立腺がんなど性ホルモンにより増大するがんに対してホルモンの作用を阻害する タモキシフェン 、リュープロレリン 、アナストロゾール などが劇薬にはなりますが特定の癌で使われます。
また、
②分子標的薬と言う癌細胞表面のタンパク質やがん細胞増殖に必要な酵素を特異的に攻撃することで抗癌作用を発揮するものとしてゲフィチニブ(イレッサ)劇薬、イマチニブ(グリベック)劇薬、トラスツズマブ(ハーセプチン)などが開発され使用されています。
分子標的薬の名称は〜マブと〜イブがあり、「〜マブ」はモノクローナル抗体製剤につける語尾で、「〜イブ」は 低分子化合物製剤につける語尾です。

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そして近年、免疫の観点から、癌細胞が持つ分子(PD-L1)が癌細胞を攻撃しようとしているキラーT細胞の分子(PD-1)に結合し、抑制信号をだして攻撃させなくしていることが解り、PD-1を阻害する抗体薬としてオプジーボ(ニボルマブ)が開発されノーベル賞も得ました。これは免疫療法として報じられていますが、PD-1阻害薬で免疫全体を活性化する免疫療法ではありません。
 (添付しました図はPD-L1を持つ癌細胞がキラーT細胞を抑制している図です)

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広い意味での抗癌剤は以上のような流れで、それらを単独または併用で使用されています。
しかし、未だ治癒が得られるところまでは至っていません。
イレッサがおよそ1年、オプジーボが1年と少しですし、いずれも白血球減少という副作用が軽度と言えどもあります。
白血球が少しでも減少するようなものは最終的には治癒は得られません。

癌を駆逐し治癒するためには、毒性で殺すのではなく、健全な白血球が活性化し続け、癌細胞を異物として認知し排除し続ける免疫療法でなければなりません。
「抗がん剤は改良され副作用が軽減されたと聞」の回答画像2
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
とても丁寧な説明で具体例なども挙げていただき、素人ながらも核となる部分がわかった気がします!ありがとうございます。

お礼日時:2018/12/22 16:47

多岐にわたるので全部は説明できませんが、



一つだけ簡単に言うと、
①標的細胞を狭め、
②他の健全な細胞には作用しない
薬にする、
というようなことをやっています。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
標的細胞を狭めることによって髪の毛が抜けにくくなったりするということでしょうか?
素人なので見当違いのことを質問していたらすいません。

お礼日時:2018/12/21 21:20

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