街中で見かけて「グッときた人」の思い出

タキオンについて調べていましたら「エネルギーと運動量が実数なら静止質量は虚数となる」という一節がありました。生まれつき文系ですので意味が全くわかりません。どなたか中学生レベルにまで噛み砕いて、この一節の内容を教えていただけますか?
よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

数式を一つだけ使わせて下さい.


相対論によると,次の式が物理学的な事実として成り立ちます.

E^2 - c^2 p^2 = m^2 c^4 ......... (1)

Eはエネルギー,pは運動量,mは物体の静止質量,cは光の速度です.^2は2乗を表します.(2乗は中学で習いますよね...?)
もし物体が止まっているなら,運動量はp=0となり,上の式は

E^2 = m^2 c^4

となり,2乗をとると

E = m c^2

という有名な式になります.

さて,もしエネルギーと運動量が実数なら,(1)の左辺は
実数-実数ですから,虚数にはなりません.プラスか,マイナスか,ゼロかのどれかになります.

(1)の左辺がプラスになるのは,物体が光の速度よりも遅く動いている時です.c^2 p^2がE^2より小さいので,E^2-c^2 p^2を計算するとプラスになります.すると右辺もプラスとなるので,質量mは実数で何の問題もありません.

もし物体が速度を上げていくと,運動量pはどんどん大きくなってE^2-c^2 p^2はどんどん小さくなります.そして速度が光の速度になると,E^2 - c^2 p^2はゼロになってしまいます.すると光の速度は不変なので,左辺がゼロということで右辺もゼロになるためには,質量mもゼロでなければなりません.

タキオンの場合,速度は光の速度よりも大きいです.すると,運動量pが物凄く大きいので,E^2 - c^2 p^2を計算するとマイナスになります.すると左辺がマイナスということで,右辺もマイナスになるためには,質量が虚数にならざるを得ません.

イメージとしては,こんなとこです.
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この回答へのお礼

tomtom様 ご回答ありがとうございます。
ご説明の中身はよくわかりました。
「質量が虚数にならざるを得ません」よね・・・。
今度は”質量が虚数”のイメージが掴めなくなりました^^;
宇宙の果てを見てみたいという思いからタキオンまでたどりつきましたが、なかなか宇宙の果ての答えにはたどりつけませんね。
このたびは、本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/03/11 19:53

まさにtomtomさんの言うとおりです。


だから、相対性理論が正しくて、タキオンが存在して、エネルギーと運動量が実数ならば、タキオンの質量は虚数になります。
タキオンの質量が虚数でないならば可能性として、
相対論がこの範囲では間違っている
タキオンは存在しない
タキオンのエネルギーか運動量は実数でない
が考えられます。

科学で~~論が正しいというのは、あくまでも実験で裏付けられた範囲のサイズや時間でしか正しくありません。
たとえば、ニュートン力学は、原子といったあまりにも小さいものや恒星と恒星の間の力を説明できません。それでも、月の満ち欠けや彗星の軌道、大陸間弾道弾から野球のカーブまで説明できます。
相対論も、原子の運動を説明できませんが、ニュートン力学の説明できることに加えてブラックホールからGPSの時計の遅れまでを説明できます。
量子論は、GPSの時計の遅れのことを分かりませんが、ニュートン力学の説明できること以外にコンピュータの動作原理すらも説明できます。

タキオンがどうこうというのは、見つかっていませんから実験できる以前です。
だから、とりあえず光速といった速いものを扱える相対論がこの領域でも正しいと"仮定"してそうしたら何が起きるかを考えています。
だから相対論がこの範囲で誤っていればいくらでもわけの分からない結果がでてきます。

もちろん、人間がいままで認識してきた質量というナイーブな概念がタキオンの質量を突き詰めることによって、もっと理論的にすっきりしている新しい概念に生まれ変わるかもしれません。
エネルギーだって、もともとは活力とかいう意味ですよね。
動いているものはハッスルして「う~ん」というものがあるから動いているんだ、という考え方だったでしょう。この「う~ん」が物理学によって、ある数式で表せばどうやら保存するようだといったようなことが分かり、これを改めてエネルギーと呼ぶことにしましました。
エネルギーって何と聞かれたときに『「う~ん」って奴だよ』というよりも『動いているものは運動エネルギーを持っていてそれはm*v^2で他に位置エネルギーがあって……。しかもそれに和は保存するんだよ』というほうがずっと世の中を分かってますよね。

実験もできないのにタキオンを物理学者の一部が考えているのはこういうことだと思います。
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この回答へのお礼

nucomewl様 ご回答ありがとうございます。
どのご回答を読んでもただただ”ふむふむ”とうなづくしかない自分のレベルの低さを痛感してます。
もっと、勉強します^^
ありがとうございました。

お礼日時:2005/03/11 23:52

>「質量が虚数にならざるを得ません」よね・・・。



「何物も光速を越えられない」とする相対論の結果(途中で質量が∞となる)なのに,
それを「光速以上の運動」に当てはめようとする時点で,
理論の適用範囲を逸脱していると思います.

ちまたあふれるタキオンの説明には,このような理論のあてはめに
根拠のないものが非常に多いのでご注意下さい.
だいたい,
「エネルギーと運動量が実数なら静止質量は虚数となる」
打ち間違いなら良いのですが,そうでなければこのページ全体の信頼性に
関わるほどの「しょうもない間違い」です.他に記述があって,
それから求まることなのかも知れませんが,少なくとも,
我々の日常,物体の運動はエネルギーも運動量も実数で,
且つ,静止質量も実数です.

光速以上には相応の理論が必要でしょう,
それを光速以下の特殊な場合について解くと相対論が導出されるような理論です.

そうでなければ,
「光速以上でも相対論が成立すると仮定する」
と言う一文が欲しいところです.
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この回答へのお礼

First_Noel様 ご回答ありがとうございました。
いろいろな切り口のご回答があるのですね。
私が見たページには「エネルギーを失えば失うほど加速していくという性質を持つ」というこれまた大変興味深い一節もありました。
理解はできないのですが、たいへんわくわくする世界ですね。
ありがとうございました。

お礼日時:2005/03/11 23:40

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