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いくつかの物質で粉末X線の測定結果を出したところ、2θの値は同じところにピークが表れたのですが、回折強度のピークが値が異なるというのは、何を意味してることになるのでしょうか?
また2θの重要性はわかるのですが、回折強度の値から得られる情報はあるのでしょうか?

A 回答 (2件)

相対強度がおかしいということでしょうか?


それは一番多く考えられる原因はサンプルの詰め方、すり潰し方の問題です。
その他にスリットの問題もあります。
例えば装置のDS,SSが可変であったりすると
固定のものと比較して、広角側のピークが大きくなったりします。

また、2θにあわせて相対強度を考えると、
その結晶の構造の情報が分かったりします。

例えば
岩塩型(NsCl型)の場合観測される強度Iは
構造因子Fと言うものを計算すると分かるのですが、

hklが全て偶数の時、I ∝ (f- + f+)^2
hklが全て奇数の時、I ∝ (f- - f+)^2
hklが偶奇混合の時、I = 0

のように表されます。

原子散乱因子f(ここではf- とf+)を考慮してやれば、
それぞれの面での相対強度を計算で出してやる事ができます。
逆に言えば相対強度の情報から、
どのような構造か考える事ができるようになるのです。
(色々なケースがあってそれを洗い出すのはものすごく大変ですが(笑))
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複数のX線回折ピークの相対強度が、X線データベースなどの値と異なるのは何故か?という質問でしょうか?


粉末X線回折データベースに記載されている相対強度は、完全にランダムに結晶粒子が向いている(無配向)場合の値です。
従って、その中で特定方向の面からの回折強度が強ければ、その面が有る程度試料基板に平行に揃っている(配向している)ことになります。
もし、試料が粉末なら、単純に試料をホルダーに詰め込む過程で多少配向してしまったのでしょう。
試料が、薄膜などの場合には、その特定の格子面が優先的に基板に平行に成長しやすい傾向が有るという情報になります。
また、合金などでは、有る元素が規則正しい格子位置に入る物(規則合金)と不規則に混じっている物(不規則合金)の両方が生成するケースが有ります。この場合には、規則合金にしか出ないピークが有り、そのピーク強度によって合金の規則度を評価することが出来ます。
 化合物などでも超周期構造を持つ場合には、同様の評価が出来ます。
 他に、化合物や合金では、組成ずれや格子欠陥もピーク強度に影響を与えるので、その評価に使えることも有ります。
 このような強度評価をさらに高度にした手法に、リートベルト解析法とういうものが有ります。不純物のない試料を、丁寧に測定して(S/N比良く)良質な測定結果を得た後、結晶モデルとX線回折結果(強度とピーク位置)を繰り返しシミュレート計算することで、かなり精度良く各構成原子の位置を決定することが可能になります。
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