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 明治、大正、昭和、平成という時代と共に様々な政策や出来事により物価が上昇してきたように思います。昔の小説には○銭ですとか、給料100円というような記述もあったように思います。この上昇の一番の原因はマネーサプライの増加かと思います。実質GDP成長率と生産性の向上分はマネーサプライを増加させてもインフレは起こらないと教科書には書いてあるのですが、逆にマネーサプライを増加させずに物価を下げるというのは、なぜ行なわれないのでしょうか?流通するマネー量を低く抑えれば、商品に対する限られた貨幣の相対的な価値が上昇するため、給料は上がらないかまたは下がるけれども、物価も低水準となり、特に問題は起こらないのでは?などと素人ながら思ってしまいます。どなたか教えていただけると嬉しいです。

A 回答 (1件)

> この上昇の一番の原因はマネーサプライの増加かと思います。



間違いです。
戦前との物価の比較は、戦後すぐに貨幣単位が変更になったため、あまり意味をなしません。
データが比較的容易に取れる1970年代頃からのことを考えれば、物価は大体 3 倍程度になります。この時期、マネーサプライが大きく伸びたのは確かですが、データをより詳しく見てみると、例えば1985年から1989年までは物価はほとんど横這いですがマネーサプライは1.5倍ほどに増えております。1993年から2003年までも同様のことがいえます。

したがって、物価上昇はマネーサプライの増加とはあまり関係がないといえそうです。


> マネーサプライを増加させずに物価を下げるというのは、なぜ行なわれないのでしょうか?

流通通貨量が少なすぎれば、利子率が上がるために投資が低く抑えられます。すると結局、適正な量の通貨を発行して物価が上昇した場合よりも実質GDPは低くなるかも知れません。
一方で人々は、利子率が高いので消費を抑えるでしょう。このために需要が減るのでデフレに陥りやすいのです。

120年~130年ほど前の金本位制の末期に起こったデフレが良い例ですが、デフレになったときに打つ手はきわめて限られています。端的に言ってしまえば、政府の取れる手段としては量的な緩和をするか、物価を上げるほどの政府支出をするかの何れかです。金本位制の時は量的緩和が出来ず、結局、第一次世界大戦を行って脱却しました。

参考URL:http://www.stat.go.jp/data/chouki/index.htm
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この回答へのお礼

お礼が遅くなってしまいました、申し訳ありません。とても重要な回答をして下さいました。
>物価上昇はマネーサプライの増加とはあまり関係がないといえそうです

 これは驚きでした。インフレの原因は過剰通貨供給によるディマンドプルなど複雑な相乗効果という説がありますが、ディマンドプルを招かない程度なら供給しても問題ないという事になりそうです。私にはまだ直感では理解できませんが、事実と思います。

>利子率が上がるために>需要が減るのでデフレに陥りやすいのです

これもなるほどと唸りました。さすがですね、大変参考になりました。

お礼日時:2006/03/01 16:18

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