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砂川の本にBは軸性ベクトルでEは極性ベクトルと書いてありますが
何でBは軸性ベクトルなのかを書いていません

何でBは軸性ベクトルなのでしょうか?
何でEは極性ベクトルなのでしょうか?

よろしくお願いします

A 回答 (7件)

根本的な問題ですね。

うまく言える自信がありませんが、叩き台的に書きます。

ベクトル量の鏡映対称の変換の規則の問題ですが、これは単にあるベクトルを眺めていて決められるものではなく、色々な物理量ベクトルの物理的相互関係により判断することになります。鏡映したときに、物理的に起こることが同じになるような変換則を採用するわけです。

出発点となる拠り所は実空間の位置概念です。鏡像の世界を考えると、あらゆる物の配置が鏡映されますから、位置・変位ベクトル、続いて定義されていく速度、加速度、力、さらに派生する、電流、クーロン電場などは、正に図形としての矢印のように、各点の位置といっしょに鏡映して考えればいいことが確信されます。これらが極性ベクトル(普通のベクトル)です。

ところが、例えば環電流の内側に発生する磁束密度Bの向きは、電流の回転の向き(右巻きか左巻きか)で決まります。鏡映によってこの右巻き左巻きが逆になりますが、対するBの向きはどうでしょう。これをイメージするのには、(右ネジの法則を考えるとき使う)手の(人指~小)指の巻く向きとそれに垂直に立つ親指の向きで考えるといいでしょう。親指の先を向かい合わせるように、あるいは、両親指を上に向けるように、両手を鏡像の位置に置いてみて下さい。これが図形的な鏡映関係ですが、親指の向きをBの向きと考えると、右手は右手の法則、左手は左手の法則になってしまい、鏡像の世界で電磁気の法則が成立ちません。鏡像の環電流をつくっても、そこでもやはり右手の法則でBの向きがきまるように考えなければならないのです。このとき、Bは図形としての矢印を鏡映したような変換にしたがいません。このBのようなベクトルが軸性ベクトルです。

こうしたことは、磁束(密度)が、電荷運動や電場の回転に対応づけられる量であることに起因して起こります。ます。一般に、極性ベクトルの外積(あるいは回転)で定義されるベクトルは、軸性ベクトルになります。

この回答への補足

砂川の空間座標の反転の節で
座標をの各軸の方向を逆に取った場合
元の座標をr≡(x,y,z)として
反転座標をr’≡(x’,y’,z’)として
座標はr’=-rとなるが
電界はE’(r’,t)=-E(r,t)となり
磁界はB’(r’,t)=B(r,t)となる
と書いてありますがどうも説明がしっくりしません

どうか分かりやすく説明してください

補足日時:2002/01/22 01:33
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私としての説明は一応終えたつもりなので、お手元の教科書の流儀で軸性ベクトルを再説明することは控えます(というよりできません)。



だだ、補足に関連して、定評ある教科書にもしばしば見られる誤解のもとが前から気になっていますので、そのことを少し、、

鏡映変換は、例えばx-z面を対称面にしたとき、(x,y,z)→(x,-y,z)となる変換です。
これに対し、(x,y,z)→(-x,-y,-z)という変換があります。これを反転またはパリティ変換と言います。パリティ変換は、さらに180度の回転を行うと、鏡映変換になります。右手系が左手系に移るという意味では、鏡映変換とパリティ変換は同種のものです。

ここからは私の憶測を含む話です。パリティ変換は、対称面の選び方が複数あるという煩わしさを伴わないので、数学的な扱いが、鏡映の場合よりむしろすっきりするようです。そこで、右手系-左手系の変換の話では、パリティ変換の方が引き合いに出されることも多いです。人によっては、「パリティ変換」と「鏡映」を全く区別せずに使っていて、初学者に誤解を与えています。

そんなわけで、本来、鏡像の世界での物理現象を考えるべきところで、(x,y,z)→(-x,-y,-z)の変換が出てきてしまうのです。こういうときは、y軸の回りに180度回した座標系にもどして、図を書きながら考えてみると、理解できると思います。
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hagiwara_m さん:


> パリティ変換は、対称面の選び方が複数あるという煩わしさを伴わないので、
> 数学的な扱いが、鏡映の場合よりむしろすっきりするようです。

私もそう思います.
hagiwara_m さんの例の,x-z面を対称面にしたとき (x,y,z)→(x,-y,z) となる鏡映変換ですと,
例えば(0,2,0) という位置ベクトルは
(0,-2,0) と変換されて符号が変わり具合がいいのですが,
(2,0,0)ですと(2,0,0)に変換されて同じになってしまいます.
もちろん,ベクトルの方向と垂直な面を鏡映面に選ばないといけないわけで,
(2,0,0) に対しては y-z 面が鏡映面になります.
(1,2,3) だったら,もっと複雑な鏡映面になります.

これに対して,空間反転 (x,y,z)→(-x,-y,-z) で話をすると,
ベクトルによって鏡映面を変えるような煩わしさはありません.
空間反転で符号を変えるベクトルが極性ベクトル,符号を変えないのが軸性ベクトルです.

やはり位置ベクトルが基本で,hagiwara_m さんが書かれているように
速度,加速度,力,電流,クーロン電場,
とたどってゆけばこれらは位置ベクトルと同じ変換性を持っていることがわかるでしょう.

一方,磁場はループ電流などからわかりますように,

 ┌──>──┐
 │     │
 │     │
 ∧  ×  ∨
 │     │
 │     │
 └──<──┘

の時にループ電流内部の磁場を面に垂直向こう向き(×印)とするのは
自動的に決まるわけではなく,
右ねじ関係といういわば約束によるものです.
こういう類の量は軸性ベクトルです.

力学での軸性ベクトルの代表は角運動量です.
回転運動に対して,それを特徴づける量を軸方向のベクトルにするのは
なかなかうまい方法ですが,そう選ばないといけない必然性
(位置ベクトル,速度ベクトルみたいな)があるわけではありません.
こういう意味で,軸性ベクトルは本来の自然的ベクトルではないので
「擬ベクトル」ということもあります.

角運動量のベクトルの成分は
L_x = y v_z - z v_y = y(dz/dt) - z(dy/dt)
ですから,空間反転に対して符号を変えないのは明らかでしょう.

この回答への補足

もし軸性ベクトルが嘘のベクトルであって人工的に決めたベクトルであるなら
r≡(x,y,z)としr’≡(x’,y’,z’)としr’=-rとして
B’(r’,t)=-B(r,t)と決めた場合どんな不都合がありますか?

B’(r’,t)=B(r,t)は約束事であって本質的なことではないと言うことですね?

よろしくお願いします

補足日時:2002/01/23 03:38
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siegmund です.



> もし軸性ベクトルが嘘のベクトルであって人工的に決めたベクトルであるなら
> r≡(x,y,z)としr’≡(x’,y’,z’)としr’=-rとして
> B’(r’,t)=-B(r,t)と決めた場合どんな不都合がありますか?

人工的にどういう風に決めたかで,変換性が決まります.
前の角運動量の例を見てください.
L_x = y v_z - z v_y = y(dz/dt) - z(dy/dt)
と決めたら,位置ベクトル,速度ベクトルの変換性から
角運動量ベクトルの変換性が決まってしまいます.

Bも,電流素辺 I ds が場所rに作る微小なBが
dB(r) = (μ_0 I/4π |r-s|^3) ds×(r-s)   r,s はベクトル
というように決めていますので(ビオ・サバールの法則)
位置ベクトルのr,sの変換性から,dB が軸性ベクトルになることは
すぐわかります.

> B’(r’,t)=B(r,t)は約束事であって
> 本質的なことではないと言うことですね?
Bを人工的に決める方式まで含めて約束事というならそうでしょう.
でも,どういう風に人工的に選ぶかが決まったら,
上の議論のように変換性(極性か軸性か)は決まります.

回転運動を特徴づけるベクトルを極性ベクトルになるように選ぶということは
たぶん可能なのでしょうけれど,すっきりした形にはなりそうもありませんし,
規約をいろいろ作らないといけないような気がします.
やはり,回転運動のベクトルは回転軸方向に選び,
大きさで回転の程度を表すのが最も単純なように思います.
こうすると,必然的に軸性ベクトルになってしまいます.

hagiwara_m さん:
> 人によっては、「パリティ変換」と「鏡映」を全く区別せずに使っていて、
> 初学者に誤解を与えています。
たしかにそういう例はありますね.
私は hagiwara_m さんと同じく,区別して使っています.

この回答への補足

(1)ビオサバールを使うよりローレンツの力を使う方がBの定義としては適当ではないでしょうか?
(2)ということはBは2つの極性ベクトルの外積として定義されているから例の関係式が言えるのですね?
(3)軸性ベクトルの定義は「2つの極性ベクトルの外積」ということですか?
(4)そうだとすると説明が簡単でややこしい説明をしないで済むはずなのではないでしょうか?
(5)たかだか1つの極性ベクトルを使って定義された軸性ベクトル物理量はありますか?

よろしくお願いします

補足日時:2002/01/24 06:01
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>(1)ビオサバールを使うよりローレンツの力を使う方が


> Bの定義としては適当ではないでしょうか?
それは話の組み立て方次第じゃないでしょうか.
電流が磁場を生み出すという立場を強調すれば,
dB を I ds であらわすビオ・サバール則を先に持ってきてもいいように思います.

>(2)ということはBは2つの極性ベクトルの外積として定義されているから
> 例の関係式が言えるのですね?
そうです.

>(3)軸性ベクトルの定義は「2つの極性ベクトルの外積」ということですか?
空間反転に対する変換性が極性ベクトルか軸性ベクトルかを決めています.
(極性ベクトル)×(極性ベクトル) = (軸性ベクトル)
はそのとおりです.

>(5)たかだか1つの極性ベクトルを使って定義された軸性ベクトル物理量はありますか?
ビオ・サバールの法則をベクトルポテンシャルで表現すると
dA(r) = (μ_0 I/4π |r-s|) ds   r,s はベクトル
です.直接 dB を表現するよりずっと簡単ですね.
dA は明らかに極性ベクトル,したがってベクトルポテンシャル A も極性ベクトルです.
B = rot A ですから,これが例になっていますかね.

一般に,極性ベクトルの rot は軸性ベクトルです.
rot A を∇×A とも書きますから,ベクトル演算子とベクトルを使っていると
いわれればそれまでですが.
フーリエ空間に移れば∇は単なるベクトル(極性)になってしまいますから.

この回答への補足

(1)ローレンツの力は単位電荷単位速度当たりに働く力という実体で定義できますがビオサバールは実体がないもので磁束密度を定義することになるのではないでしょうか?
各電流から離れている場所に磁束密度という何なのか訳の分からないものがあるといったような

(2)極性ベクトルE(r)の定義はE(-r)=-E(r)であるベクトルであり軸性ベクトルB(r)の定義はB(-r)=B(r)であるベクトルであるということですか?

(3)極性ベクトルでもなく軸性ベクトルでもないベクトルは存在しますか?
あればどんなベクトルであり任意のベクトルは極性ベクトルと軸性ベクトルの和で表されると考えていいのですか?

(4)軸性ベクトルは定義式のx成分の各項にx,y,zがそれぞれ偶数回現われ定義式のy成分の各項にx,y,zがそれぞれ偶数回現われ定義式のz成分の各項にx,y,zがそれぞれ偶数回現われるものと考えていいのですか?
ただし∂xはx一回と数えるものとし項は「・と/」で構成され「+と-」を含まないものとする

たびたびおさがわせ恐縮していますがよろしくお願いします

補足日時:2002/01/24 22:53
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この回答へのお礼

(2)'
r=(x,y,z,∂x,∂y,∂z,dx,dy,dz)としたとき
極性ベクトルE(r)の定義はE(-r)=-E(r)であるベクトルであり軸性ベクトルB(r)の定義はB(-r)=B(r)であるベクトルであるということですか?

すこし考えてみると(2)はおかしいような

お礼日時:2002/01/25 08:16

>(4)そうだとすると、、でややこしい説明をしないで済むはず、、、



という補足コメントに関連して少しだけ。

確かに、軸性ベクトルの数学的定義としては「空間反転に対して成分が不変に保たれるベクトル」というのが最もうまいやり方でしょう。そうすると、あとは、空間と結びついた変換性のはっきりしたベクトルを足場にして、各物理量の定義式に従い変換性を調べていくという手続きだけが残ります。内容についてはsiegmundさんの解説のとおりです。

nuubouさんの疑問がこれを問うものだったなら、鏡映にこだわるのは余計なことだったかも知れません。ただ、計算で出てくるのは、例えば、Cx=AyBz-AzBy,,のように定義されるならばその変換性はかくかく然々となるということであって、ベクトルCという物理量をこの(不自然な変換性を与える)式で定義するのが本当に相応しいのかという問題は別に考えねばなりません。これを、自分の感覚として確かめるには、視覚的な認識の容易な鏡映にもどして考えるのが(少なくとも私には)分りやすいです。
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この回答へのお礼

機械的に理解できるほうが初学者にとってはありがたいと思うのですがどうでしょうか?

よろしくお願いします

お礼日時:2002/01/25 00:50

以下のコメントにつき、



> 機械的に理解できるほうが初学者にとってはありがたいと思うのですが、、、か?

もちろん、人によって、状況によって、役立つ説明の仕方は異なります。分からなくなった時は、必ずしも一つの本などにこだわらず、様々説明を漁って気に入るものを見つけるということは、私自身もやっています。

結局、物理的な定義式が与えられたあるベクトルについて、極性か軸性か判定することは機械的にできますが、そのような区別にどういう意味があるのかということが疑問になったときには、関連する物理現象を含めビジュアルに考えてみるといいのではないか(最後まで数学的に通す方がいいという人もいるらしいが、、)ということです。
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この回答へのお礼

一つの考え方としてとても参考になりました
ビジュアル的にものを見るのはおもしろそうですね

どうもありがとうございました

お礼日時:2002/01/25 16:24

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