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フランス語の配分単数 (distributive singular) について質問します。

Illuminant dans le coeur des enfants.

これは伝統的な歌の歌詞からの一行です。なぜ les coeurs でないのか不思議に思いましたが、フランス語ではこのような用法は一般的なのでしょうか?子供たちそれぞれの心を照らす、なのでここでは文法用語で「配分単数」として機能していると考えます。

フランス語での配分単数について解説をお願いします。

A 回答 (3件)

>フランス語ではこのような用法は一般的なのでしょうか?


はい。

>「配分単数」として機能していると考えます。
おっしゃるとおりです。

>フランス語での配分単数について解説をお願いします。
む,むずかしい。冠詞論になってしまう。
Vergnaud & Zubizarreta (1992)“The Definite Determiner and the Inalienable Construction in French and English,” in Linguistic Inquiry 23, 595-652. の例文を挙げておきますので,これでご勘弁を。

○Le medicine a radiographie [l'estomac] aux enfants.
“The doctor has X-rayed the children’s stomachs.”
○Le medicine leur a radiographie [l'estomac].
“The doctor has X-rayed their stomachs.”
○Le medicine a radiographie [leur estomac].
“The doctor has X-rayed their stomachs.”

×Le medicine a radiographie [les estomacs] aux enfants.
“The doctor has X-rayed the children’s stomachs.”
×Le medicine leur a radiographie [les estomacs].
“The doctor has X-rayed their stomachs.”
○Le medicine a radiographie [leurs estomacs].
“The doctor has X-rayed their stomachs.”
(所有形容詞は OK)

○Le medicine leur a radiographie [l'estomac] et
il a constate qu'ils avaient des images normaux.
“The doctor has X-rayed [their stomachs] and he saw that they looked normal.”
(l'estomac を ils でうけている)

そのほか,形容詞が付くと複数になる,などがあります。
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この回答へのお礼

すばらしい回答です!まさにそういった区別が知りたかったのです。
本当に助かりました!

お礼日時:2006/10/06 16:50

自国の文法を、傍目八目で他国の言語学者が色々と記述することはあります。


英語に関しての考え方で他の言語を比較検討することは、大切だと考えています。

しかしながら、その見方がそっくりフランス語にイェス(Jes)とは考えておりません。

用例を示しながら、ご説明致します。

ご質問の dans le coeur des enfants 場合ですと

此れを dans les coeurs des enfants とすると心が大変重苦しく感じられます。
このenfantsに例えば、形容詞でmalade、hospitalise等のマイナスのイメージが
付きますと、この子供の心は一人一人違ってくるように感じられ逆に

dans les coeurs des enfants malades

の方が落ち着きを覚えます。

上記の名詞が繋がる場合と複数形の所有形容詞とセットの場合でも
同じ様に考えております。この後者の事例はl'Academie francaiseが

Leur chapeau ou leurs chapeaux ?

として、

on considere tantot l’exemplaire de chacun
tantot l’ensemble des exemplaires.

と解説をしております。あのGrevisseはun tropeと言っています。

出来る限り多くの駄文・名文の魅力(charme)に
触れながら、一語壱語を入替え読替えたりして
各人各様な感性が自然と歩き(marche)だすと。。。
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この回答へのお礼

こちらでもお答えいただけて光栄で、助かります。
「此れを dans les coeurs des enfants とすると心が大変重苦しく感じられます。」

質問1:「心が大変重苦しく」の意味は文字通り「重い」のか「さまざまな心がある」のかどちらですか?

質問2:「"Leur chapeau ou leurs chapeaux ?"on considere tantot l’exemplaire de chacun
tantot l’ensemble des exemplaires.

と解説をしております。あのGrevisseはun tropeと言っています。」はどういうことでしょうか?フランス人の間でもどちらを使うかの議論があって、Grevisse さんは「何が」「比ゆだよ」と言っているのでしょうか?

ありがとうございました。

お礼日時:2006/10/06 16:49

ご質問を投げ掛けて頂き有難うございます。



質問1:「心が大変重苦しく」の意味は文字通り「重い」のか「さまざまな心がある」?

le coeur des enfants ですと、自然に素朴なとか純真なとかの片言が脳裏の浮かび、芝生の上を素足で歩むように読み進めます。時に耳にする『総称の~、集合的単数』のことになります。一方、複数形Les coeurs des enfants ですと、『えっ、複数? 多様性を示す形容詞などあったっけ?』等と反応して、砂子が入った靴を履き探り足を余儀なくされる読み手(私だけかも)は、否が応でも煩累を覚え、その意味も『無為な素朴さとか純真さとか』が一方に押しやられ「さまざまな心(正・悪など)がある」と成りがちなので重くなりますと、お伝えしたかったのです。

このle coeur をle visageに置き換えてみますと、(私は)単数では、上記の素朴、純真、温顔のイメージがまにまに立ち上がります、方や複数ですと喜色少少にして多々なる憂色となりがちです。

この点が、前回筆答の最終文に繋がります。

質問2:「"Leur chapeau ou leurs chapeaux ?"~あのGrevisseはun tropeと」?

アカデミィーは、文豪の文章を引用しながら、色々な解釈ができると回答しています。Grevisseのun tropeは、名詞+de+名詞の連辞で、二番目の名詞から連想され意味が一番最初の名詞に形容して行きますから、tropeとしています。この名詞+de+名詞の形で一般化され慣用句となれば二番目の冠詞が省略されてゆきますので、tropeと言えるのは、そのような状況にはまだ到っていないとのことです。

最後 pause-cafe です。

(話し手は、幾人かの参加者を前にして)

Voulez-vous du cafe?
voulez-vous un cafe?
voulez-vous des cafes?
voulez-vous le cafe?
voulez-vous les cafes?

と発言すれば、立ち上る香り、コーヒーカップの個数
そして、話し手の配慮の違いが読み取れます。
此処でも、前回筆答の最終文に繋がります。
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