
明日期末テストがあるのですが、国語で松尾芭蕉の人生観についての問題が出る!と先生に予告されています。しかし、いくら考えてもよくわからないのです。少しでも多くの方の意見を聞きたいのでよろしければ回答お願いします。
「おくの細道」 -松尾芭蕉-
古)月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
訳)月日は永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、過ぎ去っては新しくやってくる年もまた旅人に似ている。
Q.1)ここからわかる芭蕉の人生観は何?
こんな感じで出されます。
また、
Q.2)何故芭蕉は全てを捨てて旅に出たのか?
こういう問題も出されるかもしれません。
Q.1が特にわからないので、どんなことでもいいので回答お願いします!
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
こんばんは。
私は、松尾芭蕉の『奥の細道』の旅の出発点(東京・深川-芭蕉稲荷神社から少し西より)の隅田川に立って、彼がどんな風に思って旅に出たか考えてみたことがあります。
ただ、学校の試験とは違いますので、正解とはいえないかもしれません。私は、感情移入してしまって、回答にはなりません。
1). 彼も、弟子の曾良も、お坊さんの格好をしていたし、やはり、彼が言っているのは、「無常観」だと思っています。過去の詩人(西行)たちも、みな同じような考え方だったと思います。
「月日は百代の過客にして」自体は、中国の詩人、李白からで、「万物流転」の様だそうですから、それ自体は、「無常観」とは違うものだと思います。中国人は、そこから「もののあわれ」は、受け取りません。しかし、彼は、禅の心得は十二分に持ち合わせていたそうですし、日本人独特のの感性(霊性)からすると、「無常観」ではないかと思いました。ただ、彼は、禅だけではなく、歴史の知識も豊富だったのか、それが高じて、東北の旅に出たのかもしれない、と思いました。
こうした人たちを、隠遁者の文学とか言いますが、これは、決してネガティブなものの見方ではなく、鎌倉時代以降の日本人の情感だと思います。今でいうなら、『フーテンの寅さん』や『水戸黄門』のようなものです。根強い人気のあるのは、こうした日本人の情感に触れられているからです。
2).何故芭蕉は全てを捨てて旅に出たのか?
>こういう問題も出されるかもしれません。
それは、ちょっと問題としては重過ぎますね。これについても、考えたことがあります。川から船に乗った時には、深川の近所の人たちは、もう永遠の別れだと思い、みんな千住まで同行してきてくれて、別れを惜しんだのです。私は、その時の光景が目に浮かぶような気がします。
深川の界隈って、あの鬼平犯科帳の舞台に近いです。しかし、その後、歴史からすると、関東大震災とか関東大空襲とか、いろんな歴史を経た場所でもあります。私は、芭蕉の時代は、歴史的には一番良い時代ではなかったかなって思うことが多いです。今は、隅田川のほとりは、ホームレスさんたちの青いテントが一杯です。夜になると賑わいなど何もないさびしい場所です。芭蕉の時代には、想像もつかなかったありさまだと思います。まさに、『月日は百代の過客』だと思います。ただ、深川の人情は、いまだ消えたわけではなさそうです。
彼は、旅の途中で死ぬかもしれない、と思いながら、漂白の思いに誘われて、
「草の戸も住み替わる代ぞ雛の家」
と芭蕉庵(かなり小さいです)の柱に掛けておいたわけです。この時の年齢としては、彼は 46歳で、もうそろそろ自分の寿命について感じていたころで、事実、51歳で亡くなっています。旅の俳句自体は、実際の場所でひらめいて読んだわけではなく、数年掛けて、『奥の細道』の編集をして、現在のような形になったそうです。そして、彼は、もう江戸には戻ってこなかったのです。
数年前に、『奥の細道』の原本が出てきて、切り貼りとかしてあって、その下に何が書かれていたとか、ものすごく話題になりました。
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