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日本は変動相場制ですが、固定相場制よりやっぱり変動相場制の方がメリットが大きいんでしょうか?いつか、固定相場制に戻る時代は来るのでしょうか?ご意見お願いします!

A 回答 (2件)

「金との交換を保証されているドルに対し、各国通貨が固定為替レートでつながる」という、プレトンウッズ体制が崩壊したのは、端的に言えば、ドルへの信認が揺らいで、固定レートを維持する事が困難になったからです。

固定相場と変動相場でどちらがメリットがあるか、というよりも、固定相場を続ける事が不可能だから、変動相場になった、という事です。

固定相場を続けると何が起こるかというと、例えば、ある国がインフレになると、国際競争力が減少し、貿易収支の赤字が拡大して、変動相場では、その国の為替レートが安くなるはずです。安くなれば、国際競争力が回復し、均衡に向かう力になりますが、固定相場だと、いつまでたっても均衡に向かいません。不均衡が続けば、いつかは通貨が切り下げられるだろうという予想の元に、売りがどんどん出てきて、いくら買い支えてもきりがありません。プレトンウッズ体制の崩壊は、ベトナム戦争の戦費などの影響もあり、インフレが進み国際競争力を失っていったアメリカが、ドルの金へのリンクを支えきれなくなって、ついに起きた事です。

変動相場という「自動調節弁」を捨てて、固定相場を長期的に維持する為には、金融財政政策も一致させないとダメです。統一通貨ユーロの為に、参加国が従うべき財政赤字の基準を作っているのも同じ理由です。自国の景気が、何らかの理由で悪化すれば、どの国も金利を下げて、景気を刺激したくなるのですが、統一通貨や固定相場は、そういう本来各国が自由に決められるべき政策の選択を縛る事につながります。ユーロが成立しえたのは、元々深い経済関係にあり「独自の景気局面」になりにくい事と、文化的にも関係が深く「一体としてのヨーロッパ」という意識が存在して、全体の利益の為に通貨主権を放棄する事を国民が受け入れられたからです。

そう考えると、日本とアメリカやヨーロッパはそこまでの深い関係にはありませんから、今の所、固定相場になる可能性はゼロと言ってよいと思います。
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 ANo.1の方の答えで完璧ですね。

そこで「固定相場制と変動相場制について」ちょっと違った観点から書いてみます。
2003年10月23日テレビ東京WBSでロバート・マンデル教授が言った、「ドルが世界の基軸通貨である限り、アメリカは借金をし続けることになる」と。アメリカの経常収支の赤字を懸念する向きも多い。しかしアメリカが経常収支赤字でドルを世界市場にばらまいているお陰で、世界経済の成長通貨が供給されている、という側面も忘れてはならない。ちなみに「円をアジアの基軸通貨に」との主張もあるが、これは「円をアジアの基軸通貨にするために、日本は貿易赤字を出し、アジアに日本の通貨=円を供給しよう」との主張になる。この人たちは「日本は輸出を促進すべきだ」と言っているのか?それとも「赤字を出して、アジアに円を供給しよう」と言っているのか?多分自分の言っている矛盾に気づいていないのでしょう。
 「固定相場制と変動相場制」を含む貨幣理論は突っ込んで考えていくと、とても興味を引く分野です。ミルトン・フリードマンは次のように言っています。
 貨幣理論は日本庭園と同じである。日本庭園には多様性から生じた審美的な統一性がある。複雑な真相を覆い隠す外見の質素さであり、深い奥行きの広がりの中に溶け込む表層的な風景である。それを心行くまで堪能するには、多角的に検証し、しかもじっくりと腰を落ち着けて深く吟味しなくてはならない。貨幣理論も日本庭園も同じである。しかも、両者とも全体から切り離して、それだけでも楽しめる部分を有し、全体から取り出した一部分からでも全体的な認識を得ることができる。
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