No.2ベストアンサー
- 回答日時:
どうでしょうね。
非常に難しい問題だと思います。もともと、老齢給付(老齢厚生年金や退職共済年金)は、昭和61年の制度改正のときにできた制度で、法律上、本来は国民年金(老齢基礎年金)の支給開始に合わせて65歳から支給されることとされていました(これにより「本来支給」といわれています)。
しかし、それ以前の制度による老齢給付が60歳から支給されることを考慮して、60歳から65歳に達するまでの間においては、「当分の間において」特別に支給することとされたという経緯があります(このため、特別支給」といわれます)。
ここで、ちょっと法律をかじったことがある人であればお分かりかと思いますが、法律上で「当分の間」という言葉が使用されている場合、これは「半永久的に」という意味合いで使われることがほとんどでした。その原則が破られたごく稀な例が平成12年の年金制度改正であり、これによってその「当分の間支給されることとされた特別支給の老齢厚生年金・退職共済年金」は、現行法上では、昭和36年4月2日以降の生まれの者には適用がなくなることとなります。
この制度改正の経緯としては、まずは定額部分の支給開始年齢の引き上げ(平成6年制度改正による)が昭和16年4月2日生まれの者から適用され、昭和24年4月2日以降の生まれの者には、ある種の特例を除いては定額部分が加算されなくなります。
この後、昭和28年4月2日以降の生まれの者から報酬比例部分も支給開始年齢が引き上げられ、昭和36年4月2日以降の者には特別支給の適用がなくなるということになっています。
このように、今後の制度改正があったとしても経過措置が設けられることについては、ほぼ間違いがありません。
しかし、「経過措置が設けられる」ということと「経過措置の恩恵を受けられる」ということは、全く違います。
年金制度においては、年金を既に受給している者の「年金を受ける権利(「受給権」といいます)」は、法律上は既得権と考えられ、憲法で保障される「財産権」に相当するものと考えられています。憲法で保障されている以上、年金各法で減額するというのは容易でなく、物価スライドなど、実質的価値が変わらないと考えられる減額を除いては、減額改定されるということは過去に数えられるくらいの例しかありません。
財産を持っている、又は、現在でも多くの収入を得ているとされる一部の老人に対しても年金の減額が容易にできないのは、こうした背景があるためです(そういう人に限って裁判を起こす)。
一方、現在掛金を納め、将来給付を受けることとなる年金の受給権は、法律上は期待権と考えられ、これが保障されることはごくごく稀です。経過措置がイチイチ設けられるのはこういった背景もあるのです。
話を戻しますと、定額開始年齢の引き上げ⇒支給開始年齢そのものの引き上げのスパンを考えますと、もしも本来支給の開始年齢の引き上げが議論されるとすれば、昭和41年4月2日以降の生まれの者から(必ずしも「昭和41年」ではないですが)が適用対象として議論されるでしょう。
また、先進諸外国の事情を見ると、67歳又は68歳支給開始とするよう制度改正を行っている(若しくは予定している)ところが多いようですので、いずれ本来支給の支給開始年齢の引き上げが議論されてもおかしくはありません。
しかし、定額支給開始年齢の引き上げ等のときにも問題になりましたが、年金が支給されない以上、生きていくためには何らかの収入が無ければいけません。これは人間本来の就労能力の有無と関係してくるところです。そのために、「定年制の廃止、定年年齢の引き上げ、再雇用の促進」といったことを目的とする高齢者雇用促進法の改正が(時期的にはかなり遅れましたが)平成16年通常国会で成立したのです。
これから支給開始年齢がまた引き上げられるのだとすれば、生物学的・生理学的な検証を経た上で、各種制度と連動して制度改正を行う必要があります。
また、現時点で、再就職されたときの支給停止の制度というのが現に存在しており、この辺諸外国と若干事情が異なることもあります。
大変長くなりましたが、今後、政府がどのように対応するのか、時の政府の主導者の手腕によるのではないかと思います。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
人口構成は急激に変化するものではありませんが、年金財源の推移の予測においては、日本経済の成長率という不安定な要因を常に抱えています。長期的な社会保障制度ですから避けられないのですけれどもね。最近もニュースになっていましたのでご参考まで。参考URL:http://www.asahi.com/health/news/TKY200701250391 …
No.1
- 回答日時:
難しい問題ですね。
ただ一ついえるのは将来受給開始年齢が遅れるとしても、今現在支払っている人に対しては経過措置がとられるだろうということです。
これは現在の年金制度が税金ではなく(税金の補填はあるのですけど)保険料徴収制度になっていることに関係しています。幾ら強制とはいえ保険料を支払っているわけですから、国民から現在の制度に対して保険料を支払ってくださいと言っているわけです。これは約束であり契約ですから、勝手にその契約を保護にすると下手すると国が訴えられる話になる、逆に言うと国民は訴えても良い話になるわけです。
契約違反だと。
実際過去に年金受給開始年齢の引き上げということは行われたことがあります。また現在丁度その経過措置の最中でもあります(厚生年金など)。ただ上記の話からそれが不当に契約違反にはならないように、経過措置を設けています。
つまり、今現在まで支払った年金分は少なくとも65才から受け取れます。
今後制度が変わって70歳からとなったら、そのときから支払う年金分は70歳から受け取ることになるでしょう。
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