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エレクトロマイグレーションは,配線中の電子流のために金属原子が移動することに起因するとのことですが,一つの原子が隣に移動する時には,ある程度のエネルギー(活性化エネルギー)が必要であると思います.このエネルギーは物質によって異なるのでしょうか?またそれを計算する計算式などはございますでしょうか?

初心者ですので的外れな質問でしたら申し訳ありません.
どうぞよろしくお願い致します.

gooドクター

A 回答 (4件)

御質問の背景には、エレクトロマイグレーションがあったようですが、質問文の中に「一つの原子が隣に移動する時には,ある程度のエネルギー(活性化エネルギー)が必要であると思います.このエネルギーは物質によって異なるのでしょうか?」とあったので、例えば結晶成長の素過程の研究動向に詳しい方の回答の方が集まっているようです。


御質問を「エレクトロマイグレーションの活性化エネルギーを、理論的に求めることは現在の技術レベルで可能か?」という趣旨だとすると、それはまだ不可能なのではないかと思われます。なぜなら、IC中の配線(大抵金属)の結晶構造は「完全」なものではありませんし、材料が同じだとしても製膜の方法によって品質が大きく異なるためです。また、エレクトロマイグレーションの場合には、配線の幅を構成する原子が束になって移動をおこして断線を生じますので、原子1個の素過程にさかのぼって議論を始めるのはかなり困難を伴う(気の長い)話だと思います。ショットキー型欠陥の極端な場合だと考えれば、ひょっとするとショットキー欠陥の活性化エネエルギーから導けるものなのかもしれません…
実際には、配線のサンプルを作製し、電圧加速や温度加速をしながら「信頼性試験」にかけて、断線=故障に関する長期信頼性の意味での「活性化エネルギー」を実験で確認します。(このあたり、あまり詳しくないので細かい説明ができませんが…)エレクトロマイグレーションを議論するとき出でくる「活性化エネルギー」は、ICの信頼性保証の分野のものかもしれませんので、物理学で用いられているものとは、ちょっとニュアンスが異なるかもしれませんね。
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前回の訂正です。

計算の説明でシュードポテンシャルについて、少し言及しましたが、現時点で使っている人はいないと思いますので無視してください。私のまったく知らない計算方法で研究が行われていると思います。

計算については、理論物理屋さんの回答を待ちましょう。(第1原理計算等)
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マイグレーションエネルギーは、日本語では、移動エネルギーとか活性化エネルギーだと言えばいいのだと思います。

但し、この分野は日本で研究者が少なく、英語の論文しかなかったため、大学時代教授から全て英語の単語で教わりました。その関係で、マイグレーションエネルギーとしか言っておりません。訳した単語を使う方のほうが多いかもしれません。

マイグレーションエネルギーを計算で求めるためには、原子核と他の電子によって作られるポテンシャルを、シュードポテンシャルという方法を使って近似解を求めます。前の説明でも述べましたが、私には全く計算できません。又、計算できる方が、計算してエネルギーをもとめても、それがあっているのかどうか確かめるためには実験が必要になります。どうしてもマイグレーションエネルギーは実験で測定することが必要になってきます。

実験の例をあげると以下のようになります。
原子は原子空孔がないと動きませんから、たとえばアルミ原子のマイグレーションエネルギーを測るためには、アルミ金属の原子空孔のマイグレーションエネルギーを測ることになります。
原子空孔は熱平衡状態で存在します。すなわち、温度が上がると原子空孔の量は増えて、温度が下がると減少します。(これに応じて、高温では原子の移動は増えて、低温では少なくなります。)
高温で原子空孔の量が多い状態から、一気に絶対零度近くまで急冷すると、この原子空孔は動く余裕がありませんからほとんどそのまま残ります。この状態を凍結原子空孔といいます。
温度を上げるとこの凍結された原子空孔が動き始めます。この原子空孔が動く確率は以下の式で与えられます。(書いた本が見えないのですが、多分これであっていると思います。)
f=νexp(-E/KT) ここでνは格子振動数、Eはマイグレーションエネルギー、Kはボルツマン乗数、Tはそのときの温度(K)になります。
凍結された原子空孔は温度を上げると、動いて色々なところに消えていきます。たとえば表面から出て行くとか、結晶粒界に逃げるとか、他の格子欠陥につかまるとかです。このときの物理量の変化を見ていけば、原子空孔のマイグレーションエネルギーを計ることができます。
一番簡単な物理量の変化は電気抵抗の変化を図ることです。電気抵抗は格子振動(フォノン)による抵抗と、残留抵抗(原子空孔や、他の格子欠陥)がありますから、まず液体ヘリウム温度まで下げて格子振動(フォノン)による抵抗をほとんどゼロにします。そして残留抵抗の変化を測定します。
更に温度を上げて、(上げるといっても、マイナス100度とかそういう低温での話ですが)、時間や温度ともに残留抵抗がどう変化するかを測定していきます。温度上げて原子空孔を動かしたら、測定するときは、又ヘリウムの中に入れて測定する繰り返しです。こうやって図った実験結果をいくつか並べて、先ほどの式に合わせて、マイグレーションエネルギーEを求めることになります。
物理量の測定例として、電気抵抗を上げましたが、長さとか、陽電子消滅の時間とか色々なものが測定できます。もっとスカッとしたいい方法を発明しておられる方もいらっしゃるかもしれません。但し原子空孔の量が極めて少ないので、いずれにしても変化量はごくわずかです。実験によっては、10マイナス6乗とか、10のマイナス12乗とかいった精度で測定する必要が出てきます。かなり神経を使う実験になると思います。
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>エレクトロマイグレーションは,配線中の電子流のために金属原子が移動することに起因するとのことですが、



表題の「エレクトロマイグレーションの活性化エネルギー」ですが、この言葉を私は良く知りません。
私は、マイグレーションエネルギーは固体もしくは液体中で、原子が移動するのに必要なエネルギーだと理解しています。
金属の場合、自由電子が移動するときにはエネルギーはほとんどないと思います。したがって電子(エレクトロン)のマイグレーションエネルギーはほとんどゼロだと思うのですが。
金属に電気を流した場合、電気抵抗は存在しますが、これは結晶の格子振動(フォノン)や、結晶格子の乱れ(格子欠陥、不純物)による、電子の散乱だと理解しています。
金属ではなく、半導体の場合には、エネルギーバンドが存在しますから、この電子がこのエネルギーバンドを超えるためには、電子に運動エネルギーが必要になります。

>一つの原子が隣に移動する時には,ある程度のエネルギー(活性化エネルギー)が必要であると思います.このエネルギーは物質によって異なるのでしょうか?またそれを計算する計算式などはございますでしょうか?

固体状態では原子の移動は、原子空孔という、結晶中の穴を介在して行われます。原子空孔の隣の原子は原子空孔に向かって移動します。動いた後は、穴(原子空孔)が開きます。そしてこの穴に更に隣の原子が移動し、次から次へと原子が動くことになります。この動くときに必要なエネルギーを移動エネルギー(マイグレーションエネルギー)と称しています。原子が空孔を介して動くときには、結晶格子がひずんでいますから、ひずみを押しのけて動く必要があります。そして固体中で起こる原子の移動のしやすさは、このマイグレーションエネルギーと温度の関数になります。マイグレーションエネルギーが分かれば、移動のしやすさは温度とエネルギーの関数で計算できます。(今、手元に本がなくなってしまったので式は書けませんが、簡単な式です。)

>次にマイグレーションエネルギーが物質によって異なるか

これは異なります。原子の結合力でまず影響を受けます。原子の結合力は、結合の仕方(金属結合か、共有結合か、イオン結合か等)と元素によって変わりますし、更に金属の場合、合金元素の種類、微量に含まれる不純物によっても影響を受けます。

>またそれを計算する計算式などはございますでしょうか?

マイグレーションエネルギーを正確に計算する方法は、私の知る限りではないと思います。原子空孔周りの固体の結合エネルギーを計算しなければなりません。原理的には量子力学の波動方程式を解けばできるはずですが、電子の相互作用等があって非常に複雑で特殊な計算手法が必要になりますし、私はできません。
固体物理で、この種の計算をやっている研究者の方に聞かないと、できるかどうか、分からないと思います。

この回答への補足

大変詳しくご説明いただきありがとうございます.
言葉についてもよく知らなかったので,活性化エネルギーと書いてしまいました.申し訳ありません.知りたいのはおっしゃるとおり,そのマイグレーションエネルギーを算出する方法でした.非常に難しい計算になるようですね.ではマイグレーションエネルギーは実測するものなのでしょうか?

補足日時:2007/10/18 17:51
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