A医師はB医師を従業員として雇いAクリニックを開いてました。
B医師が独立開業するにあたり、Aクリニックにいる従業員の半数(約20名)をBクリニックに採用しました。
AとBとの間にはBクリニックに移籍した人間が退職した際の退職金はBが全て負担するという契約がされてます。
この状態でBクリニックに移籍した、従業員が定年で退職しました。
ここで「退職金の支払いを全額B医師の事業経費にできるか否か」が問題です。
私の意見と理由は次のとおりです。
「A医師は一度Aクリニックから移籍する従業員に退職金を支払って、それをAクリニックの事業経費に計上する。
B医師は、Bクリニックに就業してから退職するまでの期間に応じた退職金を支払い、それをBクリニックの事業経費にさ計上する。」
理由
「個人間の任意の債務請負は、私法上の契約自由の原則で守られるので有効であるが、それをもって税負担上の経費支払いの帰属を変化できるものではない。
それを認めると、任意の負債引き上けで、租税回避が可能になってしまい、その状態を税法として認めることができない。」
「B医師がA医師に独立する際に、慣れ親しんだ従業員をそのまま移籍させてくれた事への礼として、移籍した従業員がこれからBクリニックにて退職した際の退職金をAクリニックに勤続してた年数を加算して支払う約束をA医師とすることは税法がタッチする問題ではなく、又、公序良俗に違反する契約ではないので、無効でもない」
「しかし、A医師が負担すべき退職金をB医師が、両者間の任意契約により支払ったとしても、これをB医師の事業経費と認める事は、租税回避と認められる行為なので、B医師は自分の事業経費にはできない」
ところで、B医師からは、「租税回避行為ではない」とする、法令、所轄庁の見解、判例がないか探してもらいたい。」旨、請求されています。
判例集などをできるだけ探して見ましたが、このような債務引き受け行為事態に対しての見解や判例を見つけることができませんでした。
私の探し方が不足してるというのも理由でしょうが「このような判例があります」と教えていただけるとありがたいです。
急務です。お願いいたします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
法人でしたら法人税法基本通達↓が当てはまりそうですが、個人の場合は何ともいえません。
ただし、考え方の参考にはなるのではないでしょうか。(転籍者に対する退職給与)
9-2-52 転籍した使用人(以下「転籍者」という。)に係る退職給与につき転籍前の法人における在職年数を通算して支給することとしている場合において、転籍前の法人及び転籍後の法人がその転籍者に対して支給した退職給与の額(相手方である法人を経て支給した金額を含む。)については、それぞれの法人における退職給与とする。ただし、転籍前の法人及び転籍後の法人が支給した退職給与の額のうちにこれらの法人の他の使用人に対する退職給与の支給状況、それぞれの法人における在職期間等からみて明らかに相手方である法人の支給すべき退職給与の額の全部又は一部を負担したと認められるものがあるときは、その負担したと認められる部分の金額は、相手方である法人に贈与したものとする。(昭55年直法2-8「三十二」、平10年課法2-7「十」、平19年課法2-3「二十二」により改正)
早速ありがとうございます。
そうなんですよ。参考にはなるんですが、結論は「移籍前の職場で退職金を貰う。それは移籍前職場では経費になるし、移籍後の職場が支払えば贈与行為。」だというのです。
関与先クリニックの支払い金額を「経費にできる」ような、理屈がみつかるといいんですが。ご紹介いただいた基本通達ですと「だめだよ」って言ってるわけなんですね。
明らかな租税回避行為に該当するので、そもそも判例になるような事件が存在しないのかもしれません。
しばらく締め切らないでおきますので、又なにかありましたら、ご参考意見をお願いします。
No.3
- 回答日時:
No.2の者です。
これは、rollanさんの受任している業務の範囲にもよると思うんですよね。ご質問文の内容からNo.2で想定したのは、節税のコンサルティング契約が業務の範囲に含まれており、積極的な提案をrollanさんが任されているというものでした。
しかし、補足欄のお返事を拝見して、rollanさんの仕事はそういうものではなく、納税義務者からの税務関連の疑問質問に対して職業専門家としての見解を回答するのが業務範囲であり、積極的提案は必ずしも義務的ではないということですね。
そうであれば、無理筋であり庇い切れないことを告げてもいいと思います。
あ、退職金規定が「移籍前の年月を入れる特約あり」のままであれば、私もAクリニック在籍時に対応する額については損金不算入とせざるを得ないだろうな、と思っております。
ありがとうございました。
法人税法基本通達9-2-52(転籍者に対する退職給与)の規定から、租税回避を税務期間がどう解釈してるかがわかります。
なんとか、節税ができないかと考えたのですが、道はないようです。
No.2
- 回答日時:
ご質問文をざっと拝見して、B医師は暗に、追徴を受ける可能性のまず無い私法上の法律構成を検討して欲しいと希望しているような印象を受けました。
そうであれば、そのような法律構成を提示してみるのも良さそうですが、いかがでしょうか。No.1のminosenninさんご提示の通達を参考にすれば、今回の退職金の算定で用いた勤続年数がいつからのものか、Bクリニックの退職金規定は整備されているか、その内容はどうなっているのか、他の転籍従業員にも同様の算定がおこなわれる見込みかなどが関わってくるでしょう。このあたりをBクリニックで整備すると、追徴可能性を低減させることが出来るように思います。
この回答への補足
できる方法としては「とにかく経費算入してしまって、税務調査がはいったら駄目元」という申告をしてしまうことです。
税務調査時に、退職金規定(もちろん移籍前の年月を入れる特約あり)を調査官にみせて、納得してもらえる自信は、、ないんですよね。
しかし、それってフィーを貰ってする仕事ではないように思います。
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