No.4ベストアンサー
- 回答日時:
y=c sin(t)
とおくのは,置換積分の常套手段です.
右辺は単に積分を計算しているだけなのです.
高校生のときにやってるでしょう?
それと,No.2氏の解は通常微分方程式の解とは言いません.
まだ解けるから(No.3氏ご指摘の通り)
線型n階常微分方程式ってのは,
実際は解は完全に分かっているのです.
y''+y=0
の場合は,z=y'とおいて,連立の微分方程式にしてしまいます.
(y, z)' = A (y,z)
A=(0 1)
(-1 0)
このとき
(y,z) = Ce~{Ax} (y(0), z(0))
となり,e~{Ax}
= (cos(x) sin(x))
(-sin(x) cos(x))
これを計算すれば求めている解です.
これは行列の指数関数を勉強すればすぐにわかります.
一般の線型n階常微分方程式は,斉次・非斉次を問わず
行列の指数関数を用いて解析的に解けます.
こういう解き方が代数的でいやなら,因数分解の応用でもとけます.
いわゆる「演算子法」という手法の簡単なものです
y''+y=0
は「微分をする」という演算をDと書くことにすると
(D^2 y) + y =0
(D^2+1)y=0
(D+i)(D-i)y=0
というように虚数を使って因数分解できます.
これはどういうことかというと
z=(D-i)y = Dy - iy = y'-iy
とおくと
(D+i)z=0ということです
これは
Dz + iz = 0
すなわち
z' + iz =0
です.これは普通の変数分離であって
z=Ce^{-ix} です
そして,z= y'-iyであったので
y' -iy = Ce^{-ix} です.
これをとけばいいので
両辺に e^{-ix} をかけると
(ye^{-ix})' = Ce^{-2ix}
y e^{-ix} = (C/(-2i)) e^{-2ix} + D
y = (C/(-2i))e^{-ix} + D e^{ix}
ここで,Cは任意定数であったので,Cを -2iCとしてもよいので
y = C e^{-x} + D e^{ix}
さらに,e^{ix}=cos(x)+isin(x)であるので
y = Ccos(x) - iCsin(x) + D cos(x) + iDsin(x)
= (D+C)cos(x) + i(D-C) sin(x)
ここで,CとDが互いに共役な複素数だとすれば
y= C1 cos(x) + C2 sin(x) C1,C2は実数と表せる
このように「因数分解できる」ということと
定数係数線型n階常微分方程式が簡単に解けるということが
一致することがわかります
そして代数方程式は必ず因数分解できる(代数学の基本定理)ので
対応する微分方程式も必ず解けるということで,
ポイントは「複素数まで広げてしまう」ということです.
行列の指数関数という形に関数を閉じ込めるか
因数分解によってより具体的に関数を書き下すかという違いはありますが,
どちらも同じです.
ちなみにまだほかのとき方もあって
解をあらかじめ y=Σa_i x^i のように級数で表現して
微分方程式に代入することで級数の係数を求めるということも可能です.
これは具体的な形がわかるので工学的には計算しやすいですし
数学でも解を具体的に構築できるので便利ですが
なかなか解を「閉じた形」に「陽」に表現するのが難しいです
今回の問題の場合は,じつはそれほど難しくなく(計算は長い),
三角関数の和であることは導けはします.
ありがとうございます
演算子法というのが一番すっきり理解できました。まさに希望していた回答です。
他にも解き方は色々あるのですね。非常に勉強になりました。
No.3
- 回答日時:
y''+y = 0
y' を乗じて
y'y''+y'y = 0
∴ d{(y')^2+y^2)}/dx = 0
∴ (y')^2+y^2 = c^2
ここで c は定数
これから
dy/dx = ±(c^2 - y^2)^(1/2)
変数を分離して
±dy/{(c^2-y^2)^(1/2)} = dx
積分して
x+d = ±∫dy/{(c^2-y^2)^(1/2)} (1)
ここで d は定数
y = c sin(t)
とおくと
dy = c cos(t)dt
(c^2-y^2)^(1/2)=c cos(t)
(±は c に含める)
よって (1) より
x+d = ∫dt
= t (右辺の積分定数は d に含める)
= arcsin(y/c)
∴ y/c = sin(x+d)
y = c sin(x+d)
なお、sin(x) と cos(x) が微分方程式を満たすことに気づけば、解の一意性の定理から、一般解が
y = c sin(x) + d cos(x) = e sin(x+f)
の形であることがわかります。解の一意性の定理については自分で調べてください。
回答ありがとうございます。
式については、自分なりに理解できました。自分には思いつかないような素晴らしい式変形です。
勉強になります。
気になりましたのは、「y=c sin(t)とおくと」という部分があり、やはり解はc sin(t)である
という目星をつけないと導くことになるのでしょうか?
式1を直接変形して、y = c sin(t) (とy=c sin *)が導かれた、とはならないものでしょうか。
No.2
- 回答日時:
次のような解法と解の表示の仕方もあります.
y'' + y = 0
の両辺に y' を乗ずる.
y'' y' + y y' = 0
これを変形すると
((y')^2)' + (y^2)' = 0
A を積分定数として,上式の両辺を x で積分すると
(y')^2 + y^2 = A
y' を求めると
(y')^2 = A - y^2
y' =±(A - y^2)^(1/2)
B を積分定数として,上式の両辺を x で積分すると
y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B
この式は,微分方程式 y'' + y = 0 の一般解です.
(検算)
y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B
y' =±(A - y^2)^(1/2)
y'' =±(1/2)・(-2 y y')・[(A - y^2)^(-1/2)]
y'' =±(1/2)・(-2{±∫(A-y^2)^(1/2)dx+B}・
・{±(A-y^2)^(1/2)})・[(A-y^2)^(-1/2)]
y'' =±(1/2)・(-2{∫(A-y^2)^(1/2)dx+B}・
・{(A-y^2)^(1/2)})・[(A-y^2)^(-1/2)]
y'' =±(-{∫(A-y^2)^(1/2)dx+B})
y'' + y =±(-{∫(A-y^2)^(1/2)dx+B})
+[±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B]=0
となり,
y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B
が一般解であることを確認できました.
回答ありがとうございます。
y =±∫(A - y^2)^(1/2) dx + B
まで導いていただいているようですが、知りたかったのはcosとsinが解であることの導出です。
No.1
- 回答日時:
「定係数線形微分方程式」の基本解は、y = e^(px) です。
y" + y = 0
に y = e^(px) を代入すると、
(p^2 + 1)*e^(px) = 0
すべての x について成立するには、
p^2 + 1 = 0 (特性方程式)
p = ±i
つまり、e^(ix) = cos(x) + i*sin(x) と、e^(-ix) = cos(x) - i*sin(x) が基本解。
一般解は、ふたつの基本解の線形結合。
y = A*{cos(x) + i*sin(x)} + B*{cos(x) - i*sin(x)}
実係数なら、
y = C*cos(x) + D*sin(x)
回答ありがとうございます。
いただいた回答は答えが先に分かっているもとに成り立ちますが、質問したかったのは、分からない状態からの答えの導出です。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 数学 「急募!」数学 微分方程式 dy/dx=y+x*y^3 ・・・(1) 但しy(0)=±1をExcel 2 2022/07/20 21:58
- 数学 【全微分について】 z=f(x,y) の全微分は df=(∂f/∂x)dx+(∂f/∂y)dy と表 1 2023/02/25 05:49
- 数学 微分方程式の問題 1 2023/07/27 12:11
- 数学 微分方程式の問題 2 2023/07/26 14:19
- 数学 dx/dt = |y| , dy/dt = x (-∞<t<∞) をとけ 1 2022/09/17 09:56
- 数学 陰関数を(dy/dx)求める問題について 1 2022/11/06 03:10
- 数学 微分(全微分)についての質問です。 2 2022/04/07 17:08
- 数学 微分積分の極限についての問題がわからないです。 1 2023/01/08 13:57
- 数学 数学積分の問題です x=a(t+sint) y=a(1-cost) tは0〜π グラフの形は「ハ」を 3 2022/08/27 12:26
- 数学 連立微分方程式 dx/dt = |y| , dy/dt = x (-∞<t<∞) について、 (1) 3 2022/09/16 21:59
このQ&Aを見た人はこんなQ&Aも見ています
おすすめ情報
このQ&Aを見た人がよく見るQ&A
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
sin²θとsinθ²と(sinθ)²って全部...
-
高校数学についてです。 三角関...
-
大学受験時のsin,log,lim,xの表記
-
sinωTをTで積分。
-
底辺と角度から、高さを求める。
-
(2)で質問なのですが、なんでsi...
-
極限の問題
-
sinのマイナス1乗の計算方法を...
-
sin2tの積分の仕方わかる人いま...
-
三角関数の極限を「はさみうち...
-
3重積分 楕円体での変数変換
-
2つの円の一部が重なった図
-
円に内接する三角形の面積の最...
-
『楕円球体の三重積分を極座標...
-
三角関数の極限値の求め方
-
数学 sin1/2は何を表しているの...
-
どんな整数であってもsin(nπ)=0...
-
n次導関数
-
sinx=cosxの解き方。
-
数IIIの極限
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
sin²θとsinθ²と(sinθ)²って全部...
-
sinωTをTで積分。
-
eの積分について
-
sinのマイナス1乗の計算方法を...
-
底辺と角度から、高さを求める。
-
極限の問題
-
2つの円の一部が重なった図
-
数IIIの極限
-
積分 ∫√(4-x^2)dxについて
-
数学 sin1/2は何を表しているの...
-
どんな整数であってもsin(nπ)=0...
-
y=sin^( -1) x の(-1)って...
-
大学受験時のsin,log,lim,xの表記
-
sinx=cosxの解き方。
-
周期の最小値?
-
e^(-x)*|sinx| これを積分する...
-
大学数学の極限の問題について ...
-
複雑な三角関数の周期の求め方
-
簡単な偏微分についての質問です。
-
(sinθ)^2とsin^2θの違い
おすすめ情報