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No.1ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは
失礼ですが、どの程度深い質問をしているのかわからないために、
どの程度の回答をすればいいのか、悩みますが・・・
原則、無効なものは無効なのであって、はじめから法律効果は生じません。そのため、後から同意を得られた場合には、同意を得たときに、新たな法律行為をしたものとみなされ、遡及効はないはずですよね?ただし、そうすると、法律関係が少し複雑になるので、116条本文は例外的に、追認に遡及効がある場合を定めています
しかしそのように処理すると、「無効」であることを期待した第三者に、不利益を生じる可能性があるために、但し書きの保護規定が存在します
例えば無権代理人が弁済を受けた債権につき、第三者が無権代理人が弁済を受けたものであるので、これは無効であるとして、その債権を差し押さえたとします。116条本文の規定がなければ、(他に債権者等がいなければ、)この第三者が差押えによって金銭的満足をえられるところ、本人が無権代理人の代理受領を追認した場合は、この弁済は有効となり、第三者は不利益を被ってしまいますよね?そのため、但書による第三者の保護規定が存在します
端的に答えれば
116条本文が法律関係の簡素化のために、当事者間の同意等があれば、無効なものを遡及して有効にするという例外的な処理を定めているために、第三者は保護する必要がある
参考になれば幸いです
この回答への補足
既に、ted2010様から十分な回答を頂いているにもかかわらずに、変に難しく考えていた
ようです。
通常の法律行為は将来効であり、これによって第三者の権利を害することはないわけです
が、遡及効を認める場合には、96条3項や、545条1項但書のように、第三者の利益
を保護するする手当が必要になると思われます。
116条但書も同様の趣旨であると言えますが、前者と決定的に違うのは、前者が有効
なものを無効にするのに対して、116条但書では無効なものが有効になる点でした。
これによって、保護にあたって考慮すべき利益状況が異なり、前者の場合には、前提とす
る法律関係が無効になることについての認識やどこまで深い利害関係に入っているかがポ
イントなりますが、後者では元々正当な権利者であることだけで、十分といえます。
これが、ted2010様から頂いたご回答にそったものと考えるに至りました。
いつも、懇切丁寧かつ論理明快な回答を有難うございます。
>>116条本文が法律関係の簡素化のために、当事者間の同意等があれば
、無効なものを遡及して有効にするという例外的な処理を定めているため
に、第三者は保護する必要がある
なるほどよく分かりました。
疑問のきっかけは、96条3項と似ているということでした。
但し、善意・無過失等の主観的要件が問題にならないこと、取引の安全と
いうことよりも、むしろ正当な権利者の保護ということかなということが
ありました。
96条3項は、外観法理とは言わないものの外観法理と同趣旨であると聞
いております。
(この微妙な言い回しは、94条2項の場合と違って、第三者が取引関係
に入った時には、真実の権利関係があり、それを前提に取引をしたにもか
かわらずに、その後、遡及的にその権利関係が消滅したということかと理
解しております。)
その点では、取引の安全がその趣旨であり、主観的要件が重要かと思います。
116条が出てくる事例として次のものがあります。
債権譲渡禁止特約がある債権を2重譲渡した場合に、最初に譲渡された譲
受人Aは特約について悪意であり、次の譲受人Bは特約について善意・無
重過失であったケースです(確定日付ある通知はAに劣後)。
この場合に第三債務者が譲受人Aに対して異議なき承諾すれば、116条本
文類推により譲受人Aへの譲渡は遡及的に有効となるが、116条但書類推
により譲受人Bの権利を害することが出来ないので、結局Bが正当な債権の
譲受人になるということでした。
このケースでは、譲受人Bは、譲受人Aへの譲渡が特約に反して無効である
ことを前提にして債権の譲渡を受けたのではないので、外観法理と同趣旨と
は言えないのではないかと思いました。
この場合には、法律的に譲受人Bに認められるべき正当な譲受人としての地
位が、譲受人Aが第三債務者の異議なき承諾によって遡及的に正当な譲受人
として地位を取得(116条本文)することにより、覆されてはならない(
116条但書)という趣旨である考えられると思いました。
以上が私の理解でありますが、ted2010様のご回答にそったものと考えてよ
いでしょうか?
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