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レーザーの増幅器で発生するASEについてですが、増幅されていくのはどういう理由でしょうか。
(誘導放射光はいわゆる誘導によって増幅されていくのは理解できるのですが)
またこのASEの位相はそろっているのでしょうか。
詳しい方ご教示願います。

A 回答 (2件)

> ・・・「光1」と「光2」は位相が異なる’という意味でしょうか?



そうです。
光を光子として説明すれば、誘導放出とは、ある光子が増幅媒質中を進むにつれて別の光子を誘い出す過程なので、ある自然放出光をタネとした光子同士は位相が揃っていますが、別の光子をタネとした誘導放出光とは全く相関がありません。

尚、自然放出も誘導放出も、1個の電子からは光子を1個しか放出しません。
従って、ある自然放出光をタネとした誘導増幅光は、光った瞬間に(どこかへ飛び去って)消えてしまいます。
別の光と位相が揃う訳はありませんよね。

だからASEを’レーザーになりかけた誘導放出光’と捉えても間違いではありませんが、むしろ'増幅されたLED光'と理解した方が正確です。
# レーザもLEDも、材料や発光の原理は同じ。違うのは構造。
# だからLED開発の初期には、特性測定中に瞬間的なlasingを観測することがよくあったと聞いています。

レーザは、位相の揃った光子が次々に飛び出して来るので、波面の揃う方向に強い指向性が出ますが、ASE光同士には相関がないので、指向性もありません。


# 恥ずかしながら、No.1では寝ぼけて変換ミスに気づきませんでしたので訂正しておきます。
 ×発信 → ○発振
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この回答へのお礼

semikuma様
早速のご回答また貴重なお時間をいただきありがとうございました。
大変よく理解できてすっきりいたしました。

お礼日時:2011/05/28 00:04

んーと、話が逆なんですよね。


全てのレーザ発信機は、「光増幅器」と「共振器」を持っています。
逆にいえば、共振器のあるものがレーザ(発信機)、ないものが光増幅器です。

ここで「共振器」とは、平たく言えば、1対の半透明の鏡を組み合わせた(向き合わせた)ものです。

光増幅器は、外部からの電子とホールの注入によって、または、外部からの高エネルギー光の注入による電子励起によって、電子の反転分布状態を作っています。
反転分布状態は不安定なので、励起状態の電子がランダムに基底状態に戻っており、「自然放出光」(Spontaneous Emission)を発しています。
その自然放出光が誘導増幅されて出てくるのがASE(Amplified Spontaneous Emission)です。
自然放出はランダムに起こってるので、ASE同士は位相は揃っていません。

レーザ(あくまで発信機)では、このASEの中の、共振器で共振するモードだけが誘導増幅されて出てくるので、1つのモードだけを見ると、スペクトル線幅の狭い(つまり位相の揃った)光が出てきます。
# マルチモードの場合、モード間はもちろん位相は揃っていない。

古典的には、共振器の2つの鏡の間を往復できる光だけが、誘導増幅を何度も受けるので、1つの光だけが強くなると考えれば理解しやすいでしょう。

この回答への補足

semikuma様
早速のご回答ならびに詳細なご説明ありがとうございます。
ご説明の中で1点だけわからない部分があるのと、あと1つ質問がございます。

>自然放出光が誘導増幅されて出てくるのがASE
・・・
>ASE同士は位相は揃っていません

一見これら2つは矛盾があるように思うのですが(誘導放出は位相がそろうので)、自分なりに解釈すると、’ある1個の原子の自然放出を起源とするASE(これをたとえば「光1」とする)は位相がそろって出て、別の1個の原子の自然放出を起源とするASE(これをたとえば「光2」とする)はまた別の位相でそろって出てくるが、「光1」と「光2」は位相が異なる’という意味でしょうか?

それとASEそのものについてですが、ご説明から’レーザーになりかけた誘導放出光’という理解でよいでしょうか?
その場合指向性についてはレーザーとは異なる感じでしょうか?

お手数ですがご回答いただければ幸いです。

補足日時:2011/05/27 09:07
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