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現在の推量を表す助動詞は、その確信度(強~弱)に従って並べられたものを辞書や文法書で見かけます。(例えば『ジーニアス英和辞典(第4版)』のmight(助)の(1))

このうち代表的な助動詞4つ (1)may, (2)should, (3)will, (4)must を取り上げると多くのものは以下の順になっています。
(4)must > (3)will > (2)should > (1)may

例えば、Ron is tired after all that hard training. (疲れている)を基準とすると、
(4) Ron “must” be tired after all that hard training. (~に違いない)
(3) Ron “will” be tired after all that hard training. (~のだろう)
(2) Ron “should” be tired after all that hard training. (~はずだ)
(1) Ron “may” be tired after all that hard training. (~かもしれない)
(以上の例文は吉波和彦ほか『ブレイクスルー総合英語(改訂版)』[美誠社]、p.119)より)

(1)
私の興味はこのうち (3)will と (4)mustの相互間の序列についてです。

高校生を対象にした文法書や英和辞典はほぼすべて
(4)must > (3)will       (「説1」とします)
となっています。
確かに、(3)will を「~だろう」、(4)must を~「に違いない」という日本語にするとこの順序になるでしょう。

しかし、文法書の中には
(4)must < (3)will        (「説2」とします)
としているものが一部あります。
(例えば、瀬田幸人『ファンダメンタル英文法』[ひつじ書房]、p.134)

ただし、なぜそうなのかの説明がありません。


(2)
私の直感からすると、英語の感覚により忠実なのは説2のような気がします。

現在の推量を表すwillが、ある事態が未来において判明するという話者の揺るがぬ確信が基底にあるように感じます。ここに「確信度」の尺度で高い位置に置きたいという感覚が生まれるのではないかという気がするのです。

この感覚に基づいて上の文を、日本語の和訳を手助けにして考えなおしてみると、
Ron “is” tired after all that hard training. 
(ロンはきつい練習の後で「疲れている」。)
(3)Ron “will” be tired after all that hard training.
(ロンはきつい練習の後で「疲れているんだ」。)
(4)Ron “must” be tired after all that hard training.
(ロンはきつい練習の後で「疲れているに違いない」。)
ぐらいになるのではないでしょうか。 (3)willを「~んだ」としてみたことにご留意ください。

いかがでしょうか?

A 回答 (3件)

must と will を並べて、どちらが 「確信度」 が高いか、ということですが、どちらも 「確信」 はありそうで、場合によって使い分けているというだけのことではないでしょうか。



下記の辞書の will の項の定義を見ると、

 to express probability or expectation on the part of the speaker

とあって、話者の視点からの 「確信」 であるということが分かります。

 → http://www.thefreedictionary.com/will

また、同じ辞書の must の項を見ると、

 Used to indicate logical probability or presumptive certainty

とあります。

 → http://www.thefreedictionary.com/must

これらを見ると、「確信度」 という 強さの度合い というより、will の方が must よりもやや主観的な要素が強いのかな、という気がします。

will の場合、I'm sure Ron is tired. で、「きっとそうだ」 と 「話者」 が 「確信 している」 ということは分かります。実際に Ron の様子を目にしていたのかもしれません。

他方 must の場合、実際に Ron の姿を目にしているいないにかかわらず、「激しい練習」 をしたのなら、その帰結として 「当然に」 疲れているはずだ、と 断定 している印象を受けます。

ですから、聞く者の立場からすれば、実際に目にした様子から判断した方に説得力はあるかもしれません。そういう意味では will の方が 「強い」 という言い方も出来るのかもしれません。

けれど、目にするしないにかかわらず 「当然の帰結」 としての主張をされると、これも否定することはむずかしいわけで、いわば反論する余地がないわけで、こちらの方が強いのだ、という見方も出来ます。

けれど図式的に 「どちらが強いか」 を示す必要があれば、とりあえず must の方を先に出しておけば 無難 であるような印象はあります。will という語は柔軟性のある語のような印象があり、融通が利く となると、コチコチの must の方を先に出しておけば間違いはないだろうという気持ちになりそうです。

説明にならないかもしれませんが、このようなことを考えました。専門的なことはまるで分からないので、見当はずれなことを書いてしまったかもしれません。いずれ詳しい方の回答があるかと思いますが、お正月なのですぐに回答が得られるかどうか分からないので、とりあえず私見を書いてみました。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>「確信度」 という 強さの度合い というより、will の方が must よりもやや主観的な要素が強い
→ ご回答#2を考え合わせるとますます「なるほどな」と思いました。

お礼日時:2012/01/03 20:58

蓋然性には「事態の蓋然性」と「(推量)判断の蓋然性」があることを知っていれば問題は解決できます。


「must」は前者であり、「will」は後者です。
日本語では「必ず」と「屹度(きっと)」がそれぞれに該当します。

>しかし、文法書の中には
(4)must < (3)will        (「説2」とします)
としているものが一部あります。
(例えば、瀬田幸人『ファンダメンタル英文法』[ひつじ書房]、p.134)
ただし、なぜそうなのかの説明がありません。

主観的な「will」が客観的な「must」より強いとその著者は考えていると思われます。

>(3)Ron “will” be tired after all that hard training.
(ロンはきつい練習の後で「疲れているんだ」。)
(4)Ron “must” be tired after all that hard training.
(ロンはきつい練習の後で「疲れているに違いない」。)
ぐらいになるのではないでしょうか。 (3)willを「~んだ」としてみたことにご留意ください。

(3)Ron “will” be tired after all that hard training.
「きっと疲れていると思うよ。」
(4)Ron “must” be tired after all that hard training.
「必ずや疲れていることだろうよ。」

以上、参考まで。

この回答への補足

>蓋然性には「事態の蓋然性」と「(推量)判断の蓋然性」があることを知っていれば問題は解決できます。「must」は前者であり、「will」は後者です。日本語では「必ず」と「屹度(きっと)」がそれぞれに該当します。

⇒ キーワード・基本概念に関わって以下の3点を教えてください。

(1)
「(推量)判断の蓋然性」という概念について。
このキーワードは「推量」、つまり/あるいは「判断の蓋然性」と理解してよろしいですか? つまり「推量」=「判断の蓋然性」という理解でよろしいですか?

(2)
岩波書店の『日本語の文法3 モダリティー』には以下のような下位区分が分類されています。
●「認識(epistemic、判断)のモダリティー」
の下に
●「判定のモダリティー」
の下に
●「概言のモダリティー」
の下に
●「推量」 or 「蓋然性判断」 or 「兆候性判断」

もし(1)がYESならば、litsa1234さんがおっしゃっている「事態の蓋然性」と「(推量)判断の蓋然性」はそれぞれ岩波の最下位区分にある「蓋然性判断」と「推量」にあたるのかな(?)という気がしますが、いかがでしょうか?

(3)
モダリティー論で言うとlitsa1234さんがおっしゃっている「事態の蓋然性」や「(推量)判断の蓋然性」という概念を簡単に紹介してくれている入門書・解説書を教えてください。できれば日本語によるものがありがたいです。少し勉強したいと思います。

補足日時:2012/01/03 23:34
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

キーワードを教えていだきました。自分が正確にlitsa1234さんのお考えを理解しているのかに自信がありませんので、以下にいくつかfollow upとして教えていただけますでしょうか?

>蓋然性には「事態の蓋然性」と「(推量)判断の蓋然性」がある...「must」は前者であり、「will」は後者です。

→ 
(1) いわゆる現在の推量用法ではmust以外にshould, mayも前者と考えてよろしいでしょうか?
(2) 後者として、現在の推量用法でwill以外には何がありますか?

(3) もし(1)がYESならば、litsa1234さんはwillとmay,should,mustと「確信度」という1つの尺度で強弱を表すことには無理があるとお考えになるのでしょうか?

お礼日時:2012/01/03 20:53

>モダリティー論で言うとlitsa1234さんがおっしゃっている「事態の蓋然性」や「(推量)判断の蓋然性」という概念を簡単に紹介してくれている入門書・解説書を教えてください。

できれば日本語によるものがありがたいです。少し勉強したいと思います。

http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/~sugimura/achivem …
を参考にしましたので参照してみてください。

以上、参考まで。
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