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中学国語教員です。

連文節の問題で、説明できない部分がありますので教えてください。

問 次の各文から文の成分としての連文節に線を引きなさい

(1)昨日の夕方、図書館に行ってみた。
(2)テストが近づいたので、準備を始めよう。

答えは
(1)「昨日の夕方」 「行ってみた」
(2)「テストが近づいたので」

私は、(1)では「図書館に行ってみた」
    (2)では「準備を始めよう」

がなぜ連文節にならないのかがわかりません。

A 回答 (1件)

 気づくのが遅くなり、「すぐに」という期待に添えなかったのは残念です。

早く気づいたとしても、応えられ無かったでしょう。それだけの難問なのです。
 
 学校で教える、いわゆる「学校文法」は橋本新吉氏の文法を基準にしているようです。この人の特徴の一つは「文節」という概念を取り入れたところにあります。ところが、この文節にすでに問題があります。例えばご質問の中にある「テストが/近づいたので」を文節に分ければ、二つになります。ちょっとおかしいのは、「テストが/近づいた」で意味は終わっており、「ので」は不必要です。しかし、文節は「自立語+付属語」なので「ので」が付くのは仕方がありません。このような理屈を言ってもしようが無いので、話を進めましょう。

 文節は「主語」・「述語」・「修飾語」・「独立語」の4種類あります。
橋本氏はつぎに「部」という概念も取り入れました。これは複数の文節(2文節以上)からなるもので、「主部」・「述部」・「独立部」の3つがあります。「修飾部」がないのに注意してください。なぜかと言うと「山国から出てきた君は、こんな雪くらい平気だろう」の、「山国から/出てきた」は「君は」にかかる「連体修飾語」(正しくは節)だし、「こんな/雪くらい」は「平気だろう」にかかる「連用修飾語」ですから、「修飾語」は主部・述部の中に含まれていることになるのです。

 (この外に「節」という概念もあるのですが、これは「連文節」にも関連してややこしくなるので省略します)

 さて、問題の「連文節」ですが、これは「橋本氏」が晩年に行き着いた究極の概念です。いわば主部・述部・修飾語などの中に存在する文節をすべて関連付けて「つながり」を考える方法です。(ただし、「独立語」はそのまま独立させて置きます)

 昨日の/夕方、図書館に/行って/みた   テストが/近づいたので、準備を/始めよう

(1)「昨日の夕方」は一つの「連文節」で、「行って/みた」に係ります。「行って/みた」は補助関係で「行って」の方に意味があり、「行ってみた」はためしに行ったという事を表します。「みる」は補助動詞というよりは「形式動詞」でしょうか。当然連文節です。この文は一つの連文節と一文節が「行ってみる」という述語連文節に係ります。(主語は省略)

(2)「テストが/近づいたので」主述の関係で、連文節です。「準備を/始めよう」の「準備を」は連用修飾語として「始めよう」に係ります。前者は後者の「従属節」という関係でしょう。

 ここまでですが、どこかに落ち度があるかも知れません。あるブログサイトに次のような文が書いてあり、
     道端に子供用のおもちゃが落ちている。
「道端に子供用のおもちゃが」が主部とありました。どうでしょうね。

 最後に添付した画像は、「日本文法大辞典」から拝借した物です。(コピーが汚くて済みません)説明は長くなるので載せません。しかし、左側の縦線をご覧ください。一番左がすべて関連づけたという意味です。
「連文節について」の回答画像1
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この回答へのお礼

大変詳しいご説明ありがとうございました。

しかし私が学校で使っている文法テキスト(○○県中学校国語研究会編)には修飾部があるとしています。
また北原保雄先生著の「表現と理解のための中学文法」にも修飾部があると書かれています。

私は、「隣り合っている二つの文節が『文節どうしの関係(4つ)』のいずれかにあるとき、それを連文節とする」と教えていますがこれは間違いなのでしょうか。

お礼日時:2013/01/31 11:49

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