
配偶者や子供のいない「独身者」(Aさん)が亡くなりました。
「Aさん」は、生前に信託銀行に依頼し、Aさんの面倒を見ていた人(Bさん)を、「遺言執行者」とする「遺言公正証書」を作成し、相続人と相続割合が指定されていました。
ただ、その「遺言公正証書」では、「Aさん」と「Dさん(既に、死亡)」と共有名義である不動産の相続は指定されておらず、相続人で対応するように記載されていました。
しかし、法定相続人に「遺言公正証書」の内容に異論を唱える人が存在したので、相続人で協議した結果、「遺言公正証書」に関係なく、共有名義である不動産を含め、別途「分割協議書」を作成することになりました。
(尚、今回亡くなった「Aさん」と、既に、亡くなっている「Dさん」の法定相続人は、基本的に同じ人です。)
そこで、お聞きしたいのですが、
① 今回の協議に関係なく、「遺言執行者」に指定された「Bさん」が、強行突破して、「遺言公正証書」どおりの内容で、不動産以外の相続ができるのでしょうか。
この場合、当然、他の法定相続人の同意が得られないので、「分割協議書」の作成は不可能ですが、それで、対応可能なのでしょうか。
② 上記①ではなく、新たに協議して「分割協議書」を作成する場合、「遺言公正証書」で指定された「遺言執行者」(Bさん)は、自動的に「遺言執行者」の立場は外れ、金融機関等の窓口となる「代表相続人」を、他に決める必要があるのでしょうか。
③ 「代表相続人」を選定できない場合や、相続協議がモメル場合は、信託銀行は、そこまで対応出来ないので、別途、自分たちで、弁護士を選任する等して対応して欲しいとのことですが、「遺言信託」とは、そんなもので、ノーマルに対応できる場合しか信託銀行は、対応しないものでしょうか。
以上、よろしく、お教え願います。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
『法定相続人に「遺言公正証書」の内容に異論を唱える人が存在した』からといって,他の相続人はそれに従う必要はありません。
判例で認められているのは,「相続人全員が」その遺言の内容を理解した上で,遺言とは異なる遺産分割協議をすることだけです。また,遺言執行者はそんなことに関係なく,遺言に書かれたとおりの遺言執行を行うことができますし,それが遺言執行者の義務でもあります(民法1012条)。判例でも,遺言に従わない遺産分割協議をもってしても,民法1013条を否定することまでは認められていなかったように思います。遺言執行者の遺言執行は止められません。
ということで,
①について
できます。別に強行突破なのではありません。それが遺言執行者に課せられた義務だからで,むしろそれを怠ると民法1019条により遺言執行者を解任されることがあるくらいです。
その遺言執行に際しては,相続人間で作成された遺産分割協議書なんていりません。公正証書遺言の謄本と被相続人の戸籍謄本があれば足ります。
②について
遺言に反した遺産分割協議は相続人間の問題であり,遺言執行者の権利義務に影響を与えるものではありません。相続人がそのようなことをしたからといって,自動的に退任するものではありません(そのような民法の規定が存在しません)。
遺言執行者が家庭裁判所の許可を得て辞任することはできるかもしれません(民法1019条2項)が,その場合,家庭裁判所が後任の遺言執行者を選任するかもしれません(うろ覚えですが,遺言執行者が辞任する場合には,同時に後任の遺言執行者の選任申立てをしなければならなかったような…)。選任されなかった場合には,銀行の求めに応じて,代表を選ぶことになるでしょう。というかそれしかないと思います。遺言執行者には,遺言に従わない遺産分割協議に基づく相続手続きを執行する権利義務はありませんので,そのような手続きを進めることはできませんから。
③について
信託銀行は遺言者から依頼を受けて公正証書遺言の作成に関与したわけですから,遺言に従わない相続をしたいという相続人の意向に応じるわけにはいかないはずです。遺言者の意向に沿わない手続きに協力するなどということは明らかな信義則違反であり,そんなことをしてしまう信託銀行は信用に値しません。ゆえに遺言に従わないのであれば,信託銀行が協力するわけがありません。自前で弁護士を用意しろというのは,ごくごく当たり前の話です(遺言執行者との対立になるために,最悪の場合には裁判になる可能性があります。信託銀行がそこまで考えてアドバイスをしてくれたのであれば,むしろ感謝したほうがいいかもしれません)。
丁寧な回答を有難うございます。
概ね、おっしゃる通りだと思います。
ただ、遺言の内容が特定の相続人にとって、非常に有利な内容であり、その相続人が「遺言執行者」に指定されており、「遺言執行者」以外の全員が、不平等な内容と思っています。
また、遺言は、「Dさん(既に、死亡)」と共有名義である不動産を除く財産の相続について記載されているので、その不動産も含めて、全財産の解決しようとすれば、相続手続きの為に、「分割協議書」が必要になるので、結果的に、全相続人の合意がないと、進まない状況にあります。
よって、不動産も含めた全財産を対象に「分割協議」をし、「分割協議」がマトマリかけていますが、「遺言執行者」は、もともとの遺言内容と異なっているので、もう私は「遺言執行者」ではないと発言しています。
しかし、他の相続人から、「遺言執行者」は信用を無くしているので、連携がうまく行かず、最終的な「分割協議書」作成に時間を要しています。
そう言っても、現在の「遺言執行者」の代わりに手を挙げる人もなく、銀行も、相続の内容には関与しないとの姿勢なので、最終的な詰めに時間を要しています。
そうであれば、当初から、弁護士に依頼をしていた方が、対応が早かった気がしています。
No.3
- 回答日時:
> 「Aさん」以外の相続人には、金額が記載されて
いるのでしたら、当初の質問文
> 相続人と相続割合が指定されていました。
は、虚偽ということですね。またAとBを混用しておられるのでは?
不愉快きわまりないので、ANo.1は撤回させていただきます。
何度も有難うございます。
説明不足で、不愉快な思いをされたようで申し訳ありません。
「当初の質問文」に、「相続人と相続割合が指定されていました。」と記載したのは、アバウトな表現であり、
細かく、「法定相続人(=E、F、G、H)の相続金額と、その残り全て(但し、「Dさん(既に、死亡)」と共有名義である不動産は除く)の全財産をBに相続する」と記載すべきでした。
また、「お礼」に際し、「AとBを混用」しておりました。重ねて、お詫び申し上げます。
No.1
- 回答日時:
1.遺産執行者Bさんにも、亡A遺言で相続割合が付されているのでしょうか?
2.共有者DとAの死去の順番は?
3.亡D相続人は、亡Aから見て甥姪という関係でしょうか?
1が「はい」だとして書かれた内容からして判断するに、Bは包括受遺者といい、法定相続人と同じ権利義務を持ちます。ですので、
1)遺産を特定して遺贈する内容(特定遺贈)の遺言でないので、Bを含む法定相続人間で遺産分割協議が必須です。協議が成立していない以上、遺言にかかれた相続割合での、遺産はBを含む相続人間で共有状態です。協議が成立せずになにかを単独所有することはできません(預貯金も同様)。遺言の相続割合はいってみれば指標でしかなく、全員納得合意すればいかようにでも分割できます。
2)いいえ、辞任しないかぎり、就任したら職務を執行できます。ただし銀行窓口での扱いは、銀行が主導しますので銀行に問い合わせください。
3)信託銀行がお手あげなら、その限りでしょう。生前遺言をのこす、遺産引き渡しまで預かる、相続人のためのでなく、遺言者へのサービス(有償)商売と思われます。
アドバイスを有難うございます。
疑問の点は、
「1.遺産執行者Bさんにも、亡A遺言で相続割合が付されているのでしょうか?」については、
「Aさん」以外の相続人には、金額が記載されており、「Aさん」は、その残り全て(但し、「Dさん(既に、死亡)」と共有名義である不動産は除く)記載されています。
「2.共有者DとAの死去の順番は?」については、「Dさん」の方が先に死亡しています。
「3.亡D相続人は、亡Aから見て甥姪という関係でしょうか?」については、「Aさん」と「Dさん」は兄弟であり、それぞれの相続人は、代襲相続人である甥姪です。
また、「Bさん」(遺言執行者)は、法定相続人の一人です。
1)については、「NO2さん」が回答されている様に、遺言執行に際しては,「分割協議書」なしで、執行できるのが正当な気がします。
ただ、「Dさん(既に、死亡)」と共有名義である不動産の相続手続きが終了していないので、その不動産の相続手続きの為に、「分割協議書」が必要になるので、結果的に、全相続人の合意がないと、進まないのだと思います。
3)については、信託銀行が「お手あげ」と言うより、銀行としては「調停作業はしない」ので、遺言どおり執行するのを前提で引き受けているようで、それ以外の場合は、相続人で話し合うか、弁護士に依頼して欲しいようです。
ただ、決まれば「分割協議書」は作成し、その後の手続きは行うそうです。
その割には、手続き費用(有償)は請求するので、当初から、銀行として出来る範囲を明確にすべきて、銀行の態度が曖昧なので、時間を無駄にしています。
それが分かっておれば、弁護士に依頼した方が、手続きが早いように思えます。
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