「酢酸ビニルから得られるエステル結合をもつ高分子化合物を加水分解すると、水溶性の高分子化合物であるポリビニルアルコールが得られる。」
という文に対して
「重合させて得られた高分子化合物中のエステル結合を加水分解すると平均重合度500、平均分子量2.62×10⁴の水溶性の高分子化合物ポリビニルアルコールが得られた。重合で得られた高分子化合物中の加水分解されたエステル結合の割合(%)をもとめよ。」
という問題があります。
それに対する解説が
「平均重合度500のポリ酢酸ビニルについて、加水分解されてビニルアルコールとなった部分の重合度をnとすると平均分子量は2.62×10⁴なので
8.60×(500-n)+44.0n=2.62×10⁴
∴n=400
よって加水分解されたエステル結合の割合は
400/500×100=80.0[%]」
なのですが問題の平均重合度、平均分子量はポリビニルアルコールのことを言ってるはずなのにどうして解説でポリ酢酸ビニルの重合度がいきなり500になるのか分かりません。
大学の過去問なので他の解説も見たのですがこれ以上詳しいものはどこにもありませんでした。
長々とすみません。どなたか詳しく解説おねがいします。
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
おそらく、混乱の原因は、
問題文で「ポリビニルアルコールっぽいもの」を「ポリビニルアルコール」と呼んでしまったり、
解答例で No.4 の m のことを「ビニルアルコールとなった部分の重合度」と言ってしまったりする
言葉遣いのいい加減さにあると思います。m については、他に適当な言葉も見つからないんですがね。
問題文の「ポリビニルアルコール」については、工業的にそう呼ばれてしまっているという背景があります。
ポリビニルアルコールを生産するには、問題のようにポリ酢酸ビニルを加水分解して作ります。
ビニルアルコールが不安定な物質で、これを重合しようとすると、先にモノマーのほうが壊れてしまうため、
酢酸ビニルの形で重合して、後からエステルを分解するんです。でも、このとき
全てのエステルが分解できるわけではなくて、一部酢酸がついたまま残ってしまうのです。
そのようにして生産された「ポリビニルアルコールっぽいもの」がポリビニルアルコールとして流通しています。
No.4
- 回答日時:
ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルを重合して作るもので、
ビニルアルコールが混入する余地はなく、ポリマーを構成する
全てのアルコール基が酢酸エステル化されています。
それを加水分解して得られる「ポリビニルアルコール」は、
エステル結合の中に分解されたものと分解されてないものが
混じっています。「ポリビニルアルコールっぽいもの」であって、
本物のポリビニルアルコールではありません。そこで、
エステル結合の中で分解されたものの割合を問う問題なのです。
重合度 n のポリ酢酸ビニルの分子量は、
酢酸ビニルの分子量が 86.0 なので、86.0×n です。
重合度 n の本物のポリビニルアルコールの分子量は、
ビニルアルコールの分子量が 44.0 なので、44.0×n です。
全体の重合度が n で、一分子あたり m 個のエステルが
分解されている「ポリビニルアルコールっぽいもの」の
分子量は、44.0×m + 86.0×(n-m) です。
n = 500,
44.0×m + 86.0×(n-m) = 2.62×10^4 のとき
比 m/n を%表示で答えなさい.と言われているのです。
No.3
- 回答日時:
>最初のポリ酢酸ビニルと分子量が変わらないという解釈で大丈夫ですか?
そんなはずはないでしょ。加水分解しても変わらないのは、重合度です。
加水分解したら、エステル結合してた酢酸がはずれるんだから、分子量は減りますよ。
その差から、「エステル結合の割合(%)」が計算できるんでしょうに。
No.2
- 回答日時:
写真の解説の「加水分解されてビニルアルコールとなった部分の重合度を」
という言い方は、よくありませんね。答案に書けば減点されるレベルです。
状況を理解しましょう。酢酸ビニルを重合させてポリ酢酸ビニルを作ったら、
平均重合度500のものができた。それのエステル側鎖を加水分解したら
ポリ酢酸ビニルのような、ポリビニルアルコールのような、中間的なもの
ができるが、平均重合度500であることは変わらない。エステルが分解された
側鎖の割合を求めたい.ってことなんですよ。シカケが500個付いたハエナワの
全てのシカケにカツオが掛かっていたものから、カツオをはずしていったとでも
考えてください。カツオをはずしたシカケの割合はどれだけか?という問題です。
ポリマー1分子あたりの加水分解された側鎖の数を表す適当な言葉が無い
ために、その解説は、それを「重合度」と呼んでしまっているんですね。
別に、側鎖の加水分解によって、高分子の重合度が変わったわけではないんです。
No.1
- 回答日時:
ポリ酢酸ビニルは、酢酸ビニルのビニル基が重合して
高分子となったもので、この問題で加水分解した
酢酸とのエステル結合は、この重合鎖の側鎖にあります。
つまり、加水分解してポリビニルアルコールになっても
重合度は変化しません。
ポリ酢酸ビニルとポリビニルアルコールの重合度は同じです。
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回答ありがとうございます。
図を乗せたのですが一部のみが加水分解されていてそのポリビニルアルコールの重合度が500なのでは?と思ったのですが…
あと重合度が同じでも平均分子量が変わってしまうように思うのですが…
具体的にはこの写真中央部の(3)のところの図です。
問題文が加水分解された一部のポリビニルアルコールの重合度が500、平均分子量が2.62×10⁴というように捉えられるとおもったのでこの立式もいまいちよくわからないのですが…
詳しい解説ありがとうございます。
重ね重ねの質問で申し訳ないのですが、
問題文の「平均分子量2.62×10⁴の水溶性の高分子化合物ポリビニルアルコールが得られた。」というところはポリ酢酸ビニルのような、ポリビニルアルコールのような、中間的なものの全てを併せた分子量であるから最初のポリ酢酸ビニルと分子量が変わらないという解釈で大丈夫ですか?
それでは、平均分子量はポリビニルアルコールなのに式及び図では8.60×(500-n)+44.0n=2.62×10⁴とポリ酢酸ビニルのもののように扱われているのでしょうか?
重合度が変わらないのは分かったのですがそこがひっかかっているので…
何度もすみません。