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 脳卒中などになると、初期は筋力が低下して弛緩するけど、
後の方になって来ると、筋力が亢進して痙縮するするという
内容の話を知りました。
 筋力(つまり人)にとってはどちらの方が良い状態なんでしょうか?
 よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

「充分コントロールされた随意的筋収縮力=筋力」と、「反射や筋緊張異常による筋収縮(あるいは連合反応による筋収縮力)」を混同してはなりません。



筋緊張異常を増悪させないよう上手にコントロールしながら、良い運動や刺激入れを行っていけば、運動機能は少しづつですが右肩上がりに改善していきます。

ですから「弛緩状態(Br.stage1)」と「痙性や共同運動が強く発現する状態(Br.stage2・3)」というのは、単に対になっている状態という訳ではなく、麻痺の回復の順番を述べているに過ぎません。
*(文字化けしないように普通数字で書いてます。)
   

その先には、次第に余計な緊張が取れてきて、大雑把な動きではなく細かい動作(分離運動)が徐々に沢山できるようになっていきます。
*この順序を表しているスケールとしてよく使われるものに、上記の「ブルンストローム・ステージ」があります。

ただ、お馬鹿なセラピストや自己流の訓練によって、筋トレのイメージで訓練を行い続けてしまうと、Br.stageでいう2あるいは3のところまでしか辿り着けません。つまり、筋緊張異常が強くなるだけで「実用的に使える動作を獲得不能」となります。

実際の臨床の観点から言えば、

弛緩状態の場合は、腕や足がぶら下がっているだけなので、感覚障害がある場合などは何処にあるかわからずに潰してしまったり関節をひねって損傷してしまったりし易いです。むくみも出易いです。

錐体路障害による筋緊張異常(痙性)が強い場合は、きちんとストレッチや関節運動をしておかないと、関節可動域が少なくなってしまいます。場合によっては曲がっているところの皮膚がグチャグチャになったり、首や胸郭の可動域低下により、誤嚥物を吐き出せなくて肺炎→死亡したりします。

繰り返しになりますが、
上手く緊張を落としつつ関節可動域訓練やコントロールする訓練をおこなっていけるのであれば、痙性が出ている状態というのは、弛緩の次の段階なので、より良いと言えます。
ただ、こういった訓練をしっかりおこなえる環境に無いのであれば、弛緩状態のままのほうが、関節可動域低下を加速させる改悪要因が少なく、予後は良好に保ち易いです。(但し、靭帯が縮んだりしないよう、また、末梢循環を促すためにも、やはりリハビリは必要です。)

以上、ご参考まで
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この回答へのお礼

 分かりやすい説明をどうもありがとうございました。
 弛緩と痙縮が対の言葉として考えてはいけない事が分かりました。
場合によって良い状態が違う、という事も覚えておきたいです。
 ありがとうございました。

お礼日時:2006/04/20 13:12

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