現在借地上に自己の住居を所有しております。(土地に賃借権・地上権の登記はしておりません。建物の所有権登記のみです。)地主から借地を買取りたいのですが(1)適正価格の決め方について。路線価図の上部に「借地権の割合○○%」とありますが、例えば借地価格が1000万円の場合、借地権の割合が60%とするとあと400万円を地主に払えば売ってもらえるという考え方は根拠になりえますでしょうか?(2)路線価図の上部にある「借地権の割合○○%」の「借地権」とは借地契約後何年位経過すれば主張できるものなのでしょうか?(借地契約後数年で所有権の○○%を主張できる訳ないですものね。)または賃借権・地上権の登記をしておかないと主張できないものなのでしょうか?お願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
1.適正価格の決め方について
路線価図の借地権割合は、相続財産の評価等に使用するのが主たる目的ですので、借地権又は底地の取引価格の目安となるものではないことにご注意ください。取引価格の決定はあくまで当事者(借地権者および底地所有者)の合意によりますので、路線価図の借地権割合を目安に決める場合もあれば、まったく関係なく取引価格を決めることもあるわけです。底地所有権を第三者が購入する場合と借地権者が購入する場合とでは、前者の場合には経済価値があまり大きくないものになりますが、後者の場合は借地権者にとっては非常に経済価値のあるものになりますので、まったく同じ底地所有権の取引でも価格は全然違うものになるのです。従って、質問の「1,000万円の土地~400万円払えば」にお答えするならば、「もっと安くてもいい場合もあれば、高くしないと買えない場合もあります」としかお答えできないものになります。底地所有権者の経済的事情にも左右されますので、「借地権なら完全所有権の何%です」とは言い切れないのです。
2.借地権の主張について
「借地権」の定義を確認なさったほうがよろしいように思います。借地借家法では「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」ということになっていますので、要は地上権又は土地の賃借権のうち建物を所有するためのものである場合ということだと考えていいと思います。そして、地上権や賃借権は、対象となっている物件の所有者と借りたい人との契約によって発生しますので(一部例外あり:法定地上権)、契約の効力が発生した瞬間から賃借権は発生すると考えるべきものであり、何年経過すれば主張できるといった意味合いのものではないということになります。さらに「借地権者が所有権の○○%を主張する」という表現は言い回しとしては不適当で、借地権と所有権は完全に別個のものであり、めいめいの経済価値の指標として。借地権は所有権の○○%と捉えることもできるというだけに過ぎません。(あるいは底地は完全所有権の経済価値から、借地権の経済価値を引き去ったものだと捉えることができる、ということ。)また、「主張する」とは借地権者が誰に対して主張するのかという点がちょっとわかりません。底地を買い取る場合にはいくら主張してみたところで客観的かつ絶対的な指標というものは存在しませんから、底地所有者に否認されてしまえばそれまでです。実際の取引はあくまで取引当事者の合意によって内容を決めるわけであり、裁判所で「俺の方が正しいから俺の意見に従うべきだ」という主張を繰り広げて結論を出してもらう、といったものではありません。もっとはっきり言えば、売主と買主の力関係で決まるということです。
なお建物所有を目的とする地上権・賃借権(=借地権)については、建物の登記を自己名義で行うことにより、その存在を第三者に対抗できることになっておりますので、地上権設定登記又は土地賃借権設定登記は必ずしも必要ありません。
ご回答有難うございます。借地権の価格評価をあえてすると所有権の何割くらいに該当するのかを知りたかったものでして。参考になりました。
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 相続・贈与 相続放棄と相続による建物登記 3 2022/06/14 16:41
- 法学 地上権 合意解除と第三者について 1 2023/07/02 23:02
- 借地・借家 民法179条(混同)の解説 1 2022/08/03 09:58
- 法学 269条2 区分地上権について 1 2022/06/14 04:26
- 借地・借家 故人名義の借地物件の相続登記と賃貸借について。 1 2022/04/07 23:45
- 借地・借家 定期借地を購入する時の土地の値の考え方を教えて下さい。 3 2023/02/03 16:09
- 借地・借家 至急お願い致します。 金銭消費賃借契約書と抵当権設定登記について 親から土地代を分割で払うのですが、 1 2023/08/22 10:33
- 借地・借家 家を売却することになったが節税したい。 1 2023/02/02 11:44
- 法学 反訴について 1 2023/03/11 15:00
- その他(住宅・住まい) 借地権の一戸建てを購入した際のデメリットは 6 2023/05/26 13:49
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
地権者とは?
-
店子が引っ越してくれません
-
借地権を地主さんへ返還したい...
-
借地権の譲渡に対する地主の承...
-
借地の固定資産税について
-
25年前の借地契約更新。借地更...
-
事業用定期借地権の転貸につい...
-
路線価図の借地権割合について。
-
東京都世田谷区の借地に住んで...
-
借地権の名義変更について教え...
-
借地権のある借地の地代金の算...
-
電線を移動する際の費用負担は...
-
買った家の隣がヤクザだった
-
本家・分家・新家???
-
土地の所有権と既得権、どちら...
-
抵当権抹消と滅失登記
-
屋敷と邸の違いは?
-
境界杭の位置と塀がずれている...
-
どうして河川敷で農作しちゃい...
-
誰でも建てられるのか。 ①父親...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
地権者とは?
-
事業用借地権と事業用定期借地...
-
車庫証明について
-
旧借地権と 新借地権についてお...
-
借地の更新料、経費として認め...
-
一筆の土地と複数の借地権
-
私道の使用料2
-
事業用定期借地権の転貸につい...
-
このたび個人間売買で借地を購...
-
お寺の土地に建てた家リフォー...
-
借地権?貸家建付地??
-
土地区画整理組合総会の1票の...
-
土地の借地権に関する規定はあ...
-
借地権契約について
-
相手から借地を返したいと言わ...
-
借地権について
-
現在の貴族の領地と徴税権 現在...
-
定期借地を購入する時の土地の...
-
共有名義の建物の名義変更に伴...
-
中古戸建てでの旧法借地権の新...
おすすめ情報