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私は歴史が好きなので、ここの歴史カテでも時々回答させていただいております。

しかしながら、歴史はマンガで覚えた知識しか持ち合わせていないため、テキトーなところも否定ができません。

そこで、前から思っていた疑問を教えていただきたく今回質問させていただきました。

ポツダム宣言受諾は無条件降伏になるのか?
それとも(有)条件降伏になるのでしょうか?

ご存知の方、理由も添えてお答えいただければ幸いです。
何卒宜しくお願い致します。

A 回答 (13件中11~13件)

No1です。


そもそも「無条件降伏の定義」が問題になりますよね。
広辞苑を引きますと「兵員・武器その他一切を、無条件に敵に委ねて降伏すること」とあります。なお、「有条件降伏」というコトバは聞いたことが無いですし、広辞苑にも掲載されておりません。
「降伏」を同じく広辞苑で引きますと「敗戦を認め敵に服従すること」とあります。

「例えば[無条件降伏]とは、戦勝国が敗戦国に降伏を求めて、その際に戦勝国が提示した条件以外に敗戦国が[何も条件も付けなければ]無条件降伏になるのではないか?」

要するに
「相手の出した降伏条件をそのまま受け入れて降伏すれば『無条件降伏』」
という定義づけでしょうか。広辞苑の定義とはかなり違いますし、私の考える「無条件降伏」の定義とも違います。何にそのような「無条件降伏の定義」があるのでしょうか?

さて、アメリカは1945年に至るまで、日本に対し「無条件降伏しか認めない」という態度を取り、一切の交渉を拒絶していました。日本が無条件降伏したら、武装を完全に解除し、工業力を全て奪うという、イギリスがインドに対して行ったような扱いを考えていたと言われます。

日本は「国体護持(天皇制維持)」を第一条件として戦いを継続していたわけですが、アメリカが「無条件降伏しか認めない」と言い、前述したような「アメリカの対日処分案」が漏れ伝わってくるわけですから、「本土決戦」を呼号するようになるのもある意味当然です。何故かと言うと、日本本土の国土で農業で養えるのは江戸時代の人口約3千万人程度、農業技術の進歩を加味しても「生活水準を江戸時代まで落とす」前提で5千万人行かないでしょう(正確な見積りは不可能ですが)。

当時の日本の人口は、1944年の内地人口が約7400万人、外地人口を加えて8000万人を割る程度でしょうか。つまり、「無条件降伏による日本のインド化」は、「日本人の半分は餓死するか国外に流浪する」と言うに等しいことで、「国体護持=天皇制維持」を仮に無視しても、日本としては絶対に受け入れられないのです。ですが、主敵であるアメリカが「降伏条件の交渉は受け入れない」と表明している以上どうにもなりません。なお、「無条件降伏」という概念は、アメリカが19世紀にインディアン諸部族との「戦い」で、インディアンに対して突きつけたものだと聞いています。ローマ帝国によるカルタゴ征服、オスマントルコによる東ローマ帝国征服なども結果として「全てを勝者に委ねる無条件降伏」と言えなくもありません。

さて、アメリカは前述のように1945年までは「日本に降伏条件を示さない、交渉に応じない」方針を取っていたのですが、硫黄島と沖縄で予想以上の損害を受け「日本を粉砕するのはアメリカにもリスクが大きい」と判断しました。折しもルーズベルト大統領が死去してトルーマン大統領に代わり、「日本に降伏条件を与え、降伏する機会を与えよう」という機運になりました。その結果が「ポツダム宣言」です。

日米開戦以降、アメリカから示された「最初で最後の降伏条件」がポツダム宣言であった事実に注目して下さい。

ポツダム宣言の中の

十、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ

十一、日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ

は、「日本から工業を奪わない。日本人の生存権を『一応』保証する」と言う意味で、非常に重要な事項です。

なお、1960年代の高度成長期まで、日本政府が常に「人口過剰」に悩んでいたこと、日本政府が余剰人口を世界のあらゆる地域へ移民を送り出そうとしていたことはご承知でしょうか。

「日本人移民を歓迎する国」は基本的に存在しませんので、ブラジルのアマゾン流域(人がまともに住めない場所)や、パラグアイ、ボリビア、ドミニカ等の当時の日本より明らかに貧しい国へ移民が送出され、悲惨な事態が起きました。幸いにも実現しませんでしたが、「カンボジアへの移民送出」も検討されていたとのことです。

(参考文献)
外務省が消した日本人 南米移民の半世紀
若槻泰雄/著 毎日新聞社
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=30869284

仮に「日本が本土決戦を強いられて無条件降伏し」「日本のインド化」が実行されていたら、何が起こったか?上記を何倍にも増幅した悲劇が起こったと推定されます。それを防いだのが
「ポツダム宣言を受け入れての(有条件)降伏」
でした。
※ 広島・長崎での原爆の惨禍、ソ連参戦によるソ連占領地区での悲劇は起きてしまいましたが…

なお、「天皇制の維持」は、当時の日本の権力者にとっては重大問題でしたが、日本民族の運命から見れば「些事」に過ぎません。昭和天皇が御前会議で「自分の身はどうなっても良いから国民を助けたい」と言った通りです。

この回答への補足

回答ありがとうございます。


>「相手の出した降伏条件をそのまま受け入れて降伏すれば『無条件降伏』」_略_
何にそのような「無条件降伏の定義」があるのでしょうか?

私も、その[無条件降伏の定義]がはっきりわからないため、今回質問させていただいたということもあるのですが、ただ上記が[無条件降伏の定義]であったとしても、日本はポツダム宣言のさいに、アメリカに[国体の護持]を打診しています。

そこで、アメリカからの回答[バーンズ回答]をどう解釈するかで、[無条件降伏]か[条件付降伏]なのかが決まってくるのではないかと考えています。

ただ、私の考えは根本から間違っている可能性もありますので、皆様のお知恵をお借りしたく、今回質問させていただきました。

補足日時:2008/01/29 10:32
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こういう言葉遊びはあまり好きではないのですが、



相手国の突き付ける条件(ポツダム宣言の条件)に何も異を唱えずに降伏する→無条件降伏
相手国の突き付ける条件にさらに条件を加えて相手国が了承の結果降伏する→有条件降伏

ポツダム宣言受諾は、日本とアメリカで「国体(天皇制)の護持」という密約ができた結果降伏したという説と、そのような密約は無く、無条件で日本が折れたという説があり、
前者なら有条件降伏、後者なら無条件降伏といえるでしょう。
「だから何だ」とは思いますが。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

そうですね。問題は、まずは[無条件降伏の定義]ということになると考えています。

まことにありがとうございました。

お礼日時:2008/01/29 11:17

まず、ポツダム宣言の原文をちゃんと読んでください。


http://www.ndl.go.jp/constitution/etc/j06.html
当時の日本政府の公式の訳ですので漢字カタカナの文語体で読み辛いですが、この「宣言」が、要するに「日本に降伏条件を示したもの」であることが分るでしょう。

(前略)
五、吾等ノ条件ハ左ノ如シ
吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス
六、吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス
七、右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマテハ聯合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スルタメ占領セラルヘシ
八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ
九、日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ
十、吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ
十一、日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許可サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ
十二、前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ聯合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ
十三、吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス

この降伏条件を受諾しての降伏ですから、当然「有条件降伏」です。なお、ポツダム宣言で連合国が示した「吾等ノ条件」は、アメリカ・イギリス・中華民国によっては概ね遵守されています。

ポツダム宣言が出されてしばらく経って、対日宣戦してから「宣言に加わった」と称するソ連は「吾等ノ条件」など全く存在しないかのように振舞いました。その典型事例が
「日本軍将兵のシベリアへの拉致、奴隷としての使役」
です。

なお、「無条件降伏」というのは、ヒットラーが自殺してベルリンが攻略され、ドイツ総統の地位を引き継いだデーニッツが1945年5月7日に行った行為です。このドイツの連合国に対する降伏では「停戦する」以外には全く条件がなく、文字通りの「無条件降伏」で、勝者に全てを委ねるものでした。

この回答への補足

回答ありがとうございます。

よくこの歴史カテではANo.1様の回答を参考にさせていただいています。いつも思うのですが、かなり歴史をお詳しいですね。

私も条件付降伏と思っておりますが、下記の疑問があり、どこからどこまでが、無条件降伏なのかが少しわからなくなってきたので、今回質問させていただきました。

例えば[無条件降伏]とは、戦勝国が敗戦国に降伏を求めて、その際に戦勝国が提示した条件以外に敗戦国が[何も条件も付けなければ]無条件降伏になるのではないか?

このポツダム宣言の場合もおっしゃるとおり条件は付いています。
しかし、この条件以外に日本が希望する条件を連合国に要求し、それを連合国がのまなければ[(有)条件降伏]にはならないのではないか?

もし、そうであったしても日本は[バーンズ回答]で連合国から条件を引き出していると私は思っているのですが、それでもなお、今でも学校では無条件降伏と教えているようなので、自信がありませんでした。

補足日時:2008/01/28 18:24
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