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ドーマーの定理と言えば財政関連の話題ではおなじみの単語で
ニュースやシンクタンクの分析記事にもたびたび登場しますが
ドーマーの定理って要するに微分式ですよね。
△(D/Y)=△D/Y-D/Y・△Y/Y
ならDとYは独立していなければなりません。しかし、国債が
GDPに全く影響を与えないというのはあり得ません。
つまり双方は独立していないということですよね。
だったらドーマーの定理は成立しないことになるのですが
でもドーマーの定理の条件を満たした前提で計算すれば
GDP比で債務が発散することはありません。
この矛盾がどうにも理解できません。

A 回答 (1件)

おーっ、同じこと感じてる人を発見!!!!



僕も、他の経済学の法則だなんだかんだに関して、あなたと同じひっかかりを持ってます。σ(-。-;



以下は、経済系学科の出身ではなく、ちゃんと勉強したことのない人間の、勝手な感想なのですが・・・


1)
ドーマーの定理は、単なる「計算上はこうなる」という説明ではないのですか?
前提となる条件が成り立てば、ドーマーの定理は必ず成立するとしか言いようがありませんよね。


2)
マクロ経済学や財政学を考える上で、この定理が有用かという点に関していえば、
  「(名目GDP成長率>名目長期金利  という状況が、現実に長期間持続する可能性はどのくらいあるか」
にかかっていると思います。

対GDP比が一定値で収束するに至るまで、相当の長期にわたってドーマー条件が成立してなきゃいけないわけですよね。

過去の例を見ると、ドーマー条件は、名目成長率がかなり高くないと成立しない(名目マイナスでは実質プラス成長でもぜったいだめ)。
日本も70年代はかなり差があったようですが、その後は長期金利のほうがずっと高くなっています。


http://electronic-journal.seesaa.net/article/144 …
これ↑見ると、現在は満たしているように見えますが、もう条件が変わっちゃいましたよね。
諸外国を見ても、80年代以降は、OECD加盟国のほとんどが、ドーマー条件を満たしていないとのこと。

ライフサイクル仮説からいえば、少子高齢化が進む日本は、もうドーマー条件をあてにできないのでは?

日本に関して「ドーマー定理で云々」っていうのは、定年間近で昇級が頭打ちの年代の人が、収入増に期待して借金を重ねるようなもんじゃないかと思います。



3)
おっしゃる通り、財政支出はGDPに影響しますよね。
また、財政赤字は長期金利にも影響するし、国民貯蓄(政府貯蓄+民間貯蓄)が経常収支に影響する以上、財政赤字も経常収支に影響。

だから、確かにへんですよね!
他の変数が一定なら、GDPは財政支出の関数になるっていうのが、サミュエルソンの45度線分析であったはず。


でも、それを言い出したら、経済学の「法則」なんて、そこらじゅう循環しちゃってると思うのですが。。。
(考え始めると、あれもこれも納得できないです。)

例えば、45度線分析の前提の一つは、「物価一定=労働市場は考慮しない」。
でも、完全雇用に達するまで賃金一定なんて、現実には有り得ない。
そんなこと、サミュエルソンだって承知の上で、単純化したモデルを作ったんだと思います。

ドーマーの定理も同じではないでしょうか? ←ド素人の想像です。


ここらへん、経済学を専攻した方に説明していただければ嬉しいです。



4)
フリードマンによると、財政赤字が限度を超えて増大すると、市場の資金を国債が吸い取って、金利が上昇する(クラウディング・アウト)ことになってますよね。
一方で彼は、国債の資産効果によって、消費が刺激されるという逆の効果があるとも言う。

金融の国際化によって、クラウディング・アウトは起きにくくなったと言っている評論家もいました。

FRB前議長バーナンキは、去年までの世界的好景気と低金利の両立を「謎」と呼んだそうですが、専門家もうまく説明できないくらい、金利って複雑なメカニズムで決まるんだろうと想像してます。


5)
少なくとも、ドーマーの定理は、「名目経済成長率がマイナであることの危険」を教えてくれます。
仮に、プライマリーバランスが黒字化しても、(名目金利はマイナスになれないから)名目マイナス成長が続いちゃダメ、ってわかりますからね。

その意味では、いまの日本にとって有用だと思います。


ただ、ドーマー条件を満たすために、名目成長率(実質成長率+物価上昇率)を上げようとすると、今後の日本は労働人口が減って、実質マイナス成長が続きそうですから、それをカバーするだけ物価が上がらなければいけませんよね。

でもそれじゃ、インフレ期待で長期金利がすごく高くなるでしょう。
まして財政赤字が止まらない状態で、インフレが進行したら、国債が暴落しそうです。



6)
ドーマーがどうのこうの言う以前に、プライマリーバランスの黒字化さえできないんじゃぁ。。。

団塊の世代が介護を受け始めるまで、あと何年あります?  (T-T)
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます

>1

そうですね。まぁ結局計算に用いる数字は「その年の結果」ですから「成長率」「金利」「GDP」とかいうラベルを外して考えればいいのかもしれません。国債によってもたらされた成長だろうがイノベーションによりもたらされた成長だろうが、増えるGDPは同じですからね。

>2

それに関して言えば見解は真っ二つですね。「金利>成長がデフォだ」って人もいれば、竹中氏など上げ潮派のように「成長>金利がデフォだ」って人もいる。まぁどうなるかわからないってことですね。財務省は推計の際には「金利>成長」って前提でやってるみたいです。金利が超過した際GDP比で均衡を保つには、その分PBを黒字にする必要があります。

>4

需要は何も市場の懐の温かさだけで決まるわけではありませんからね。今の日本の低金利は海外の連中から見ればかなり異様な光景に映るのだそうですね。無税国家論なんて話が出るくらいに。

>5

みずほ総研の試算ですが、まったくの無策だと2020年代には潜在成長率がゼロになってしまうのだそうです。回避策として、移民受け入れや外資の呼び込みなどが挙げられていましたが、最近になってそれらに向けた動きが加速してきていますね。特に移民受け入れなんかを与党の有力者が本格的に提言するようになったのは大きな変化だと思います。賛否両論あるようですが、私は移民受け入れには賛成の立場です。

>6

まぁいざなぎ超えと言ってもデフレのせいで平均名目成長率は1パーセント程度でしたからね。それでも10兆円を超える大幅な赤字削減を達成できたのは大きな成果だと思いますし、政治家が本格的に放漫財政の撲滅に向けて動き出すようになったのも、この5年で得た大きな成果の一つでしょう。財政再建が進むにつれ危機感がなくなってしまわないか心配ですが・・・

質問の内容と少し逸れてしまいますが、財政先行きに関しては、そこまで私は心配していません。

お礼日時:2008/08/25 17:58

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