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よろしくお願いします。
某私立の高校入試(理科)で、下記のような問題が出題されました。
答えがよくわからなかったので、教えてください。

鉄と硫黄が化合して硫化鉄ができる反応では、熱が発生します。これは、化学変化において「熱の発生が多いほど、その反応が進みやすい」ことを示しています。しかし、この考え方だけでは吸熱反応が進む理由として十分ではありません。どのような考え方を加えれば、吸熱反応が進む理由を説明することができますか。考え方としてふさわしいものを、次のア~エから1つ選び、記号で答えなさい。
ア 物質が化合物から単体になる化学変化は進みやすい。
イ 物質が単体から化合物になる化学変化は進みやすい。
ウ 物質を構成している粒子がまとまる化学変化は進みやすい。
エ 物質を構成している粒子が散らばる化学変化は進みやすい。

どなたか、根拠も含めて、ご教授いただけると大変助かります。よろしくお願いします。

質問者からの補足コメント

  • 早速のコメントありがとうございます。ちなみにこれは昨日行なわれた、愛工大名電高校という高校の入試問題の1問です。
    すなわち、貴殿の見解は、「これはそもそも問題として成立していない」ということでよろしいでしょうか?

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2017/02/09 20:39

A 回答 (5件)

全部間違い。

化学では化合物は基本的に化学平衡から逃れられない。簡単にすると化合物AとBが反応して化合物ABができる「可能性があるとき」、それがどんな不利な反応でも必ず反応は起こる。もちろん全てがABになることは無く、その比を表わすのが平衡定数であり、発熱(吸熱)エンタルピーと数学的に厳密な関係がある。
これ以上は「反応エンタルピー」で調べること。
この回答への補足あり
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>レス有り難うございます。


プロフィールに書きました様に私は化学で学位を取りました。愛工大は知っていますが、高校の入試では仕方が無い、それにしてもレベルの低い高校だとあきれます。さらにこの出題は国語的にもおかしい。最初の二つでは単体と化合物ですがそれらの反応を全てどれかに押し込めようとするのは愚劣。後の二つでは「まとまる」という化学では使われない術語が使われている。残念ですがお話になりません、生徒は可哀相だ。
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この回答へのお礼

返答ありがとうございました。
実際にこの問題を解いた生徒も、「粒子のまとまり」「粒子の散らばり」という言葉をどう解釈するべきか、とても戸惑っている様子でした。
勉強になりました。

お礼日時:2017/02/12 18:26

考え方としてふさわしいのは、「エ 物質を構成している粒子が散らばる化学変化は進みやすい。

」です。

根拠、というか問題の解き方としては、吸熱反応の例を思い浮かべればいいです。中学理科で習う範囲では、吸熱反応はすべて、固体同士が反応して液体か溶液か気体ができる反応か、固体と液体が反応して溶液か気体ができる反応か、液体か溶液が反応して気体ができる反応になっているはずです。教科書や参考書で確認してみてください。物質を構成している粒子の散らばり度合いは、固体→液体→溶液→気体の順に大きくなりますから、問題の答えは(エ)であることが分かります。

他の選択肢については、まず(ウ)は、(エ)と真逆のことを言っているので間違いです。残りの(ア)と(イ)は、先ほど思い浮かべた吸熱反応の中に「化合物から別の化合物になる化学変化」が含まれていることから、どちらも吸熱反応が進む理由としてはふさわしくないことが分かります。

上の説明では不十分なところがあるかもしれません。もし教科書や参考書に載っている吸熱反応に、「どうもこの反応は物質を構成している粒子が散らばる化学変化ではないようだ」と思われる反応がありましたら、補足欄でお知らせください。
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全ての化学反応は可逆反応で、中学校まではそれを一方しか学びません。


A + B ⇄ C + D + Q(熱)
C + D + Q ⇄ A + B
と考えると、よくわかると思いますが、加熱しなければ進行しない反応は吸熱反応ですね。
 2NaHCO₃ + Q → 2NaCO₃ + H₂O + CO₂
炭酸水素ナトリウム(クッキーを焼いたときの反応)

2Ag₂O + Q → 4Ag + O₂
 酸化銀の熱分解

あるいは、あまりに有名な、かの有名なハーバー法
 N₂ + 3H₂ + Q → 2NH₃

ご覧のように、化学変化の熱の出入りと、どちらに進みやすいかは関係ないことがわかる。
 その問題は、極めて不適切だと思われます。

 物質が溶解する現象は、本来はエントロピーの増大で吸熱的なはずですが、硫酸を水に溶かすと、硫酸に水が水和する化学変化により熱が発生し、差し引き発熱となります。
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この回答へのお礼

返答ありがとうございました。
中学生に解かせる問題としては……と私も感じました。
ありがとうございました。

お礼日時:2017/02/12 18:27

この問題が中学校で習う知識だけで解けることは、回答No.3で示しました。



「熱の発生が多いほど、その反応が進みやすい」ことと「物質を構成している粒子が散らばる化学変化は進みやすい」ことは、大学で習う事柄です。ですけど、あらかじめこの二つの法則を知らなかったとしても、回答No.3で示した解法に従って解けば、中学校で習う知識だけでこの問題を解くことができます。

以下は、大学で習う、自由エネルギーに基づいた説明です。

温度と圧力が一定のとき、化学反応は自由エネルギーの減少する方向に進みやすい、という法則があります。反応前後の自由エネルギーの変化量 ΔG は

 ΔG = ΔH - TΔS

で与えられます。ここで ΔH は反応エンタルピーと呼ばれる量で、反応熱 Q に -1 を掛けたものです。よって発熱反応では ΔH < 0 となり、吸熱反応では ΔH > 0 となります。T は絶対温度で、摂氏温度に273 を足したものです。絶対零度より高い温度では、T は必ず正の値となります。ΔS は反応エントロピーと呼ばれる量で、おおざっぱに言えば、物質を構成している粒子が散らばる化学変化では正の値となり(ΔS > 0)、物質を構成している粒子がまとまる化学変化では負の値となります(ΔS < 0)。

化学反応は、その反応の ΔH と ΔS の正負に応じて、4つの場合に分けることができます。

(1) 粒子が散らばる発熱反応(ΔH < 0 かつ ΔS > 0)
この場合は、どんな温度でも ΔG < 0 となりますから、反応は進みやすいです。
例えば金属と酸を反応させて、水素と金属イオンの水溶液ができる反応は、発熱反応です。

 金属(固体) + 酸(水溶液) → 金属化合物の水溶液 + 水素(気体) + 熱

固体と溶液が反応して、気体と別の溶液が生成しているので、この反応は粒子が散らばる発熱反応です。
別の例として硫酸が水に溶ける現象があります。物質が溶解する現象は、粒子が散らばる(広い意味での)化学変化です。硫酸の場合は、水が硫酸に水和する化学変化により熱が発生するので、粒子が散らばる発熱反応です。

(2) 粒子がまとまる吸熱反応(ΔH > 0 かつ ΔS < 0)
この場合は、どんな温度でも ΔG > 0 となりますから、反応は進みません。
例えば先の例の逆反応は

 金属化合物の水溶液 + 水素(気体) + 熱 → 金属(固体) + 酸(水溶液)

のように、粒子がまとまる吸熱反応となりますから、反応は進みません。この反応をどうしても進めたいなら、電気分解するなどして、熱エネルギーの代わりに電気エネルギーなどのエネルギーを消費する必要があります。

(3) 粒子が散らばる吸熱反応(ΔH > 0 かつ ΔS > 0)
この場合は、温度が十分に高ければ、ΔG < 0 となりますから、室温では進みにくい反応でも、温度を高くすることで反応が進むようになります。
例えば酸化銀の熱分解

 2Ag2O(固体) + Q(熱) → 4Ag(固体) + O2(気体)

は吸熱反応で、固体が分解して別の固体と気体になっているので粒子が散らばる反応です。炭酸水素ナトリウムの熱分解も同様で、熱分解反応の多くはこの場合に当たります。

(4) 粒子がまとまる発熱反応(ΔH < 0 かつ ΔS < 0)
この場合は、温度が十分に低ければ、ΔG < 0 となりますから、室温でも反応が進むことが多いです。また、熱の発生が多いほど、ΔG = ΔH - TΔS の 右辺第一項の寄与が大きくなりますから、「熱の発生が多いほど、その反応が進みやすい」ということができます。
例えば酸とアルカリの中和反応

 HA(水溶液) + BOH(水溶液) → AB(固体または水溶液) + H2O(液体)

は中和熱が大きいので、粒子がまとまるのか散らばるのか分からなかったとしても、室温で反応が進むことは分かります。

また別の例として、あまりに有名な、かの有名なハーバー法

 N2(気体) + 3H2(気体) → 2NH3(気体) + Q

が挙げられます。この反応は、4個の分子から2個の分子ができる反応なので、粒子がまとまる反応です。粒子がまとまる吸熱反応は、そとから電気エネルギーなどを加えないと絶対に進まないので、この反応は発熱反応です。この例から、加熱しなければ進行しない発熱反応もある、ということが分かります。

ΔG が負なのに室温では進まない反応、すなわち室温で混ぜただけでは反応が進まない発熱反応が数多くあるのは、多くの反応では“活性化エネルギー”が必要だからです。活性化エネルギーについては高校で学びますが、おおまかにいえば、化学反応で分子の化学結合を切るのに必要なエネルギーが活性化エネルギーです。温度を高くするとこのエネルギーの源として熱エネルギーを使うことができるようになるので、室温ではほとんど進まない発熱反応でも、高温では進むようになります。原料の分子の化学結合を切るのに周囲から借りた熱エネルギーは、反応で新しい分子の化学結合ができるときに返済することができます。借りたエネルギーに利子を付けて返すのが発熱反応で、エネルギーを全額返済せずに、新しくできた化学結合にエネルギーを溜め込んでしまう反応が吸熱反応となります。

高校で化学平衡について学ぶと、N2とH2からNH3を合成する反応では、温度が低いほどNH3側に平衡が傾くことがわかります。それにもかかわらず、ハーバー法で加熱しているのは、反応速度を上げるためです。温度を高くするとNH3が生成する速度はあがりますが、それと同時にNH3が分解する速度もあがります。正味の反応速度が高くなるように、適度に高い温度で合成するのがハーバー法です。
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この回答へのお礼

大変詳細な解説、ありがとうございました。
中学生相手でしたら、No3でご教授いただいたような解説が最もふさわしいように自分は感じました。
ただ、中学校理科の教科書では、反応前後のエネルギーの大小で解説されています。
そのため、その場で粒子で考えないととけない子と問題は、ちょっと難解すぎたのでは……と自分は思いますし、あまり良い出題ではなかったのではとも感じます。
まぁその辺は私の私見ですが。

何にせよ、とても助かりました。勉強になりました。

お礼日時:2017/02/12 18:32

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