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1.商人Aは、雇い入れている従業員Bを甲支店の支店長に任命していたが、Bが退職の 意思を示したため、新たにCを支店長に任命した。しかし、Cを支店長に選任する際 に支配人登記の変更はされず、甲支店の支配人登記は依然としてBのままであった。
2.Bは、退職後に、「A甲支店長B」の名義でPと取引を行い、Pに対して、Aから後 日代金 300 万円が支払われる旨を伝えた(以下、「本件取引1」という。)。ちょうど その頃、Cは「A甲支店長C」名義でQと取引を行って品物を納品し、翌月に代金 150 万円の支払いを受けることを約した(以下、「本件取引2」という)。
3.しばらくして、Aは支配人登記を変更し、Bの退任とCの就任が登記された。この登 記がなされた後に、Bは「A甲支店長B」名義でRと取引を行い、目的物の引渡しを受け、 代金は後日Aが支払う旨約した(以下、「本件取引3」という)。

〔質問内容〕
1「本件取引1」について、Aは、Pからの代金請求に応じる必要があるか  
2. Qは「本件取引2」について、QとCの間の取引であるとしてAからの代金請求を拒
絶している。Qの主張は認められるか
3「本件取引3」について、Aは、Rからの代金請求に応じる必要があるか

A 回答 (1件)

問1 商法9条2項に基づき検討。

(9条1項によるべきとの説も有力だが)
Bが、真実Aの甲支店の支配人を辞任し、Cが新たに支配人に選任されたとして、
(Cが支配人に選任されても、Bが支配人であり続けることは可能。B辞任は問題文に明示されていないため、このように仮定する)
支配人の辞任及び就任は、登記事項であるにもかかわらず、Aは、Bの辞任登記せず、Bが支配人である旨の不実の登記を残存させている。真実、Bは支配人辞任しており、Aには不実登記に過失は否定できない。
よって、9条2項に基づきAはPに対してBが支配人でないことを対抗できず、Bがなした本件取引1の、Aへの効果不帰属を主張できない。従って、Pからの請求をAは拒めない。

2. 9条1項前段に基づき検討する。
Aは、Cの支配人登記をすべきなのに、登記していない。従って、Qが、CがAの支配人であることを知っている場合を除き、Aは、Qに対し、Cが支配人であることを対抗できない。そのため、Qの主張が認められるようにも思われる。
しかし、CはQとの間で「A甲支店長C」名義で本件取引2をなしており、Qは、CがAの支配人ないし、本件取引2の代理権を有するものとして、本件取引2をなしたといえる。従って、Qからの、9条1項に基づく、QC間の取引であるとの主張は、権利濫用ないし信義則違反として認められない考える。

3.9条1項後段と表見支配人(24条)の関係を考察する。
Bは支配人ではないから、本件取引3は無権代理であり、その効果はAに帰属しないのが原則である。しかし、24条の要件を満たすとき、Aは責任を負う。すなわちBは支配人でないのに、支配人を名乗り、Aが、Bに支配人と名乗ることに帰責事由があり、Rが、Bが支配人でないことにつき、善意(無重過失(判例))でれば、24条の要件を満たす。
この時、Aは、Bの辞任登記をすませているから、9条1項後段の登記の積極的公示力により交通途絶など客観的障碍にあたる正当事由ない限り、善意者も悪意擬制される。
そうすると、Rは、Bが支配人でないことにつき悪意擬制され、24条の要件を満たさないとも思える。
この場合、通説は、24条は、9条の例外規定と理解し、登記済であっても、善意無重過失の相手方は、24条は適用されるとされる。
よって、24条の要件を満たす場合、これに基づき、RはAに請求できる。
なお、民法112条の主張はできない。判例同旨
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