
化学実験で、サリチル酸と無水酢酸からアスピリンを合成し、精製したアスピリンと未精製のアスピリン、さらに比較物質として標準サリチル酸、標準アスピリンの4つをスポットしてクロマトグラフしました。
その結果、サリチル酸のRf値がアスピリンのそれよりも大きくなりました。シリカゲルTLCにおいて、シリカゲル表面に対する官能基の吸着の強さは、COOH>OH>OCORだから、アスピリンの方が大きくなると思うのですが・・・
あと、未精製のアスピリンを展開したところ、アスピリンの他に、薄いスポットが見られたのですが、これは未反応のサリチル酸と考えてよいですか?それとも解離した状態のものが含まれているのでしょうか?
展開溶媒にはヘキサン、酢酸エチル、ギ酸を15:4:1で混合したものを用いました。
どなたかお答えしていただけたら嬉しいです。お願いします!

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
補足です。
>サリチル酸で分子内水素結合が起こったとき、ヒドロキシル基の酸素と、カルボキシル基の水素で起こるんですよね?
ヒドロキシル基の水素と、カルボキシル基の酸素(C=Oの方)で起こります。
>シリカゲルが水素結合を形成できなくなるのは、試料の極性に関わるんですか?
シリカゲルが試料と水素結合を作ると、シリカゲルと試料が強く引き合うことになり、展開溶媒が移動しても、試料の移動が起こりにくくなり、極性が大きくなると言うわけです。
サリチル酸、アセチルサリチル酸ともにCOOHのHがシリカゲルと水素結合を作ることは共通ですので、それ以外のOHとCH3COOの部分を比較することになります。
普通は、OHの方がCH3COOの場合よりも極性を大きくするのですが、この場合には分子内水素結合のために、OHによる極性の増大効果が小さいということです。
>試料の展開溶媒への溶解度はこの場合関係ないのでしょうか?
試料の展開溶媒への溶解度が極端に小さいとか、TLCプレートにつけた試料が著しく多いという場合以外には、あまり気にする必要はありません。
類似の質問はこれまでにも多く出ていますので、そちらの説明も読んでみて下さい。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1723458
なお、未精製のアスピリン中の薄いスポットは、サリチル酸と考えるの妥当だと思いますが、断定するには標品との比較が必要でしょうし、それが未反応のものなのか、生成物が分解したものかを判断するのは難しいと思います。
w-palaceさん、詳しい回答ありがとうございます!!
まだまだ勉強不足で、知らなかったことが多かったけれど、とても勉強になりました。

No.1
- 回答日時:
サリチル酸のヒドロキシル基は、カルボキシル基のオルト位にあるため、分子内で水素結合を形成します。
そのために、通常のヒドロキシル基と異なり、シリカゲルも酸素との水素結合の形成が起こりにくくなり、結果的に極性は小さくなる傾向があります。
結果的に、ヒドロキシル基はアセトキシ基に置き換わったアセチルサリチル酸と比較しても、極性が小さくなり、Rf値が大きくなったものと説明されます。
回答ありがとうございます!とても参考になりました。
ところで、サリチル酸で分子内水素結合が起こったとき、ヒドロキシル基の酸素と、カルボキシル基の水素で起こるんですよね?あと、シリカゲルが水素結合を形成できなくなるのは、試料の極性に関わるんですか?
変な事聞いてごめんなさい。でも、教えてください。
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