◆1 日本語の主語の単数、複数の使い分けなどですが、私達は第一人称を主語にしていても、謙譲などの気持ちから単数であっても、時として複数形を用いている場面に出会います。
“私ども、・・・”とか。
無論、他の民族の言語のようには述語動詞までに拘る言語ではないので、単数なのか複数なのかは情況からの理解となります。
このようなことは、聖典などのもみうけられます。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6242974.html
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6169428.html
日本語での単・複の混用は
1)どのくらいの時期まで遡れるのでしょう?
2)上記URLでの例と何か共通するところがあるのでしょうか?
◆2 更に日本語では第一人称の指示代名詞“われ”という語で、第二人称を指示することが見受けられます。
“われ、おのれに聞いてみぃ”とか。
3)ここの“われ”も“おのれ”も本来は第一人称の指示代名詞であって、それを第二人称の指示に宛てているという取り方は間違いでしょうか?
4)本来、第一人称の指示代名詞を第二人称の指示に宛てることは心理的にはどういうことなのでしょう?
国語のことは決して専門ではないのですが上記の既出質問で疑問に思いましたので、お伺いいたします。
どうかよろしくお願い申しあげます。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
1)どのくらいの時期まで遡れるのでしょう?
広辞苑の例文で調べてみました。
我等「この君の御夢、われらにとらせ給へ」
宇治拾遺物語(13巻156夢買人事)→13世紀前半頃
「われら→私に」という訳がされています。
単・複の混用は、調べればもっと古くからあるかもしれませんね。
2)上記URLでの例と何か共通するところがあるのでしょうか?
上記URLでの例: (c説―尊敬表示説) 複数形は尊敬を表示する
だといたしますと、
聖典では「われわれ」の自称が尊敬としての表現であるのに対して、
日本では「われわれ」の自称が謙称とされていますね。
対比的にみると面白いかもしれません。
そういえば「子供」の「ども」も、人称ではないですが、
複数→単数という使い方ですね。広辞苑で「共」を調べてみると、
[1]体言に添えて複数の意を表す。古くは「たち」と対立し、話し手または相手より下のものと見たときに使う。
[2]単数でもへりくだっていうのに使う
とあります。つまり「ども」自体が、複数・単数を問わず謙る意味を持っているようです。
ちなみに[1]の例文に、「荒ぶる国つ神ども」古事記(上)があげられています。
こうなると、複数形と謙称に関連があるのかどうか、
「等」も調べてみましたら、謙る意味はなく、「親愛」の意味がありました。
私見ですが「われわれ」が謙称なのは、
「私のようなものは、どこにでも転がっています」
といったニュアンスなのかな、と思いました。
◆2 について
参考URLより引用しますが、
>自称詞(一人称)としてではなく、対称詞(二人称)として使われる場合は相手の中の「自己」を呼ぶことになり、相手を罵ったり同輩以下をぞんざいに言う対称詞の呼格的用法に転用されたものと考えられます。
こういう考えもあるみたいですね。
参考URL:http://blog.livedoor.jp/megasmile/archives/50327 …
この回答への補足
皆様有り難う御座いました。
どういう経緯か不明でも、単・複の混用の中であいまい性を保持し、滑らかな関係を持とうとしている私達かもしれませんね。
また(人称的)代名詞の不確立というのもそういうことと、分りきった間という関係を大事にしているのかもしれませんね。
“ども”などがまた、相手より(これが大事でしょうが)低くした、或いは謙譲的な立場性を表現するかのような語でもあるのですね。
日本人性ということの理解に参考になるのかな、と勉強させていただきました。
厚くお礼申し上げます。
ここは一応締め切り、関連でまた、http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6249026.html という質問を出させていただきました。
どうかご訪問くださり、教えやコメントいただけますように。
ありがとう御座います。
仰せのように、【単・複の混用】は【単・複の区別】を曖昧にしていき、しかも“共 ども”なども本来、複数を示さない側面のある語も存在していたのですね。
「私のようなものは、どこにでも転がっています」という話者側の気持ちはとてもよく判りました。
有り難う御座いました。
No.2
- 回答日時:
1については他の方に。
2の4)について。
日本ではその場にいる最年少の人の視点で人称を言う、という習慣があります。
たとえば、息子・その父・息子の祖父が三人でいる場では、父は祖父を、自分の「父」であるにもかかわらず「おじいちゃん」と呼びます。息子の視点からそう呼んでいるのです。この場から息子が去ると,父は「おじいちゃん」ではなく「おやじ」とか「とうさん」とか呼びます。
幼い男の子に「ぼく、どうしたの?」と問いかけるのも、この心理です。
「われ、おんどれの胸に聞いてみぃ」は、その場の自分を含めた二人のうち相手を目下と見て、その相手の視点から、相手にとっての「われ」「おのれ」と呼んでいる、と解釈できます。
ですから、3)についても、質問者様の取り方でいいと思います。
この回答への補足
はぃ、我が家も倅や娘達の誕生とともに、母はおばぁちゃんになり、私達はお父ぅさんとお母ぁさんになりました。
姪孫が来ると、私はじぃっちゃんになります。
これは一番年少の子を中心にして、人称を決めているのですね。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
後者についてだけ, かつ本論と離れてしまう可能性が高いのですが 1点指摘させてください.
日本語には「代名詞」は存在しないという考え方があります. つまり, あたかも「代名詞」のように見えるものは文法上ただの名詞であり, それが状況によって代名詞のように使われる, という考え方です. もちろん「代名詞的に使われる」ときには, その場によって「何を指示するのか」が変わります. 逆に, 同じものを指示する場合であっても周辺状況で使われる名詞が異なることもあります.
この視点で考えると, 「われ」にしろ「おのれ」にしろ「自分自身」をさす「ただの名詞」であり, これらの語で指し示される「自分自身」が文脈 (状況) によって 1人称になったり 2人称になったりすると解釈できます. これならまったく問題はありません.
この回答への補足
Tacosanさん、今朝また一度読んでいます。
【あたかも「代名詞」のように見えるものは文法上ただの名詞であり】はつまり“文法上の品詞区分では”という理解でよろしいでしょうか?
そして文(会話)中において【あたかも「代名詞」のように見える】ということですね。
つまり使われ方で「代名詞」になるということですか?
そして【「われ」にしろ「おのれ」にしろ「自分自身」をさす「ただの名詞」】であり、語としては,"I"の如き人称代名詞専用ではないのだ、ということですね。
しかし日本語にもやはり第一人称という観念はあるのですよね。当然ながら。
無論、第二人称も三人称も。自他を指す、こういう第○人称がないという意識存在ってありえないですものね。
お時間がありましたら、ご回答をこのように理解申し上げてよろしいか、どうかご投稿ください。
よろしくお願い申しあげます。有り難う御座いました。
「われ」にしろ「おのれ」にしろ「自分自身」をさす「ただの名詞」であり、それが一人称とは限らないということですか。
いやそれは勉強になりました。他言語にいう代名詞は日本語にはない。
そうなんですか。そういう心性についてよく自分に反省していきたいと存じます。
有り難う御座いました。
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